「勝負には負けちゃったけど別にいいの。マタタビなんて所詮その色香で人を誘惑するしか能がないんだもの。
落花枝に返らず、破鏡再び照らさず。
枝はいずれ朽ち果てるのを待つのみ、人間はさにあらずよ。どれだけ体が痩せ衰えようとも、まことの花は残り続けるのだから。」(了)
かじりついて興奮したのは数十秒くらいで、あとはただの枝として遊びはじめた。見慣れないものを前足でちょいちょい触るのがおもしろいらしい。
遊ぶのにもすぐに飽きたようだ。もはやどうでもよさげにも見えるが、気にはなるようでマタタビのそばを離れようとしない。つかず離れず、さしずめ仮面夫婦であるが、これはまだ飽きていない判定とする。
そうかと思えば、急に自分で枝を放り投げて追いかけはじめた。
飛んだり跳ねたり大ハッスルしていた。そうかそうか、楽しいかね。よかったよ。
飽きて安座したところでタイマーストップ。
はたして僕はマタタビに勝っているのか。時間を確認してみよう。
…負けた。小枝に負けてしまった。風呂上がりの僕の記録は14分だったので5分くらい差をつけられている。たたが棒切れに!!悔しい!!!
そんなわけで、風呂上がりに甘えてくる猫を飼っている皆さまも、ぜひマタタビに挑戦してみてください。自分以外のなにかに身を委ねて時間を過ごすのもたまにはオツなもんですよ。
「勝負には負けちゃったけど別にいいの。マタタビなんて所詮その色香で人を誘惑するしか能がないんだもの。
落花枝に返らず、破鏡再び照らさず。
枝はいずれ朽ち果てるのを待つのみ、人間はさにあらずよ。どれだけ体が痩せ衰えようとも、まことの花は残り続けるのだから。」(了)
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