プレゼントを渡した5人に「プレゼント嬉しさグラフ」を書いてもらった。
プレゼントがあるよ!と言ったとき、渡されたとき、開けているとき(楽しい)、中身を見たときで嬉しさを数値にしてもらい、グラフにした。
結果がこちらだ。
一番嬉しいタイミングは人それぞれあるものの、全員があけるで高い水準になった。
みんな開けるときがこんなに楽しいのだ。
もっと楽しく開ける工夫をしたら、もっと嬉しいプレゼントになるのではないだろうか。
次にプレゼントを作るのが楽しみになってきた。
「はい、これプレゼント!」
12月中旬、同僚の誕生日に映画館のギフトカードを渡した。
黒くて小さい箱を開けると、カードが一枚入っているだけ。
単純な仕組みと飾り気のない箱に、もっとラッピングすれば良かったなと思った。
ラッピングも含めてプレゼント、とよく言われる。
相手の好きな色のリボンをかけたり、大きさや形で中身を想像させたりと、あける前からドキワクのプレゼントは始まっている。
小さい頃は大きなリボンに可愛い包装紙の”The プレゼント”をもらっていたが、もうあげももらいもしなくなった。
だが、豪華なラッピングって絶対に嬉しい。
エコや過剰包装を考えたちょうどいいラッピングがマナーとされているが、豪華なほど嬉しいに違いないのだ。
ラッピングの威力はどんなもんだろう。気になってきた。
豪華にすれば、中身が伴っていなくても嬉しいのだろうか。
そうでもないもの=100円のものを包んだら、普通にもらうより嬉しくなるのだろうか。
ということで早速、100円のプレゼントを5つ買ってきた。選んだのは、圧縮袋、綿棒、仏像のスクラッチアート、電池、ハンガーだ。
これをラッピング資材で豪華に包んでいこう。何気なくとっておいた袋やリボンが日の目をみるときが来た。
1つ目は圧縮袋。
よく一緒に旅行する友人が、毎回服を圧縮して持ってくるので、これをプレゼントしたい。また旅行しようね、というメッセージもある。
まずは丁重感を出すために薄紙で包み、さらに包装紙で包む。
さらにリボンを巻き、花をつけた。
花は針金でくくるタイプでつけ方が難しかった。
気が抜けるほど軽いが、結婚式のような色合いで華やかだ。
2つ目は綿棒。
大掃除をすると言っていた、一人暮らしの友人にプレゼントしたい。
まずは薄紙とリボンで可愛く包んでいく。
そういえば、その友人はお酒が好きなのだ。雰囲気出してボトルっぽくしよう。
さらに上から、高級感のあるラメ入りの包装紙で筒状にし、リボンと花をつけた。
軽いので渡すときにバレてしまうが、見た目で想像が膨らむ。
ラッピングには、まず想像で楽しんでもらうというエンターテイメント性もあるのだ。
3つ目は仏像のスクラッチアート。
見た瞬間、自分が欲しくなって買ったのだが、歴史好きな友人にプレゼントしたい。
仏像の名に恥じぬよう、一層豪華に包ませて頂こう。
お歳暮で届いたワインの箱に薄紙を詰め、さらにふんわり薄紙で巻く。
さらに包装紙でつつみ、熨斗をつけた。
もう誰にも100円とは言わせない。そんな気迫のあるプレゼントだ。
見た目が大きければ大きいほど中身の想像の幅が広がって楽しい。
4つ目は電池。
汎用性の高い単4電池は、カメラが趣味の友人にプレゼントしたい。
時計をもらった時のクッションのついた箱で包んでいく。
さらに細いリボンをかけて花を添えた。
ブランドの包みに惑わされないか不安はあるが、プレゼントを渡す気持ちは変わらない。
喜ぶ顔が見たい、ただそれだけなのだ。
5つ目はハンガー。
これでいい服をかけてね、と服が好きな同僚にプレゼントしたい。
「これでいいもん食べな。」と割り箸を渡すような粋さがある。
まずは花をつける。
形や触り心地でバレないようにするため、薄紙で包み、ラッピングバッグに入れた。
三角のものを包むのは難しい。
全部で5つのプレゼントができた。
買ったラッピング資材は300円程度だが、家にあった1万円以上のものが入っていた高級感溢れる箱たちのおかげで豪華に仕上がった。
みんな喜んでくれるだろうか。
中身を見た時のガッカリ感を軽減できるのか、普通にもらうより何倍嬉しいのか、反応が気になるところだ。
プレゼントにはお祝いがつきものだ。
今回は「頑張ってセーターを手洗いした!」など日常的なおめでとうを聞き出して祝うことにした。
そして渡した後に簡単なアンケートに答えてもらう。
まずは知り合って10年来の友人、片桐さん。
今日シーツを洗濯してから来たらしい。
ナミノリ:シーツを洗濯して偉いね!おめでとう〜!
見た目は高評価だ。早速開けてもらおう。
豪華さに気を取られて、開けやすさを忘れていた。
花の針金をぐるぐると巻きつけて、リボンもギュッと固結びしてしまったのだ。
ラッピングにはホスピタリティも重要なのだと気づかされる。
片桐:包装紙って嬉しいね。自分で頑張って包んでくれた感じがして。
ナミノリ:よかった〜!丁寧に開けてくれて嬉しい!
片桐:これは破いちゃいけないなって思ったよ。
ラッピングを含めてプレゼントと言うのは、こういうことなのだろう。
あげる人への気持ちも一緒に包める。そして開ける人もそれを感じることができる。
片桐:前にナミノリが「旅行の時に毎回圧縮袋使ってるところが好き。」って言ってくれたことがあったよね。
想いが伝わって、私も嬉しい。
片桐:いやもう、中身開けなくてもわかるよ。
そういえば私も中身をチェックしていなかったな…。
賑やかなピンクの袋から出てきたのは、ロゴも何もない透明な圧縮袋だった。
片桐:すごい、シンプルだね。
〇プレゼント後のアンケート
見た目 花が可愛くて嬉しかった。見た目が長方形でノートや便箋かなと想像した。
開ける時 楽しい。開けにくくて中身何かな?の時間が長かった。
中身のガッカリ感 ナミノリからの圧縮袋の想いがあり、ガッカリしなかった。
普通にもらうより何倍嬉しい? 3倍!なんでもない日常を祝ってくれるのも嬉しい。
ラッピングの開けやすさ、プレゼントを選んだ想いが大切だと分かった。
そして中身のチェック、自分が使ってみてよかった保証もあるとさらに良さそうだ。
続いては同じく高校からの10年来の友人、丸山さん。
最近、健康診断の採血を頑張ったらしい。
ナミノリ:採血耐えてえらい!おめでとう〜!
ボトルかなと思ったけどすごく軽い…!と中身に興味津々だ。
開ける時間=楽しい時間を長引かせるために、重ね包みしたのだ。
丸山:なにこれ!綿棒!?
ナミノリ:これから大掃除だし、一人暮らしだから日用品がいいかなと思って。
プレゼントは想いが大事だ。こう思って渡したんだという気持ちが伝わると、嬉しさが増す。
丸山:ありがとう。ナミノリがにやにやしながら包んでいるのが想像できたよ。
丸山:開けないでもわかるよ。
と言いながらも試しに使ってくれた。
〇プレゼント後のアンケート
見た目 ナミノリのカバンからボトルみたいなプレゼントがチラ見えしてて、それをもらえるんだ!と嬉しかった。
開ける時 楽しい。片桐さんのをみてて中身がそうでもないと知ってても楽しかった。
中身のガッカリ感 ガッカリはしない。
普通にもらうより何倍嬉しい? 3倍!普通に渡されたらいらないけど、プレゼントだから嬉しかった。
普通だったらいらないものが、豪華なラッピングのおかげで3倍嬉しいものに変わった。
これが真の威力なのではないか。
続いては、以前近所に住んでいた7年来の友人、久野さん。前から飼いたかったメダカをやっと飼い始めたらしい。
ナミノリ:メダカを飼うことができて、おめでとう〜!
久野:包装紙ってあけるの楽しいよね。
引越し祝いも渡せていなかったので、豪華にしてよかった。
ワクワクしながらあける人を見るのも楽しい。
ナミノリ:仏像のスクラッチアートだよ!
正直、一番心配していたプレゼントだったが、予想以上に喜んでくれた。
自分で包むと喜んでくれた時の嬉しさも格別だ。
〇プレゼント後のアンケート
見た目 熨斗で格がある感じがした。
開ける時 楽しい。箱がしっかりしていてイイもの感があった。
中身のガッカリ感 一瞬なに?と思ったけど、好きなものでよかった。
普通にもらうより何倍嬉しい? 10倍!普通ならいらないものくれた感じがするけど、これは嬉しかった。
普通だったらいらないものが10倍嬉しい結果となった。
もちろん中身も重要だが、嬉しさはラッピングの豪華さに影響している。
続いては、同窓会で仲良くなった高校の友人、南雲さん。
育てているミントが大きくなったらしい。
ナミノリ:ミントが成長して、おめでとう〜!
ブランドの包みでハードルが上がって焦る。
しかし、嬉しいというよりは驚いていた。
ブランドの包みからの電池は落差がありすぎて、嬉しさが薄れてしまうと分かった。
〇プレゼント後のアンケート
見た目 高級感があって嬉しかった。
開ける時 楽しい。
中身のガッカリ感 なに?と思った。
普通にもらうより何倍嬉しい? 2倍!
ブランドの包みからはブランドのものが入っているという期待しか生まれない。
反対にノーブランドの包みは、幅広い期待があるのだ。と同時に、期待にそぐわないものが入っているかもしれないという保険にもなっている。
続いては、いつも一緒にランチに行く同僚の佐藤さん。年末に大掃除したらしい。
ナミノリ:一人で大掃除は偉いね!おめでとう〜!
渡した時の感触で想像がついたようだ。
佐藤:でも嬉しい!ちょうど欲しいと思ってたんだよね!
ラッピングを開ける前に、中身の感想が聞けて新鮮である。
佐藤さんの理想のハンガーでありますように。
よかった。中身のハンガーもお気に召していただいた。
〇プレゼント後のアンケート
見た目 中身がわかってしまった。
開ける時 中身がわかってたけど楽しい。
中身のガッカリ感 欲しいものだったからガッカリ感はなし。
普通にもらうより何倍嬉しい? 4倍!
ラッピングの威力は、しっかりとあった。
豪華にすればするほど見た目で嬉しい、開けて楽しい、期待も広がる。
今回のプレゼントで分かったことがある。
自分で包んだものを開けてもらうのは、ドキドキの裏に恥ずかしさがあった。
バレンタインデーに市販のチョコではなく、手作りのチョコを渡すような感覚だ。
もし友人や大切な人へのお祝い事があるのなら、下手でも自分の手でラッピングしてみて欲しい。
プレゼントを渡すというイベントが、一味違って感じられるはずだ。
プレゼントを渡した5人に「プレゼント嬉しさグラフ」を書いてもらった。
プレゼントがあるよ!と言ったとき、渡されたとき、開けているとき(楽しい)、中身を見たときで嬉しさを数値にしてもらい、グラフにした。
結果がこちらだ。
一番嬉しいタイミングは人それぞれあるものの、全員があけるで高い水準になった。
みんな開けるときがこんなに楽しいのだ。
もっと楽しく開ける工夫をしたら、もっと嬉しいプレゼントになるのではないだろうか。
次にプレゼントを作るのが楽しみになってきた。
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