特集 2019年1月31日

「モチモチの木」を餅で作った(ありがとう茗荷くん)

あの「モチモチの木」を、レーザーカッターを使って作った。餅で。

父は数学教師。母は国語教師。姉2人小学校教師という職員室みたいな環境で育つ。普段はTVCMを作ったり、金縛りにあったりしている。(動画インタビュー)

前の記事:燃えよロケットストーブ


『モチモチの木』は、斎藤隆介作・滝平二郎絵の1971年に出版された絵本である。

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おなじみのやつです

家の前にあるモチモチの木(トチの木)が怖くて、爺さまがいないとトイレにいけない豆太だが、腹痛で倒れた爺さまのために、山のふもとの医者まで助けを呼びにいく……というお話である。小学校の教材にもなっていたし、あの切り絵の独特のタッチに見覚えのある人も多いはずだ。僕も小学校の時、文化祭で劇をやった覚えがある。

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レーザーカッターとは、パソコンで作ったデータで、板状の素材を自由自在にカットできる機材。切り絵だったら、レーザーでできるはず!

切り絵で作られているモチモチの木であるが、夢の技術、レーザーカッターを使えば、紙じゃなくて他の素材でも作ることができるはずだ。これは作りたい!餅で!モチモチの木だから!できたのがこちらである。

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餅1枚でつくったバージョン。そして
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餅3枚で作った大きめバージョン
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地方の町おこしの田んぼアートのようだ
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せっかくなのでいろんな角度からご覧ください
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こちらが刻印するためにつくったデータ(SFっぽい爺さま!)

制作過程はこれで割愛するとして(最後に理由を説明します)、せっかくなのでその他にもいろいろと切ってみた。餅なので「ふくらむ」もので。

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ひとつめはこちら
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バーン
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際限なくふくらみがちなやつ
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若い頃は特にふくらみがちなやつ
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雪だるま式にふくらみがちなやつ

エジプトの象形文字であるヒエログリフを餅で作ってみた。つまりどういうことかというと

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エジプトのヒエログリフ=「象形もち」
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メソポタミア=「楔形もち」

というわけである(石を投げないでください)。切れる厚みに限界はあるが、レーザーカッターはすごい。いろんな素材が切れる。海苔を切ってモチモチの木を再現してみた。

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切り絵みたいだ(切り絵なんだけど)
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海苔をレーザーカッターで焼くとやたら磯臭いという豆知識をお届けします

モチモチの木を餅で作るのはうまくいった。焼いてみたらどうなるか試してみよう。

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借金だけに、焦げ付くのが不安
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借金はちょっとふくらんだ
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希望はそんなにふくらまなかった
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欲望は!
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いびつな形でふくらんだ
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ふくらみがちな言葉たちがふくらんだ

モチモチの木は、焼いてみるとどうなるだろう。

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ドキドキ
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膨らむ様子をご覧ください
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なんか大変なことになった

「モチモチの木」の劇には、豆太が医者を呼びに駆けるシーンで「走れ〜!走れ〜!爺さまが大変だ!」とアップテンポで歌い上げる「走れ豆太」という名曲がある。その楽曲に負けず劣らず、爺さまが大変なことになっている。

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ふくらんでレリーフみたいになっている

レーザーの焼印がたくさん入っているところは膨らまず、焼印が少ないところ(頬やおでこなど)は自然とぷくっと膨らむ。すごい。

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職人の作った鴨居のようでもあるし
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地方のお寺に伝わる人魚のミイラのようでもある
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口もとが下膨れになった豆太
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ひととおり焼けたので食べてみよう。
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うん、餅だ

最後に、今回の記事で制作過程を割愛していた理由を説明させていただきたい。今回のレーザーカッターによる制作、僕はチンパンジーが扱える道具しか使えないので、同僚の茗荷くんに協力を依頼していた。

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こちらがその茗荷くん

しかし、ふたりのスケジュールがなかなかあわない!なんとか都合があった日程が1日だけあったのだが、僕の予定が長引き、帰ってくるのが24時を過ぎてしまうことが判明。そんなこんなで材料の確保からデザインからレーザーカッターやらなんやら全部茗荷くんにやってもらうことになってしまった。

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餅をレーザーカッターで焼くといい匂いがするらしい

そんなわけで、この記事は全て茗荷くんによるものなのだ。24時過ぎて作業場についたら工作は全て終わっていた。ビルのシャッターが閉じていたのであけてもらったところ

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野生の鹿のように茗荷くんの目が赤く光っていた

この記事で言いたいこと、それは「茗荷くんはいい人」ということである。使わせてもらったレーザーカッターは、Yahoo!インタラクティブアワードの賞金で購入した30万円する品物(部品だけで)だそうだが、作業場を引き払うことになり置く場所がないので、知人に無料で譲るらしい。なんていい人なんだろうか。なんかきっと来世でいいことあると思う。皆さんも、なにわの偉大なアートディレクターとして、茗荷くんの名前を覚えて帰ってほしい。よろしくお願いいたします。
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