マックのモバイルオーダーで951km先に「あちらのお客様からです」をやる

3回目：山本（長崎）→井上（神奈川）

こうなったら僕もオーダーをお任せしてみたい。その希望に対し、山本さんはじっくり問いを投げかけてくれた。

山本　ちなみに、晩ご飯って決まってますか？

古賀　気の利いたインタビュー……！

井上　晩ご飯は昨日の残りの豚汁です。

山本　なるほど！ お仕事はこのあとされますか？

ナオ　一日の流れを考えての。

山本　ふふふ。

井上　このあと仕事しますが、そこまで大急ぎではない感じです。

山本　承知致しました！今しばらくお待ちください。

古賀　おおっ。

なんか決まったみたいだぞ。佐世保からいったいなにが来るんだろう。ドキドキするしワクワクするしソワソワするなぁ……！

井上　これ、本当に「何したらいいんだろう」ってなりますね。

ナオ　なんか身の置き所のないそわそわした時間が。

井上　皆さんこんな感じだったんですね……。

ナオ　窓の外を見て、「あのビルああなってたんだなー」とか考えてました

ナオ　「のはみ」「どなみ」という2人だったらって考えたり。

井上　のはみ・どなみ。歌謡漫談でしょうね。

ナオ　ですね！どなみ師匠。

井上　どなみ師匠のほうが声が大きいけど、のはみ師匠より年下だったりする。

ナオ　意外にもね。

山本　お待たせいたしました！
 

古賀　わー！！！ドンドコドンドコ！！

ナオ　祭りだ祭りだ！

山本　井上さんのことだけを考えながら選んでました。

井上　なんてありがたい……。

山本　距離すごいですね。

古賀　すごい！

ナオ　今回の最長距離ですね

山本　佐世保から神奈川県にオーダーってすごいですね！逆もまた同じですが。

井上　きました！

山本　うおお。

ナオ　早い！

山本　うわー！届いてる！

ナオ　いいチョイス！

山本　豚汁とのバランスを……！ 甘いものでお仕事頑張ってください。

古賀　親くらい優しい。

井上　これは……アイスティー？

山本　アールグレイのストレートです！ 個人的にマックで一番うまい飲みものだと思ってます。

井上　頼んだことないですよティーを。

古賀　他者の価値観！！これはギフトだなー！！

ナオ　アイスティーというチョイスいいですねー。

井上　いやぁ〜自分ではまったく想定しないオーダーです……！

山本　よかったです！

古賀　井上さん泣いてしまう。

井上　優しさを噛みしめています……。

山本　951kmのやさしさ…！

ナオ　素晴らしいですね！

951kmも離れた佐世保から、自分のことを考えたプレゼントがすぐに届く。もちろん作っているのは店内だけど、直接手渡されたような感動がある。なんだこれは。

さっそくいただこう。温かいホットアップルパイと冷たいアールグレイ。温度を持った存在がゆっくりと心を解きほぐす。

～　～　～

ここで一旦解散し、それぞれ届いたメニューを噛みしめた。そして後日、ナオさんと山本さんから改めてコメントをいただいた。

元気になってもらってよかった。そして「もっと自分にできることがあったんじゃないか」と考えてしまう気持ち！ わかるなぁ。

実は山本さんとは今回の企画がはじめましてだったのだ。

3人ともすっかり距離感が縮まって、企画終了後はみんなで打ち上げに行きたいくらいだった。でも神奈川と大阪と長崎だからすぐ会えない。

チキンフィレオはこんなにすぐに届くのに！ 

やっぱり物理が最高

そもそもこの企画、「これ日本のどの店にも届くのかなぁ」と考えたの発端で、実際にやってみても「届きましたね～」くらいで終わるのかと思っていた。

それがまさか、時間と距離を飛び越えて、思いやりが届くツールになるなんて。相手とやりとりしたあと、すぐにホカホカのものが届くことが、こんなにも気持ちもお腹も満たしてくれる。

これからいろんな事がAIに変わるかもしれないけど、やっぱり物理が最高だなと思いながらアールグレイのストローを吸った。