ゼロカロリー海外旅行
いつも成田から東京に帰るときはバスを使っている。バスから高速道路を眺めると旅行の終わりを実感していたので、今回も擬似的にその感覚に襲われるんじゃないかと期待してた。
だが、全然ならなかった。
身体が全然疲れていないし、海外での記憶が一切ないからだ。僕の写真を撮ってくれた若者が構図が決まってるなってことぐらいしか記憶にない。
記憶がないのに見た目だけ海外旅行帰りという、ゼロカロリーコーラみたいな体験だった。
到着便のボードを見るとホノルル便がある。ホノルルから帰ってきたことにしよう。設定をさらに固めていたらとあるメディアから「ゴールデンウイークを海外で過ごした人にインタビューをしています」と声をかけられた。
ついに「いやー、明日から仕事ですよ。」か?
と思う前に反射的に「すいません、私は違うんです」と正直に答えてしまった。
取材されたらおもしろいかも、と思っていたがいざ実際に聞かれると即答だった。食い気味だったかもしれない。正直なメディア、デイリーポータルZです。
「あ、国内ですか」とそのメディアの人は丁寧に答えてくれたが、国内というか経堂である。
到着ロビーを観察していると、到着した人はさっさと電車やバス乗り場に移動するので立ち止まらない。たぶん到着ロビー手前の税関手続きでは行列になっているのだろう。
だから、ゴールデンウイーク最終日の帰国ラッシュは新宿駅のラッシュのようにわかりやすく見えないのだ。僕に声をかけたメディアの人もインタビュー相手を探すのに苦労しているようだった。
ただの浮かれた男で申し訳ない。
海外から帰ってきた人になることができた。あとは成田を満喫して帰るだけだ。
どれもすばらしい。ケニアの木彫りの動物は51円だった。
レストラン街のラーメンは1000円だったが、店のオリジナルTシャツは3000円だった。ラーメンに比べてTシャツが安いので買おうかと思ったがそこで正気に戻った。
おれは腹が減っているのだった。
やたら軽いので、岡崎体育氏に似た係員が持った瞬間にちょっと驚いていた。
いつも成田から東京に帰るときはバスを使っている。バスから高速道路を眺めると旅行の終わりを実感していたので、今回も擬似的にその感覚に襲われるんじゃないかと期待してた。
だが、全然ならなかった。
身体が全然疲れていないし、海外での記憶が一切ないからだ。僕の写真を撮ってくれた若者が構図が決まってるなってことぐらいしか記憶にない。
記憶がないのに見た目だけ海外旅行帰りという、ゼロカロリーコーラみたいな体験だった。
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