特集 2023年3月28日

水引でミズヒキガニを作ったら縁起がよさそう

水引でミズヒキガニを作ろう

ミズヒキガニの全身像を見たことがないので、まずは画像を検索してみた。

画像はwikipediaより(撮影:RYO SATO

自転車のサドルみたいなかたちの胴から、細く長い脚がぜんぶで10本伸びている。はさみは小さく目立たない。サドルの先端部分から目が飛び出している。眼球はくりくりしていてかわいい。特徴はざっくりこんな感じだろうか。

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だいたいの形はわかったぞ

では水引をねじったり結んだりしてミズヒキガニの形を作っていこう。
胴体は何本かまとめて結んでみようと思ったのだが、まとめて結ぶのがなかなか難しい。
こんな風に、どこかがきれいに並ばなくなってしまう。

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結び方はあってるけど水引の整列が乱れてる

手でもみもみしながら水引を移動させつじつまを合わせる。

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ととのいました

胴体は梅結びという結び方にしてみた。
結び終わったら、余分な水引を切り落とし、木工用ボンドでとめる。

20.jpg
細かいところにボンドを塗るのに水引の切り落としが便利

それからサドル型の形を作るため、さっき作った「イカダモ」的パーツなどをくっつける。

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虫っぽいな

もうあまり結ぶことを考えていない。
木工用ボンドに頼りきった工作である。堂々と頼りまくろう。

脚は紅白のしましま模様を表現したくて紅白の2本をねじり合わせてみた。

22.jpg
この両端もボンドで止めとく

あとは本物の写真と見比べつつ、各種パーツを張り付ける作業だ。

image.png
この奇跡のようなバランスを再現するのが難しいんだ(撮影:RYO SATO
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思ったより足が長いんだよね

おおよその位置が決まったら、テープで仮止めして木工用ボンドでがちがちに固めた。
木工用ボンドはすごい。ボンドさまさまである。

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貼り付けの刑って感じの見た目だ

標本を作っているみたい。
べっとり塗ったボンドを一晩しっかり乾かしたら完成だ。

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本物と比べに行こう

これが水引でできたミズヒキガニ、「水引ガニ」である!!!!!

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頼りなさがしっかり再現されてる

サドル型の胴体から伸びる10本の細く長い脚、くりくりしたかわいい目。

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「あわじ結び」で作った目がかわいくできてよかった

かわいい!
あの時の岩陰で見た、はかない見た目を完全再現できた。

やっぱり、水引といえば何かおめでたいことを連想する。
ご祝儀袋に張り付けてみた。

27-補正後.jpg
でっか

脚の長さを再現したら、封筒からはるかにはみ出すビックサイズになってしまった。これもこれで豪華さは出てると思う。
ちなみに、結婚にまつわるお祝い事には紅白 10本の水引を使用するそうだ。ミズヒキガニの脚は10本だし、紅白だし、縁起をこじつければいくらでも推せそうだ。いかがでしょうか、水引ガニのご祝儀袋。

せっかくなので本物と比べてみたい。
そこで水引ガニを上野の国立科学博物館に連れてきた。

クジラとカニ

ここのカニの標本エリアにいるはずなのだ、あのミズヒキガニが!! 

29.jpg
いた!
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これがあの、岩陰に隠れていたサナダミズヒキガニ…!!

標本になってしまっているから、生前の鮮やかな色は失われている。
それでも、ほかのカニの仲間と比べてか細い10本の脚、そしてくりくりの目、そのすべてを見ることができて感動である。

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サイズ感だけ間違っちゃったな

ミズヒキガニを水引で作るとかなりめでたい感じになることが分かった。
ただ一方で、途中でできた副産物の「イカダモ」もかなり縁起がよさそうに見えるのだ。紅白でかよわそうな生き物を作ると縁起が良く見えるものなのかもしれない。
どんなモチーフでも縁起をこじつけることができそうだから、今度おめでたいことがあったときには手作り水引を積極的に使っていきたい。

32-補正後.jpg
イカダモはその増殖の速さが子孫繁栄に通じるので婚姻のお祝いに大変良いとされています(今考えた)
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