クジャク、届く
クジャクは丸ごと冷凍された状態で届いた。オスである。
当初、知人が所有する倉庫の端に転がしておいて解凍を試みたのだが、まだまだ夜の寒い時期(3月)だったこともあり丸一日たってもほぼ凍ったままだった。
大きな鳥の解体は血や羽毛が飛ぶので倉庫で解体してしまいたかったのだが、しかたがないから自宅に持ち帰って解体することにした。
クジャクは何度も見たことがあるとはいえ、手で触れる近さで観察するのはこれが初めてだ。これまで知らなかったような発見があっておもしろい。
クジャクはニワトリやキジと同じキジ科の鳥で、オス同士の喧嘩で使われる蹴爪を持っている。足自体もがっしりしていて、素手で戦ったら負けそうである。
解体する前はとても大きく見えたクジャクだが、毛皮を脱がせてみるとずいぶん小さくなってしまった。「着太りするタイプなんやね」って言いたくなるくらい。足にいたっては普通のニワトリよりも小さいようでさえある。
ジビエを調理するたび、少なくともコスパについては「家畜すげえ!」という感想を抱くのだが、クジャクも例外ではないようだった。
気になる肉の質だが、臭いはいたって普通、さらにニワトリに近縁なだけあって鶏肉にそっくりなきれいなピンク色。味には期待が持てそうだ!
固い!けど味はグッド
本格的に料理をする前に、端の方を小さく切り取って焼いて味を見ることに。
変わったものを食べるときの最初の一口はいつも緊張する。もし臭くて食べられたもんじゃなかったら、じつのところそれでも経験としてはおもしろい。けれど記事にする段になると「不味くて食べられたものではありませんでした。おわり」では展開として苦しい。
そうした不安は良い意味で裏切られた。
焼いただけのクジャクは、美味しかった!たしかに鶏肉より固いけれど、噛んだら噛んだだけ味が出る。しいて言うなら筋トレしまくった鶏って感じの味だ。
よかった。これで安心して本格的に調理できるというものだ。