ついにレタリング
ついにレタリングをやる時がきた。

紙の裏を、鉛筆で塗りつぶす。

塗った面を下にしてポスターと重ね、文字の輪郭をなぞっていくと、うっすら線が写る。

私は右利きなので、手で擦らないように、左側の文字から書いていこう。

早く文字を書いて、この漠然とした不安から抜け出したい。

「オムライス」までかけたとき、謎の安心感を得た。あとちょっとだ!
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完成

何かメッセージのある絵を描いているのでは と途中不安になったが、明朝体で「晩ごはんはオムライス」と力強く言い切ることで、霧が晴れたように不安がなくなった。
そう、これは晩ごはんであり、ただのオムライスである。それ以上でも以下でもなく、ただの夕食だ。そこにメッセージ性などない。
あまりのメッセージ性のなさにすがすがしさを覚えた。
やはり明朝体で、はっきり言い切ると言うのが大事なのだ。

この文字が「無くそう、食品ロス」 と書かれていたら、途端に強いメッセージ性を放つだろう。
やはり言葉に引っ張られる部分が大きい。逆に言えば、どんなにメッセージ性がある絵だったとしても、関係ない言葉が書かれていたら、何も感じないのかもしれない。
途中で悩みつつも、メッセージ性について考えることと、よく分からない絵を描くのが異常に楽しかった。今後、「メッセージ性ゼロポスター」制作が、私の趣味に追加されるかもしれない。