ミズヒキガニを水引で作るとかなりめでたい感じになることが分かった。
ただ一方で、途中でできた副産物の「イカダモ」もかなり縁起がよさそうに見えるのだ。紅白でかよわそうな生き物を作ると縁起が良く見えるものなのかもしれない。
どんなモチーフでも縁起をこじつけることができそうだから、今度おめでたいことがあったときには手作り水引を積極的に使っていきたい。

ミズヒキガニの全身像を見たことがないので、まずは画像を検索してみた。
自転車のサドルみたいなかたちの胴から、細く長い脚がぜんぶで10本伸びている。はさみは小さく目立たない。サドルの先端部分から目が飛び出している。眼球はくりくりしていてかわいい。特徴はざっくりこんな感じだろうか。
では水引をねじったり結んだりしてミズヒキガニの形を作っていこう。
胴体は何本かまとめて結んでみようと思ったのだが、まとめて結ぶのがなかなか難しい。
こんな風に、どこかがきれいに並ばなくなってしまう。
手でもみもみしながら水引を移動させつじつまを合わせる。
胴体は梅結びという結び方にしてみた。
結び終わったら、余分な水引を切り落とし、木工用ボンドでとめる。
それからサドル型の形を作るため、さっき作った「イカダモ」的パーツなどをくっつける。
もうあまり結ぶことを考えていない。
木工用ボンドに頼りきった工作である。堂々と頼りまくろう。
脚は紅白のしましま模様を表現したくて紅白の2本をねじり合わせてみた。
あとは本物の写真と見比べつつ、各種パーツを張り付ける作業だ。
おおよその位置が決まったら、テープで仮止めして木工用ボンドでがちがちに固めた。
木工用ボンドはすごい。ボンドさまさまである。
標本を作っているみたい。
べっとり塗ったボンドを一晩しっかり乾かしたら完成だ。
これが水引でできたミズヒキガニ、「水引ガニ」である!!!!!
サドル型の胴体から伸びる10本の細く長い脚、くりくりしたかわいい目。
かわいい!
あの時の岩陰で見た、はかない見た目を完全再現できた。
やっぱり、水引といえば何かおめでたいことを連想する。
ご祝儀袋に張り付けてみた。
脚の長さを再現したら、封筒からはるかにはみ出すビックサイズになってしまった。これもこれで豪華さは出てると思う。
ちなみに、結婚にまつわるお祝い事には紅白 10本の水引を使用するそうだ。ミズヒキガニの脚は10本だし、紅白だし、縁起をこじつければいくらでも推せそうだ。いかがでしょうか、水引ガニのご祝儀袋。
せっかくなので本物と比べてみたい。
そこで水引ガニを上野の国立科学博物館に連れてきた。
ここのカニの標本エリアにいるはずなのだ、あのミズヒキガニが!!
標本になってしまっているから、生前の鮮やかな色は失われている。
それでも、ほかのカニの仲間と比べてか細い10本の脚、そしてくりくりの目、そのすべてを見ることができて感動である。
ミズヒキガニを水引で作るとかなりめでたい感じになることが分かった。
ただ一方で、途中でできた副産物の「イカダモ」もかなり縁起がよさそうに見えるのだ。紅白でかよわそうな生き物を作ると縁起が良く見えるものなのかもしれない。
どんなモチーフでも縁起をこじつけることができそうだから、今度おめでたいことがあったときには手作り水引を積極的に使っていきたい。
![]() |
||
<もどる | ▽デイリーポータルZトップへ | |
![]() |
||
![]() |
▲デイリーポータルZトップへ | ![]() |