そして梅雨がくる
その日は早々に撮影を切り上げ、駅前のドトールでアイスコーヒーを飲んで帰った。
話をもとに戻す。
もう少し練習した動物たちがいるというので続けて威嚇してもらう。ここからのトルーさんすごいぞ。
トルー:これが、オウムです。
北向:オウムなんだ!意外。
画像だけではこの動きを皆さんに伝えられる気がしなくて、GIFを用意した。怖くて長いだろう。
ここまですべての動きに通底しているのが、「自分を大きく見せる」ということ。
サイズ=強さ、威圧なのだ。レッサーパンダの威嚇を食らった今の自分にはスッと腹落ちする、アクティブラーニングだ。
北向:オウム、通常の人間にはない動きだったんで、その怖さがありますね。
トルー:・・・デ・・
北向:疲れてる。
トルーさんと筆者の会話はタメ口と敬語が入り混じる。なんかずっとこうなのだ。
しゃべっている間に段々とタメ口が増えていき、次会うときはまた敬語に逆戻りしている。
先ほどの長尺の動きを見ていただければ分かるだろう。トルーさんは本気である。
続けていいですかもう一個、とトルーさんが披露してくれたのはさらに長い威嚇だ。
トルー:これカマキリです。
北向:これはカマキリでしたね。
説明されなくてもすぐに分かった、カマキリだ。
過去最長のパフォーマンスであり、途中、威嚇される側が持て余す時間があった。GIFで切り抜いたあとも鎌を振り回していた。
これについては正直なところそこまであまり怖くなかった。サイズ理論でいうと、初手からトルーさんが腰を落としたことで小さく見えてしまったからだろうか。
この威嚇だけ目線が合わなかったのも怖くない要因かもしれない。それは多分カマキリの特徴と言うより、トルーさんがなんか恥ずかしかったんだと思う。ずっとおれの腰のあたりを見ていた。
いくつか怖い威嚇を見てきたが、中には全く怖くないものもあった。
カワセミだ。
カワセミは横に目がついているため、威嚇するときも相手の横に来てこの仕草をするらしい。
怖くないな~。
すべての威嚇が怖いわけではないんだな。学びがある。
最後に、遠い距離からカマキリの威嚇を再現したら、実際のカマキリサイズの威嚇を再現できるのではないか、とトルーさんが持論を語りながら遠ざかっていった。
どうなんだろう。
怖くなかったし、何をしてくるか分からないカマキリのほうが怖いなと思った。
遠巻きにこの撮影を見ていた川辺で過ごす人たちには、もしかしたらトルーさんが怖く映ったかもしれない。怖さとは自分の理解に及ぶか、予測がつくかでもあるのだ、多分。
その日は早々に撮影を切り上げ、駅前のドトールでアイスコーヒーを飲んで帰った。
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