特集 2024年10月19日

本の気になった部分だけ紹介

本の一部分だけ覚えていることがある。
その本を象徴する一文であることもあれば、主題に全然関係ない部分であることもある。

そんな本の記憶をDPZ関係者に聞いてみました。

インターネットにラブとコメディを振りまく、たのしいよみものサイトです。

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気になっている文を披露する会を行いました。

 

選者:べつやくれい

冬の楽しいお惣菜はおでん。これはおでんパーテーでもひらいて、お友達とおしゃべりする時、作るといいですネ。

パンはフランス。もうなんにもつける必要ないンだ。焼きたてのフランスパンをちぎりちぎりむしゃぶる、それだけで満足しちゃうのだからサースガ!!!

水森亜土『亜土のおしゃれ料理』(ちくま文庫)

1978年の本なので、おしゃれ料理なんだけどおでんが載っていて。
「サスガ」「ないンだ」、やっぱり言葉がひとつひとつがすごくいい。亜土ちゃんのイラストがいっぱい入ってんのかと思いきや、あんまり入ってない。

・めちゃくちゃいいですね。(西村)
・東海林さだおっぽさがある(林)

亜土のおしゃれ料理

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ヒツジをまとったブタも、ブタのケーシングに詰められたヒツジも、最終的には人間の腸そのものに包まれ、くず肉として小腸、大腸、直腸と歩を進め、ついには出口に達する。ここに来て、大便と本当のソーセージの大きな違いが明るみに出る。ウンコは素っ裸で登場するということだ。

ミダス・デッケルス 山本規雄(訳)『うんこの博物学』(作品社)

何言ってんだろうと思うよね。でもちょっと納得しちゃうところが悔しいでしょ。

・なるほどって思っちゃった(安藤)
・真面目な話とかもあるんだけど、だいたい何言ってんのかなっていう。うんこ好きの方にはもう本当おすすめ。(べつやく)
・付箋が多いですね(唐沢)

 
うんこの博物学: 糞尿から見る人類の文化と歴史

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選者:石井公二
北海道銘菓「マルセイバターサンド」。そこに使われているバター(食塩不使用)を家庭向けに有塩バターとしてつくったのが十勝産生乳(せいにゅう)を100%使用した「十勝マルセイバタ」だ。
(グラフィック社編集部『バターの本』グラフィック社)

バターを本気で紹介している本で、旅行に行ったらこのバター買おうとか、そういう感じになります。マルセイバターサンドのところを読んでてゾクッとしたとこなんですよね。

・いいですね、それは買いますわ。(べつやく)
・マルセイって元々バターを作ってたんじゃなかったっけ(西村)
・札幌駅でいま、その場で挟んでくれるバターサンドありますよ(安藤)
・それはいい(全員)

 
バターの本 日本のおいしいナショナルバター&クラフトバター

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お前が準備した陳腐なディナーデートのメインディッシュの「ロティサリーチキン」が近所のスーパーの出来合いだって彼女が気付いてなかったと思うか?
(スヌープドッグ『スヌープドッグのお料理教室』晶文社)

これは ギャングスタラッパーのスヌープドッグのレシピ本なんですけど、何が面白いって翻訳者の努力。いかにこのギャングスタラッパー感を出すかっていうのが良くて。 

・これ、原文みたいですね。(安藤)
・いわゆるスラングみたいな書き方をしてるのか(石井)
・常備してる食材っていうページが最初のほうにあるんですけどバターもありました。(石井)

 
スヌープ・ドッグのお料理教室

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選者:西村まさゆき
「夜もふけてまいりました」は、夜の他に何がふけたのか?
(定延利之『日本語不思議図鑑』大修館書店)

日本語のちょっとこれってどういうことなのかな。みたいなののをいっぱい集めた本。ちなみにこれの答えは「特に何もふけてない」。あっさりしています。

・「味あわせるか、味わわせるか」という問いもある(西村)
・わ、それいつも迷うやつだ(林)

 
日本語不思議図鑑

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ファントム・バイブレーション・シンドローム 

「ふしぎ現象」研究会『ふしぎ現象事典』マイクロマガジン社

小学生向けなんですけど、ヨシタケさんのイラストがおもしろくて。好評みたいで続も出てます。リンゲルマン効果とか、シミュラクラ効果とか、おもしろいです。

・なんか技名みたい(べつやく)
・アップルウォッチしてないのに、アップルウォッチが震えてる感じがするんですよね(安藤)
・いまの子供向けの本、面白いですよね(林)

 
大人も知らない? ふしぎ現象事典 事典シリーズ

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選者:安藤昌教
「春を生きのびることさえできたら、すてきな夏が待ってるわ!」
チャールズ・M・シュルツ 著, 谷川俊太郎 訳『完全版 ピーナッツ全集4』河出書房新社

スヌーピーでおなじみマンガ「ピーナッツ」を谷川俊太郎が訳した本です。その中でローラースケートをがんばって練習するルーシーのセリフ。こういう英語の日常的な言い回しがところどころに出てきて、ふむふむ英語ではこう言うのか、しゃれてるな、といちいち関心させられます。

・明けない夜はないみたいな(石井)
・ワンダフルサマーなんですね。日本だと春が待ってるっていう(唐沢)
・確ねかにそう。春がきついのかな。英語のよくある言い回しなのかな(林)

 
完全版 ピーナッツ全集 4 スヌーピー1957~1958

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ミケランジェロの年俸は3600万円
佐藤晃子『西洋絵画の鑑賞辞典』長岡書店

西洋絵画のみどころを有名絵画を例に出して解説した本です。ミケランジェロが描いた「最後の審判」の解説では、ミケランジェロが描いた400体の裸体が後年問題となり、別の画家によって下半身にぜんぶ布が描かれた、と書かれていました。ミケランジェロはこのでかい絵を5年かけて描くんですが、毎年3600万円もらっていたらしいです。

・結構もらってますね(林)
・ミケランジェロが書いたのって天井ですよね(唐沢)
・天井に書くの、結構辛そうだけど(べつやく)
・メディチ家からもらっていた(石井)

 
名画のすごさが見える西洋絵画の鑑賞事典

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選者:唐沢むぎこ
インフレ、オイル不足、イラン問題と、イライラの種が尽きなかった七〇年代末のアメリカに、”ストレス解消剤”と称して、写真のように身代わり人形「ナード(Nurd)」が登場
坂根厳夫『新・遊びの博物誌Ⅰ』朝日新聞出版
坂根厳夫『新・遊びの博物誌Ⅰ』朝日新聞出版

クリスマスだけで25万個売れたらしいです。こんなおもちゃみたことないし、名前がひどすぎる(内向的でうじうじした人みたいな俗語)。おもちゃ以外に影絵やだまし絵、ミステリーファイルなどなど古今東西の遊びが紹介されていてめちゃくちゃ面白いです。

・めっちゃ売れるなよ(べつやく)
・これってオタクのnerdとは違うんですか(林)
・nerdもあればnurdもあって、50~60年代ぐらいに俗語でナードが生まれて、このおもちゃにつけたら大ヒット

 
新・遊びの博物誌1 (朝日文庫)

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グリーンアスパラガス 細かく刻んで食べるべし!残念だけど、歯ごたえはあきらめて
(オレンジページ著『これってまだ食べられる? くさりかけ事典 食べようび』オレンジページ)
(オレンジページ著『これってまだ食べられる? くさりかけ事典 食べようび』オレンジページ)

元々オレンジページの付録だったのを 電子で独立して販売してるので、キンドルアンリミテッドに入ってます。

・やめとけはないんですか(石井)あります(唐沢)
・もやしって見極め難しいですよね(西村)
・野菜捨てるのが苦手で、これぐらいだったらって食べちゃうので、これは心の支えですね(唐沢)

 
これってまだ食べられる? くさりかけ事典 食べようび

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選者:まこまこまこっちゃん 
ところがその紳士は左の耳にバナナを詰めていたのだ。
伊丹十三『ヨーロッパ退屈日記』新潮文庫

伊丹十三のエッセイより。変わったことをしているおじさんって最近あんまり見ないような気がします。

・これ読んだことある。僕も印象に残ってました(安藤)
・こまで変わったおじさんは昔も見なかった(べつやく)

 
ヨーロッパ退屈日記 (新潮文庫)

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わたしが病院を休むのは、毎年冬と春に二回、スキーのためだけであるから、年休は全部で六十日ほどあまっていた。
岩坪昤子『ヒマラヤ診療所日記』中公文庫

年2回スキーに行って60日余る年休ってどういう仕組だったんでしょうか。現在は2年で時効消滅してしまうので40日がマックスという会社が多いはずですが、いつか60日余らせてみたいです。

・まこまこまこっちゃんが気になったのが年休の日数(林)
・どういうシステムだったんだろ。(べつやく)

 
ヒマラヤ診療所日記 (中公文庫 M 163)

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選者:林雄司
 
 
向ケ丘遊園の歴史は古い。開園は1927年で、小田急小田原線の開業と同時にオープンした。(略)遊園地とはいっても当初は無料で、自然公園的な位置づけだった。小田急の社史「小田急五十年史」によると、「都会人の憩いの場」というコンセプトでスタートし、娯楽施設としては「土器投げ」があったくらいだという。
河尻定『鉄道ふしぎ探検隊』日本経済新聞出版社

遊園地のアトラクションとして「土器投げ」って魅力がなさすぎないですかね。

・でも100年前ですから(安藤)
・最近行った美術館で、お客さんがボタンを投げるところで大人がずっとやっててスマホとかプレステとかいらないんだって思いました。投げるだけで(唐沢)
・神社で、あそこの穴にこなんか小石が入ったら願いが叶う的なやつとか(べつやく)
・向ヶ丘遊園擁護派が多い(林)

 
鉄道ふしぎ探検隊 (日本経済新聞出版)

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竹久夢二
彼は自分の描く絵が夢二式と呼ばれ、ジャーナリズムにもてはやされるようになると、すぐおのれを過大評価し、昔の仲間とつき合うのをやめた。
たまに、道で出あっても知らんぷりをする。そのひとりがわざわざ傍らに行って「竹久、ずいぶん呼んだよ」というと、「そうですか、ぼくは町を歩くとずいぶん知らない人から声をかけられるのでね。それだと思って知らん顔をしていたのです」とすまして答えたというので、いよいよ仲間の反感をかうようになった。
紀田順一郎編『にっぽん奇行・奇才逸話事典』東京堂出版

いろんな有名人の逸話を集めた本ですが、竹久夢二が群を抜いて性格が悪い

・やなやつだな(石井)
・面白そうと思って買うと紀田順一郎の本(西村)
・私もです(唐沢)

 
にっぽん奇行・奇才逸話事典

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いかがだったでしょうか。以上「そういえばAmazonでセールやってるね」の小特集でした。

でも、どれも我々がすべて自腹で買って気に入っている本なので自信を持っておすすめできます。

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