街の文字は偶然見つかることも多かったため、自分の好みばかりに偏らなくて、それが逆にいいバリエーションを生んだように思います。
個人的には完全一致より、ちょっとおしい感じの方が印象深くて好きでした。
街を歩いているとき、ふと見たお店の名前がたまたま知ってる曲と同じで、ついつい口ずさんでしまうことってあるかと思います。
この前それが3回くらい連続したので、探せばもっとあるんじゃないかと思い、大阪の行ける範囲で集めまくってみました。
非常に豪華で夢のような顔ぶれが30組も揃ったので、勝手ながら「街紅白」みたいな感じでまとめさせていただきます。
集める際のルールは基本ゆるゆるで、曲名・歌手名に完全一致してなくても愛称とか、多少違っていてもそれっぽければオッケーにしています。
それでは去年の紅白のトップバッターが紅組だったらしいので、白組から。
トップバッターはスマップ!しかも株式会社!
スマップという単語を他の人が使っていいとは……盲点でした。
なんとなく株式会社TOKIOを思い起こしますが、全く無関係でしょう。
一応歌合戦なので、歌手・グループ名の場合は好き勝手に曲目を決めていきます。
SMAPは名曲がたくさんあって決めかねますが、今は冬なので「雪が降ってきた」とかどうでしょうか。
白組1組目:SMAP「雪が降ってきた」
紅組の1曲目は「Body&Soul」!SPEEDのデビューシングルですね。
ダンススタジオの名前だったので、イメージもぴったりです。
もし同じ「Body&Soul」でも、表記が「B&S」だったら杉本彩さんの曲にしていました。
紅組1組目:SPEED「Body&Soul」
次は地面にありました。「C-C-B」。
ハイフンが点になってはいますが、どうしても「Romanticが止まらない」しか浮かびませんでした。
ちなみに地面のC.C.Bは電線共同溝を意味する「Communication Cable Box」の略で、バンドのC-C-Bは「Coconut Boys」の略です。
白組2組目:C-C-B「Romanticが止まらない」
紅組2番手は「フレンズ」。
これはマンションの名前ですが、店名でもフレンズは多く見かけました。
しかも曲の方も調べると、「フレンズ」もしくは「Friends」というタイトルの曲はめちゃくちゃ多くあり、バンド・グループ名にも使われていました。
ただ僕がこれを見た瞬間に脳内再生されたのは、レベッカのフレンズでした。
紅組2組目:レベッカ「フレンズ」
出ました!「香水」!
2020年の歌合戦として必ず入れたかった、瑛人さんのヒット曲ですね。
写真は飲み屋さんの看板なのですが、壁のオレンジと看板の青のコントラストも素敵で、フリガナもいい味を醸し出しています。
もしここが見つからなければ、ドルチェ&ガッバーナを撮りにいく予定でした。
白組3組目:瑛人「香水」
群じょ……ちょっと漢字が違いますが、元ネタは東京事変の「群青日和」で間違いないでしょう。
お店の方がファンなのでしょうね。
しかも東京事変は今年に再生(再結成)したので、歌合戦的にはタイムリーです。
紅組3組目:東京事変「群青日和」
これは2020年の歌合戦として藤井風さんをどうしても入れたくて、デビュー曲の「何なんw」っぽい言葉を探して撮ったものです。
さすがに「何」と「w」はどの看板にも使われてなかったですが、そこを諦めると難波周辺にはNAMBAなんなんなど、なんなんな看板がじゃんじゃんありました。
それにしても、なんなん会館は語呂がいいですね。
白組4組目:藤井風「何なんw」
これを見た瞬間「あっ!あいみょんの曲にこんなのあった気がする!」と思って撮ったのですが、あいみょんの曲は「ハルノヒ」でした。
調べたところによると、クレヨンしんちゃんの映画の主題歌として作られた曲なので、物語の舞台である「春日部」から取って「春の日=ハルノヒ」となったそうです。
ひとつ勉強になりました。
紅組4組目:あいみょん「ハルノヒ」
「新宝島」。
サカナクションの大ヒット曲ですね。
写真は住宅街にあるリサイクルショップの看板です。
リサイクルショップで掘り出し物を探すのを宝探しと称することも多いので、そこから取ったのではないかと推測します。
白組5組目:サカナクション「新宝島」
BiSは、大阪に5軒くらいしかないローカルスーパーです(写真のお店はビス進興) 。
そして、かつてファーストサマーウイカさんが所属していたアイドルグループ「BiS」と表記が全く同じでもあります。
地域密着型のほのぼのとしたスーパーと、激しめなパフォーマンスや楽曲で知られるBiSとのギャップが面白いですね。
僕はあまりBiSに詳しくないのですが、曲名にBiSと付いている曲の中から「BiSーどうやらゾンビのおでましー」を選びました。
紅組5組目:BiS「BiSーどうやらゾンビのおでましー」
スラッシュがないものの、これはもう「AC/DC」ですね。
ここでまさかの海外アーティストが加わりました!
シャッターにも書かれている通り、ここの「ACDC」は「Asia Creative Design Center」の略のようです。
曲はベタですが「Highway To Hell」に。
白組6組目:AC/DC「Highway To Hell」
これが何の看板かはわからなかったのですが、何の略かはハッとひらめきました。
これはDo As Infinityの略に違いありません!
もしかしたら、ダイさんの表札とかかもしれませんが……
曲は、陽があたってる道で看板を見つけたので「陽のあたる坂道」にしました。
紅組6組目:Do As Infinity「陽のあたる坂道」
組は連続で海外勢!しかもU2!ビッグネームです!
ただ、大阪U2って単語はなかなかインパクトがありますね。
大阪とつくだけで、なぜだかお笑いコンビの名前っぽい感じもしたので不思議です。
曲はやはりベタですが、名曲と名高い「With Or Without You」を。
白組7組目:U2「With Or Without You」
歌手名は電話番号の中にも隠れています。
0930(おくさま)、懐かしいですね。笑っていいとも!で見ていたときの記憶がよみがえってきました。
0930の一番有名で代表曲となっている曲は「山田君」なのですが、個人的にはアニメ『ジャングルはいつもハレのちグゥ』のエンディングだった「おはし」をよく聴いていたのでそちらに。
紅組7組目:0930「おはし」
では、このへんでちょっとブレイク。
前半部分をリストにまとめてみたいと思います。
おお、並べてみるとすごい名前ばかりで、素晴らしくカオス。
後半部分は最初の一文字だけちょい出ししてみたので、誰のどの曲が出るか予想してみてくださいね。
それでは、後半戦に突入!
後半戦の最初は「SUN」。
真っ先に頭に浮かんだのは星野源さんの曲でした。
レデイショツプと書かれてますが、白組になりました。
SUNという名前のお店は、他にも数軒見かけた気がします。
白組8組目:星野源「SUN」
アルファベット一文字で「M」。
紅組で曲名が「M」となると、浜崎あゆみさんかプリンセス・プリンセスの二択になろうかと思いますが、スナックの雰囲気からプリンセス・プリンセスを選びました。
紅組8組目:プリンセス・プリンセス「M」
大阪ならではの曲を探したところ、ありました「新大阪」。
ゴスペラーズの名バラードで、本家の紅白でも歌われていたような記憶があります。
写真は普通に新大阪駅で撮るつもりをしていましたが、その道中に新大阪と付くビルやマンションが山ほどあったので、そこで済ましちゃいました。
白組9組目:ゴスペラーズ「新大阪」
そして大阪駅名対決!
「三国駅」といえばaikoさんです。
三国駅は新大阪駅ともそれほど遠くなく、三国駅の近辺にも新大阪と名の付く建物がいくつかありました。
紅組9組目:aiko「三国駅」
これはもうド直球なネーミング。
お店の方はBOØWYのファンに違いありません。
そして看板がブルーなのもいいですね。
白組10組目:BOØWY「B・BLUE」
こちらもそのまんまですが、近くに「アンリ」という居酒屋さんもあったので、差別化するために漢字をあてたという可能性もありそうでした。
とはいえ、カラオケの文字もありますし、少しは関係あるのかも。
曲は選びきれなくなったので、デビュー曲の「オリビアを聴きながら」にしました。
紅組10組目:杏里「オリビアを聴きながら」
めっちゃカタカナで「ラルク~アン~シェル」。
見つけた瞬間、目を疑いました。
マンションのようだったので、ここの住所には「ラルク~アン~シェル」が入っていて、郵便物にも「ラルク~アン~シェル」と書かれているのでしょう。
本物は「シエル」ですが、住人がラルクのファンだったら、うれしいかもしれませんね。
かつて阪急三番街に「Cafe L'Arc-en-Ciel」という有名な喫茶店があったのですが、そことは別にラルクな場所があるとは知りませんでした。
では曲は住人つながりで、「瞳の住人」。
白組11組目:L'Arc〜en〜Ciel「瞳の住人」
英会話教室でも見つけました。
「COCCO」と言えばもう歌手のCoccoさんしか浮かびませんでした。
調べたところ、Coccoさんは英語が堪能だそうで、英語詞だけの曲もいくつか出されていると知りました。
曲はそんな全て英語詞のものから「A SONG~NO MUSIC,NO LIFE~」。
紅組11組目:Cocco「A SONG~NO MUSIC,NO LIFE~」
UNISON SQUARE GARDEN……ではないですが、一字しか違わないのですし、オッケー。
おそらく、ユニオンスクエアガーデンとUNISON SQUARE GARDENに関係性は皆無だと思いますが、それにしては似ていたので驚きました。
曲は彼らの代表曲となっている「シュガーソングとビターステップ」で。
白組12組目:UNISON SQUARE GARDEN「シュガーソングとビターステップ」
米友人でマイフレンド。
字面からなんとなく米米CLUBを想像しちゃいますが、マイフレンドと言えばZARDですね。
ちなみにこの米友人は他に2軒くらい見た気がしたので、チェーン店なのかもしれません。
紅組12組目:ZARD「マイ フレンド」
カタカナで「ラブリー」。
小沢健二さんの曲がすぐ浮かびました。
ただ、このお店の「ラブリー」はちょっぴり意味が違うかもしれませんが。
白組13組目:小沢健二「ラブリー」
こちらはそのままラグビー用語でなければ、松任谷由実さんが麗美さんへ提供した「ノーサイド」が元ネタかもしれないですね。
ちょうど去年、松任谷由実さんが本家の紅白で歌われたので記憶にも新しいです。
本家と同じことをしてもアレなので、こちらは麗美さんバージョンでいきます。
紅組13組目:麗美「ノーサイド」
思わず「消してええええええええええええ」と叫びそうになった看板。
アジカンと言えばASIAN KUNG-FU GENERATIONしか頭にありませんでした。
この株式会社の方のあじかんは、卵の加工製品などの食品関係の会社のようで、アジカンとの共通点はほぼなさそうでした。
白組14組目:ASIAN KUNG-FU GENERATION「リライト」
紅組も略称で、略称対決に!
そのものズバリ「ドリカム」!
イラストの通り、眼鏡屋さんでした。
ドリカムと眼鏡って共通点がなさそうな気がしていましたが、調べたら眼鏡に関する曲があったので、それに決めました。
紅組14組目:DREAMS COME TRUE「眼鏡越しの空」
白組トリはなんと「らいおんハート」!再びSMAP!
しかし同じグループが2回出てはいけないというルールはないので、もちろんオッケー。
白組はSMAPに始まりSMAPに終わりました。
白組15組目:SMAP「らいおんハート」
紅組大トリは「お祭りマンボ」!
これもわかりやすいですね、もちろん美空ひばりさんの曲です。
このスナックでもよく歌われているのかもしれません。
紅組15組目:美空ひばり「お祭りマンボ」
さて、これで全ての曲が出揃いました!
並べてみると、なかなか壮観ですね。
空想の歌合戦ならではの、カオスでありえないような顔ぶれになったなあと思います。
あえて今回の勝敗をつけるとするなら、海外勢を2組も有し、「ラルク~アン~シェル」のインパクトが強烈だった白組の勝利でしょうか。
街の文字は偶然見つかることも多かったため、自分の好みばかりに偏らなくて、それが逆にいいバリエーションを生んだように思います。
個人的には完全一致より、ちょっとおしい感じの方が印象深くて好きでした。
▽デイリーポータルZトップへ | ||
▲デイリーポータルZトップへ | バックナンバーいちらんへ |