憧れを食べた!
ここ数年、歴史を知ってから食べるとさらに美味しいと気がついて、そのようなことを勉強してから食べるようにしている。もちろんそんなことしなくても、米屋の羊羹は美味しいけれど、さらに美味しく感じる。しかも今回は憧れの「生栗蒸し羊羹」だったし。近所で売って欲しい。私の家から成田は遠いのだ。
参考文献
「ようかん」虎屋文庫 新潮社 2019
「和菓子 伝統と創造[補訂版]」森崎美穂子 水曜社 2020
煉羊羹の流行の一つに日持ちがある。だが、日持ちしなかった蒸し羊羹は消滅しなかったから純粋に味だけの問題ではない。味はどちらもいいのだ。
歴史を知ると面白いので先に長々と書いた。蒸し羊羹は日持ちの問題もあり、一時は古風と言われるわけだけれど、米屋が日持ちするようにした。
でも今はまた「生」を作っている。
そう、日持ちしない栗蒸し羊羹が存在するのだ。歴史は繰り返されるのだ。
米屋は成田にある創業明治32年という歴史ある会社だ。先の成田羊羹博物館も米屋のもの。羊羹が有名だけれど、和菓子全般を作っている。「ぴーなっつ最中」もその一つだし、コンビニあるどら焼きも実は「米屋」なことが多い。
その米屋が「生栗蒸し羊羹」を作っているのをどこかで偶然知った。私は「生」が好きなのだ。ビールも牡蠣もなんやかんやも生があるなら生がいいと思っている。だから食べてみたかったけれど、成田限定だから買う機会がなかった。しかし、ついに成田に行ったのだ。だったらぜひ食べたいわけだ。
販売されるところも限定で、さらに数量も限定で売り切れもあるのだ。米屋の本店に行ったのだけれど、売り切れていた。ごく控えめに言ってがっかりした。だって食べたかったんだもん。ただ神は与えてくれた。
憧れの生栗蒸し羊羹を買うことができた。じっくり観察しようと思う。まず気になるのは先にも書いた賞味期限だ。
せっかくなので生ではない栗蒸し羊羹も買ったのだけれど、1カ月ほど賞味期限が違った。生か否かで賞味期限はかなり変わるのだ。さらにせっかくなので栗羊羹(煉羊羹)も買った。
栗羊羹は煉羊羹なのでやはり賞味期限が長い。先のものと比べれば1年ほど違うことになる。煉羊羹はすごい。食感も異なるので味の面は好みということになるけれど、賞味期限はわかりやすく異なる。
生と否かでは表面の輝きも異なった。生は輝きが鈍い。一方で生でないものはピカピカに輝いている。4月の小学一年生のようにピカピカだ。
憧れの生栗蒸し羊羹を食べる。とても美味しかった。売り切れる理由がわかる。キレのある甘みがねっとりと絡みつくのだ。生はよりねっとりで、生でないものはねっとり具合が弱い。それでも煉羊羹に比べればねっとりしているけどね。
勘違いしないで欲しいのは生栗蒸し羊羹も、栗蒸し羊羹も、栗羊羹(煉羊羹)も美味しいということだ。米屋の羊羹は美味しい。高いレベルで生がさらに美味しいと感じるのだ。ちなみに米屋はどら焼きも美味しくて、コンビニでめちゃくちゃ買っています。
ここ数年、歴史を知ってから食べるとさらに美味しいと気がついて、そのようなことを勉強してから食べるようにしている。もちろんそんなことしなくても、米屋の羊羹は美味しいけれど、さらに美味しく感じる。しかも今回は憧れの「生栗蒸し羊羹」だったし。近所で売って欲しい。私の家から成田は遠いのだ。
参考文献
「ようかん」虎屋文庫 新潮社 2019
「和菓子 伝統と創造[補訂版]」森崎美穂子 水曜社 2020
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