量り方を検討する
味は個人の好みかもしれない。でも、チョコの量は測れるはずだ。こうすれば。
(2)きのこ、たけのこの「チョコ部分」と「それ以外」を分ける
(3)「チョコ部分」だけを量って比較する
簡単だ。この企画、すぐ終わってしまう。記事にならないのでは……。
と心配したこの時の私は、安心してほしい。全然終わらなかったから。
量りが気分屋だった
きのこの山・たけのこの里は、1個あたり数グラム。そのチョコ部分だけを比較するには、0.1g単位未満が量れるスケールがあるといい。
そう思って、Amazonで自称「0.01gまで測れる」という精密なスケールを買った。740円だ。安い。
届いたパッケージを見て不安に襲われた。この不安感、写真で伝わるだろうか。
試しに、たけのこの里一つを載せてみたら、載せ直すたびに違う数字が出た。
気分屋だ。そういうの、今日は困る。真剣にやりたいのだ。
量れる単位が小さすぎると誤差も出やすく、かえってよくなかったかもしれない。
せっかく買ったけどこれはあきらめて、手持ちのコーヒー用スケールを使おう。0.1gまでなら量れるし、気分は安定している。
コーヒー用スケールは、お湯を入れ始めてからの時間を測るタイマー機能と、お湯の重さを量るスケール機能があるけれど、今回はタイマーオフで、スケールだけ使います。
レフェリーは決まった。いざ勝負だ。
まずはチーム戦
個人戦に入るまえにチーム力を試したい。パッケージごと量って、どちらが重いか勝負だ。
なんてこった。たけのこ軍、いきなり分が悪い。きのこ軍より3.5gも少ないなんて。
念のため箱から出して中身だけ量ってみた。
3.3g差でたけのこ軍の方が少なかった。厳しい戦いの予感がする。
よく見たらパッケージ裏面にも容量が書かれていた。きのこの山は74g、たけのこの里は70gだ。最初から負けが決まった試合だったのか!?
いや諦めるな私。
本当の勝負は「1個当たり」で決まる。個人戦である。
個人戦のゴングが鳴る
いよいよ1個ずつの勝負である。
1個の重さを量ってみたところ、ほぼ同じ重さながら多少のブレがあったので、いちばん重いもの、軽いものと、中央値の3つの平均を出してみた。
きのこの山が平均約2.6gに対して、たけのこの里が約2.5g。0.1gという僅差ながら、また負けてしまった。
実は、たけのこの里には、きのこの山平均と同じ2.6gの個体もあったでもきのこの山は最強選手が2.8gだった。かなわない。
まあいい。勝負はそこじゃない。
チョコ「だけ」の重さが重要なのだ。
チョコはがせない問題
チョコ量の個人戦は、きのこ、たけのこの「チョコ部分」と「それ以外」を分ける作業から始まる。
そんなの簡単だ、と思っていたのだが、これが意外に難航した。きのこはするっとチョコがむけるのだが、たけこのはむけないのだ。
きのこのビスケット部分はツルリとしていて、チョコ離れがいい。たけのこは、クッキー部分とチョコ部分が一体化してギザギザしていて、チョコが離れてくれない。
きのこの山は、軽く包丁を入れるだけでチョコがはがれるのだが、たけのこの里はクッキーごと崩壊する。包丁でこそげても、チョコとクッキーがところどころひっついてしまって、きれいに取ることは不可能だ。
たけのこの里のチョコだけを、どうにか分離できないか。悩んでいたら、「ドライヤーでチョコを溶かして測定してはどうか」と友人がアイデアをくれた。持つべきものは理系の友だ。
たけのこの里のクッキー部分に竹串を刺し、ドライヤーの風をぶんぶん当てると、チョコがじわじわ溶けてきた。これはいけるかもしれない!
数分間溶かしつづけて、クッキー部分がすっかり見えてきた! いけるか!?
……と思ったのだが、溶けたチョコがクッキーに染みこんでしまって、やっぱり一体化してしまった。ウウム。
ドライヤー作戦は失敗だ。でも、チョコが染みこんだ、ほんのり温かいたけのこの里はとてもおいしかった。たけのこの里は温めてもおいしいことが分かって良かった。
そしてこの勝負はさらに細かくなって続く!