わかったこと
1日でけっこうリアルな化石ができる。
苦労したこと
良心との葛藤。
感想
久しぶりに夏休みの宿題を終えた達成感みたいなものを感じました。
今回は「一日でできる自由研究」ということで、化石を作ろうと思う。
自由研究の王道ともいえる化石採集だが、優秀な子供はちゃんと2万年位前のやつを古い地層から探そうとするだろう。しかし8月も終わりに差し掛かったこの時期、一日で自由研究を片付けてしまおうなんて考えている子供たちはそんな悠長なこと言っていられない。目立ちたい、だけど面倒くさい、今回はそんなよくばりな君たちに向けた提案です。
でもこういうことやっていると将来僕みたいな大人になるから気をつけたほうがいいよ。
※2007年8月に掲載された記事を、AIにより画像を拡大して加筆修正のうえ再掲載しました。
それでは作り方を説明しよう。
・化石にしたいものを集める
・それらをセメントで固める
・砕いて発掘する
簡単に思えるが、いくつか押さえておくべきポイントがあるのでその都度説明したい。それではまず化石にしたいものを集めよう。貝とか土器とかが無難なところだが、もうすこしセンセーショナルな発見を演じたい場合には骨とかも効果的だ。
貝はスーパーで売っているアサリの殻で大丈夫だ。ただ、身を食べ終わった後に貝柱まできちんときれいに除去することを忘れてはならない。何万年も貝柱が残っているわけがないのだ。
土器は割れた皿の破片で、骨はフライドチキンで大丈夫だろう。どちらも油分が残らないくらいにきれいに洗っておこう。
しかしこれだけでは見栄えがしないかもしれないので海で派手めの貝殻を拾ってきた。これらも一緒に化石になってもらおう。
ここでポイント。化石化する際に文明の香りのするものを混ぜてはいけない。電池とか空き缶とか、古代にそんなものが存在しなかったことくらい君たちでも知っているはずだ。
それでは次の段階に移ろう。集めたものをセメントで固める。今回はできるだけ速乾性のあるセメントを選んだ。
セメントを水で溶き、適度な固さになったらビニール袋に入れた化石候補に流し込み固める。ここでポイントをひとつ。
セメントに書かれている乾燥時間というのは、だいたいかなり薄く塗った場合の乾燥時間だ。化石を固める場合もできるだけ薄く平らにのばすよう心がけ、乾燥時間を短縮しよう。
セメントの種類や環境によっても差はあると思うが、僕の場合ほぼ半日でセメントは完全に固まった。これで化石の原石ができたわけだ。あとはいよいよ発掘する。
発掘は大胆にハンマーで砕いてしまえばいいだろう。中の貝とかが割れたり砕けたりしてもそれがかえって本物っぽく見えるので問題ない。
どうだろう、君の化石はうまくできていただろうか。
写真で見る限りかなり化石だ。あとはアンモナイトとかカンブリア紀とか知っている単語を駆使してレポートにまとめたらいい。最後のポイントだが、学校に提出するときは実物を持って行かずに写真で済ませるようにしよう。先生に「実物はどうした」と聞かれたら博物館に寄贈した、とか言っておくこと。まあ最悪先生にばれても親にはばれないようにしたいところだ。それからデイリーポータルが、とかライターの安藤さんが、とか情報源を他言してはならない。お願いだから自分で思いついたと言ってほしい。
1日でけっこうリアルな化石ができる。
良心との葛藤。
久しぶりに夏休みの宿題を終えた達成感みたいなものを感じました。
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