おわり
いかがだったでしょうか。
ハンディミシンを使って作りたかったのに、色々と下調べミスで今回は手縫いでやることになってしまいましたが、思っていたよりもうまくできたのではないでしょうか。自分自身ではかなり満足しています。
でも服を作るなら手縫いは大変なのでおススメしませんよ。
縫針なんかなくしたらめちゃくちゃ大変です。
かくいう私も縫針を無くしてしまったのでこれから血眼になって探したいと思います。では。
編集部より)
本記事は、デイリーポータルZ & note #やってみた大賞 優秀賞作品です。作者は小木の素さん。
アイディアを思いついたときの興奮と待ち受ける困難を味わってください。では小木の素さん、どうぞ!
小木です。
こちら、小木の寝床です。
この寝床をよく見てほしい。
枕元に布の塊が隅っこのほうに追いやられているのが見えるでしょう。
これは何かというと、そう、タオルケットだ。
広げてみるとこんな感じ
ご覧の通りこのタオルケットはかなり年季が入っている。
それもそのはず、このタオルケットは15年間、小木が使い倒してきたものだ。愛着があるゆえにこんなボロ雑巾みたいな見た目になってしまったが、これがないと眠れないくらい大切なものだ。
しかし、そんなボロ雑巾を抱きながら寝ていたある日、寝返りによってタオルケットの真ん中の裂け目がいい具合に首に巻き付き、寝ている間に首が絞まるという事件が起こった。
それからというものの、安全面を考えて、冒頭のように今は丸めて枕元に置かれている状態が続いているが、正直このまま置いておくにもどうかと思っていた。(捨てるのは躊躇われる)
そんな矢先あるものを発見した。
キャンドゥで『コンパクトハンディミシン』なるものを見つけた!
ホッチキスの要領でパチパチと布を挟めばミシンのような縫い目ができるというお手頃ミシンだ!
家にミシンがなかったので諦めていたが、これだったらタオルケットを捨てずになにかしらリメイクできるのではないかとひらめいた。
タオルケットの第二の人生か、いいじゃない。
さあタオルケットで何を作ろうか…
ワクワクしながら手芸屋さんに行くと、たくさんのパターン(型紙)が売られていた。
タオルケットならパジャマだな!と直感でパジャマのパターンを買ってしまった。(今思えばもう少しちゃんと考えるべきだった…)
さあ準備は揃った。早速作るぞ!
おとなのパジャマを開けてみると、おとなのパジャマI〜IIIと説明書がでてきた。
I〜IIIの時点でちょっと不安になる。そんなにあるのか。
とりあえず、”おとな”なので最初は説明書をから読むことにした。
ひえ〜!
IKEAの組み立て家具とは対照的に細かすぎる説明書だ。
しかも、ちゃんと読めばわかるけどパターン番号を覚えないと解読できないやつだ。
これなんて色を判別するのむず過ぎないか。特に真ん中の2つ。
ええっ…
初めてのことに頭のなかがプチパニック。
さすが “おとなのパジャマ”だけあって”おとなな説明書”だ。全然やさしくない。大人怖。
とりあえず既製品の型紙があれば大丈夫っしょと思っていた矢先、もう心が折れそうだ。
でも負けない。もうヘビが首に巻きつく夢をみるのは懲り懲りなんだ。
パターンを切っている際に、タオルケット1枚だけじゃ上下のパジャマを作るにしても生地が足らないことに今更ながら気付いた。
ということで残念ながら今回はパジャマの上着だけを作ることに。ズボンはまた今度。
サイズも生地が足らなかったら困るので、1番小さいSサイズにあわせて切ることになってしまった。
もっと色々ちゃんと調べておけば…!
ああ、まだ何も始まってないのに先行きが不安だ…
気を取り直してタオルケットを裁断していく。
実はパターンに合わせて切るのではなく、縫い代*(緑の線)に合わせて切らなくてはならない。
この縫い代はパターンから0.5m〜1.5m離れたところを定規で測ってマークし、パターンに沿ってフリーハンドで描かなくてはならない。この縫い代を描く作業が地味に大変だった。
あとはもうハンディミシンでパチパチ縫うだけなのだが、
ここにきてようやくハンディミシンの使い方をちゃんと調べだした。そして調べていくうちに衝撃的な事実が…
なんとあのハンディミシンはタオル地との相性がすこぶる悪いらしく
もっとちゃんと調べとけばよかった!(本日二回目)
まいったな。なんのためにハンディミシンを買ったんだ・・・
でも、ここまできてやめるわけにはいかない
で縫うしかないな。
ということで、あとはもう気合と根性で手縫いで縫っていくことに。
そんなわけで夜な夜な手縫いでチクチク。
わかってはいたけども、この作業が1番大変だった。
なのに画的に大変さが全く伝わらないな。悔しい。10時間もかかったのに。
急遽手縫いで縫うことになったので、姉の裁縫セットを借りることに。(自分の裁縫セットは学生時代になくしてしまった)
この針山だけ妙に年季が入っていたので、なんだこれ?と思って針山の後ろをみたら母の弟、つまり叔父さんの名前が大きく書いてあった。
叔父さんの針山がなぜここに…?謎だ。
叔父さんの針山を退けたら、いまだに使い方が謎な便利グッズを見つけた。これもまた謎のままでいい気がするな。
そんなこんなで最後の衿つけのとこまでこぎ着けた。
しかしながらここの衿つけが鬼門で、めちゃくちゃ手こずってしまった。
説明書をよんでも全然わからなかったので、手持ちのパジャマを見本にそれっぽく仕上げてなんとか完成させた。
どうだろうか。
自分的にはかなりよくできたと思うのだが。
しまむらの婦人服売り場で売ってそうな感じに見えなくもない…?どうだろう。
よく見ると衿の部分とか後ろの裾の部分とかボタンホールの部分とか言いだしたらきりないくらい反省点があるが、遠目で見たら上出来だ。
それに思っていたよりもいい感じのサイズ感にできた。
袖のところにはタオルケットのロゴをつけてみたりなんかした。
そう、実はあのタオルケットは森英恵ブランドのタオルケットなのだ。
このHANAE MORIの胸ポケットもいい具合にイカす。
このぐらいだったら
チャッ、よ。
これ着てみてわかったのですが、衿ぐりの部分に厚めのタオル地の部分を使ったおかげで見た目とは裏腹に意外とあったかい。あんなにガーゼみたいに薄かった生地で作ったのにこんなにあったかいなんて、さすが元寝具だ。
あと、裁断して残ったタオルケットの切れ端がもったいなかったので、20円で買った石膏キットで埋めてみました。これで半永久的にタオルケットを手元に残しておける。
いかがだったでしょうか。
ハンディミシンを使って作りたかったのに、色々と下調べミスで今回は手縫いでやることになってしまいましたが、思っていたよりもうまくできたのではないでしょうか。自分自身ではかなり満足しています。
でも服を作るなら手縫いは大変なのでおススメしませんよ。
縫針なんかなくしたらめちゃくちゃ大変です。
かくいう私も縫針を無くしてしまったのでこれから血眼になって探したいと思います。では。
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