特集 2019年3月15日

迷路のようにクネクネしている歩道橋があった

「環状4号線の神奈川県横浜市栄区桂町交差点にかかる横断歩道橋へ登り降りするためのスロープのうち、南側だけが迷路のよう。なんでこんな事になっちゃったのか気になります」という投稿が、ビビンバさん/ゆーのさんからはまれぽ.com編集部へとどいた。

スロープの勾配はバリアフリー法で基準が決まっていること、歩道橋の南側が急傾斜になっていることから何度も折り返した形状となったことがわかりました。
(はまれぽ.com:はまれぽ編集部

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横断歩道橋(以下、歩道橋)は、交通量の多い場所や横断歩道がない場所などに設置される交通安全施設。
今回投稿に寄せられたのは、横浜市栄区桂町(かつらちょう)にある「迷路のような歩道橋」。よくわからない曲がり角が何重にもあり、利用者もほとんどいないのだとか。

早速、現場へ行ってどんな歩道橋なのか確認してみることに。

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投稿に寄せられた「桂町歩道橋」
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北側はいたって普通のスロープ
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南側は……

めっちゃくねくねしてる!

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頂上から南側へ降りるまで、曲がり角は11回
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普通の歩幅で123歩、1分10秒かかった
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北側のスロープは曲がり角が5回、87歩で地上へ到達

階段で渡れば50秒もかからない距離だが、北側のスロープから南側のスロープで反対側の歩道へ渡るのに、約2分30秒かかった。

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ちょうどクネクネし始める所から足元の素材が変わっている

取材日の前日は雨が降っており、

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コケのようなものでツルっと滑ってしまった

ベビーカーや階段の昇降ができない方には、少々長く険しい道のりかもしれない。

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しかも、かなり野生的な道のり

なぜこのような形状となったのか?
横浜市道路局建設課によると、「バリアフリー法でスロープの勾配が決まっているため、クネクネと曲がりくねった形状となりました。北側に比べて用地取得が少なく、急勾配になっているため折り返しが多くなっています」とのこと。

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急勾配の崖がスロープに面している

バリアフリー法で定められている勾配の基準は「勾配が1/12を超えていないか(高さが16cm以下のものについては1/8を越えていないか)」と定められている。

また、桂町歩道橋の真横には「上郷公田線」の「桂町トンネル(仮称)」が開通する予定。上郷公田線は、栄区南部の一般道路として1995(平成7)年に都市計画で決定した路線だ。

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上郷公田線概要(画像:横浜市道路局)クリックして拡大
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南側スロープの隣には、桂町トンネル(仮称)が開通予定の空き地

桂町歩道橋が竣工したのは2007(平成19)年。上郷公田線は1995(平成7)年に都市計画で決定し、上郷公田線ができる前提で、トンネルにぶつからないよう桂町歩道橋は作られているという。

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南側のスロープ付近には柵が立っている

取材日は桂町歩道橋を利用する方は見当たらず、この歩道橋が地元に根付いているのかどうか判断することはできなかった。

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なぜなら歩道橋の真隣に横断歩道があるから……

上郷公田線の交通規格協議が行われていないので、道路構造はまだ決まっていないが、もしこの横断歩道が工事の過程でなくなることがあれば、桂町歩道橋は反対側へ渡る交通安全施設として活躍するかもしれない。


現在、上郷公田線は用地取得を行っている段階で工事は2018(平成30)年度着手するという。
歩道橋は現状のまま残される予定だが、まだ明言はできない状況とのこと。この曲がりくねった歩道橋が後世に残されるかどうか、上郷公田線の工事進捗と共に見守っていきたい。

ー終わりー

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