特集 2024年4月27日

クジャクを食べる。その味はまるで筋トレしまくった鶏

クジャク、届く

クジャクは丸ごと冷凍された状態で届いた。オスである。

当初、知人が所有する倉庫の端に転がしておいて解凍を試みたのだが、まだまだ夜の寒い時期(3月)だったこともあり丸一日たってもほぼ凍ったままだった。

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解体するぞ!と意気込んだはいいものの、ほとんど解凍できていなかった。寒いのもあるが、羽毛はきれいなだけではなく断熱性能もすごいようだ。

大きな鳥の解体は血や羽毛が飛ぶので倉庫で解体してしまいたかったのだが、しかたがないから自宅に持ち帰って解体することにした。

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持って帰ってきた。
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飾り羽が注目されがちだけれど、それ以外の羽もとてもきれいだ。
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飾り羽はまだ伸びかけだった。繁殖期に入りかけの時期に駆除された個体のようだ。

クジャクは何度も見たことがあるとはいえ、手で触れる近さで観察するのはこれが初めてだ。これまで知らなかったような発見があっておもしろい。

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これは翼の羽。きれいなオレンジ色。
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指の爪と蹴爪(指から離れたところに飛び出ている突起)はこんなに立派。

クジャクはニワトリやキジと同じキジ科の鳥で、オス同士の喧嘩で使われる蹴爪を持っている。足自体もがっしりしていて、素手で戦ったら負けそうである。

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観察しながら解体していく。
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解体できた!

解体する前はとても大きく見えたクジャクだが、毛皮を脱がせてみるとずいぶん小さくなってしまった。「着太りするタイプなんやね」って言いたくなるくらい。足にいたっては普通のニワトリよりも小さいようでさえある。

ジビエを調理するたび、少なくともコスパについては「家畜すげえ!」という感想を抱くのだが、クジャクも例外ではないようだった。

気になる肉の質だが、臭いはいたって普通、さらにニワトリに近縁なだけあって鶏肉にそっくりなきれいなピンク色。味には期待が持てそうだ!

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固い!けど味はグッド

本格的に料理をする前に、端の方を小さく切り取って焼いて味を見ることに。

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塩も胡椒もつけずに焼いたクジャクの焼肉。

変わったものを食べるときの最初の一口はいつも緊張する。もし臭くて食べられたもんじゃなかったら、じつのところそれでも経験としてはおもしろい。けれど記事にする段になると「不味くて食べられたものではありませんでした。おわり」では展開として苦しい。

そうした不安は良い意味で裏切られた。

焼いただけのクジャクは、美味しかった!たしかに鶏肉より固いけれど、噛んだら噛んだだけ味が出る。しいて言うなら筋トレしまくった鶏って感じの味だ。

よかった。これで安心して本格的に調理できるというものだ。

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骨みたいな固さの腱がたくさん埋まっていてとるのが大変だ。
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下処理が終わった後のもも肉×2枚。肉の収量の点で鶏がいかに優秀かわかっていただけると思う。
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逆に、ささみは鶏のものよりもかなり大きかった。胸肉も鶏のそれより一回り大きい。クジャクのやつ、上半身を重点的に鍛えたな。

⏩ 料理ができあがった

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