特集 2020年4月21日

マッスルスーツを着てゴリラのマネをすると笑ってしまう

身体を拡張したらゴリラになったよ

3月にマッスルスーツを借りた。
重い荷物を楽に持ち上げられる装置である。未来のものだと思っていたらビックカメラやamazonで市販されていた。

そんな未来を使ってみた結果である。
 

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

前の記事:これが「私の楽しいこと」

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ゴリラのマネが楽しい

マッスルスーツを使ってみての第一の感想がこれだ。

楽しくてウホウホ言っている。ゴリラがウホウホ言うのは楽しいからだったのだ。

このマッスルスーツ、イノフィスのマッスルスーツEveryという商品である。装着すると、25kgfの力で背中を引っ張ってくれるのだ。

本来であればこの力は重いものを持ち上げたり雪かきなどの労働に使われる。だがその重いものがないと、その力はただ身体を軽く感じさせてくれるのだ。たぶん。

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こういう理由で
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こうなる

自分史上いちばん身体が軽い。

今回、これをイノフィスの社長から直々に借りているので、「ゴリラのまねに最適」なんて話を最初に持ってくるのはどきどきする。ただ、そんな遠慮を乗り越えるぐらい楽しいのだ。

からだの底から笑いが湧き上がってくる。

プリミティブな楽しさだ。スポーツマンになりたい。そんなことを思うほどだ。

マッスルスーツのしくみ

マッスルスーツの秘密はなかに隠された人工筋肉。

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マッスルスーツのコピーは「着る筋肉」だが、比喩ではなかった

人工筋肉なんて研究室のなかだけだと思っていた言葉がデイリーポータルZにも普通に載る日がやってきたのだ。

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この黒いのが人工筋肉

人工筋肉はエイリアン的なベトベトしてるものではなく、意外な見た目だった。ここにポンプで空気を入れることにより引っ張る力が生まれる。電源不要のシンプルな構造である。
そして写真右下に見える滑車により、腰をいい感じに引っ張ってくれる(らしい)。

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説明をしてくれたイノフィスの古川さん。社長である。

きっかけは僕がFacebookで「パワードスーツを着て森のなかでひとり暴れたい」と書いたところ、知人が古川さんを紹介してくれたのだ。ありがたい!(なぜ貸してくれた!?)

そうしてイノフィスのマッスルスーツを借りた。これが3月中旬のことである。借りてすぐに別の撮影に持っていっていろいろ試した。そこでゴリラウォークが楽にできることに気づいた。

それが冒頭の映像だ。

ゴリラは記事の余談にするとして、当初の目的である石や切り株を持ち上げて暴れてみよう。

そう思ったが都立公園は整備されていてそんなものは落ちてなかった。

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ゴリラとなってはしゃぐ西垣さんの背景に注目して欲しい、持ち上げられるようなものはなにもない

ならば石がごろごろしているような場所に行って撮影しよう。そう考えているうちに外出自粛が呼びかけられ、緊急事態宣言になって外に出られなくなった。

「ひとりで石を持ち上げて暴れたい」この用事は東京都でも1、2を争う不要不急だろう。

困った。しばらくまんじりとしてみたが外に出られるようになる様子は、ない。

そこで記事の主題を「マッスルスーツで雑木林でひとり暴れる」から「マッスルスーツでゴリラのマネをすると楽しい」にすることにした。

自分としては英断のつもりだったが、書いてみると大差ない。

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掃除にも役立つ

ゴリラだけだと気が引けるのでそれ以外でも使ってみたい。マッスルスーツを着てバルコニーの掃除をしてみることにした。
リモートワークで家にいるようになって、部屋をずっと片付けているのだ。

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バルコニーに出るためのサンダルが枯れ葉に埋もれている。掃除しなきゃなと思って早3ヶ月

テキパキと掃除するさまをご覧ください。

 

またも自分史上最高テキパキした。こんなにテキパキと掃除する自分は見たことがない。早回しにしてもだ。

このマッスルスーツ、重いものを持ち上げられると言っても、リンゴを掴んだつもりが潰してしまって「お、おれはいったいどうしたんだ……?」みたいなことにはならない(腕の力は強くなりません)。

ひたすら中腰の姿勢が楽なのだ。地味!

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ずっとこういう姿勢をとっていられる。

中腰が楽だと掃除しようという気になる。前向きな気持になるのだ。筋トレがメンタルに良いという話を聞くが、それはたぶん中腰が楽だってことだ。

筋トレせずに筋肉質の人の気分を味わうことができた。

筋肉を外したときの徒労感も一興

マッスルスーツでおもしろかったのは外したときの身体の重さである。重力を感じるのだ。地球に帰還した宇宙飛行士ばりに重力を感じる。

その一例としてマッスルスーツの空気を抜いてゴリラのマネをしたときのようすである。

マッスルスーツオフにしてゴリラのマネをして文句を言う大人たち

「マッスルスーツ」「ゴリラ」「文句」と下手な三題噺みたいになったが事実である。しかしこの動きを生でできるなんてゴリラは相当な筋肉である。

未来の道具を得てゴリラに思いを馳せるなんて2001年宇宙の旅みたいじゃないか。


これを着てスポーツしたい

マッスルスーツを着て中腰ではねると多幸感が得られる。あのままボーリングなんてやったらゲラゲラ笑いながら8ゲームぐらいしてしまうかもしれない。

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スクワットやっただけでも楽しい

筋トレして背筋を25キロ増やしたらこれぐらいの楽しいのだと思うとトレーニングするかも……いや、マッスルスーツ買っちゃうかな。

協力:イノフィス

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