根見会二次会「ピク根ック」→精神的に根を捉える
じっくり根っこを見ながら歩き回ったらお腹が空いた。ここからは二次会、ピク根ックに突入だ。
正直、記事に必要な写真はここまでで十分撮れたので、あとはいつも通りのお喋りを楽しもうと思っていた。だが見上げる花もなく、地べたに座りお互いの顔をじっくり見つめ合っていると、自然とそれぞれの葛藤やコンプレックスなど、深い部分について根掘り葉掘り話してしまう。
やがて話題はそれぞれの活動の根源、ルーツにまで遡る。路上園芸学会、空想地図作家、片手袋研究家、世間から不思議がられる活動はいつ始まったのか?
ここから3人とも10~30年と活動を続けてきた。勿論その間、常に根を詰めて研究や創作に励んでいたわけではないが、とにかく「やめない」という根気だけはあったし、それこそが今の我々を支える太い根っこになっている。
「ちょっとこれを見て下さい」。村田さんがスマホを取り出した。そこには根見会のテーマソングともいえる、北島三郎『根っこ』の歌詞が表示されていた。
「咲いた花ばかり称賛するけど、忘れちゃいけないのはそれを支える根っこだぞ」。サブちゃんほど大輪の花を咲かせた人でも、やはり根っこの重要さを説いていた。ささやかではあるが、我々も時に花を咲かせることがある。
しかし、これからも大事にすべきはまったく人目に付かない日々の地味な活動なのだと気づかされた。
根こそすべて
根を見て、根について考える、根っこ尽くしの根見会。狂騒的な花見の盛り上がりも良いが、低い根っこ目線で世界と人生を捉え直す経験はとても楽しかった。帰り道。私は今まで見えていなかったものが見えるようになっていたのだ。
植物に限らず我々の社会や生活すべては、目に見えない根っこの部分が支えている。根見会を経験してみるとそれがよく分かる。
別れ際、私は今回付き合ってくれた村田さんと地理人さん、そしてこの世の根っこすべてに感謝を伝えたくなり、根元まで掘って引っこ抜いた竹で自作した尺八を吹かせて頂いた。
単純に楽しくて、この世の捉え方も劇的に変化する根見会。本当におすすめなので、皆さんもいつか一緒にやろう根!
お知らせ
様々な路上観察者をお招きしてその活動を伺う『都市のラス・メニーナス 』というイベントを月イチで開催しています。次回7/8(月)のゲストは、DPZでもお馴染みのスミマサノリさん!「捨てられた椅子に座り続ける」という不思議な活動を続け、その数なんと2700脚目前のスミさん。何故座るのか?どこに椅子はあるのか?じっくり伺います。是非遊びに来てください!
『5枚の写真で語る捨てられた椅子に座るシリーズ』
※日時:7/8(月)19:30~
※会場観覧:1500円。平井オープンボックスにて。チケット購入はこちらから。予約なしの当日飛込み参加も大歓迎です。終了後懇親会あり。
※配信(無料)はこちらから。
おまけ
「なんでこんなに根っこが気になるのかな?」と考えていたのだが、根見会を終え最寄り駅に到着して驚いた。