特集 2024年3月8日

きのこの山とたけのこの里、チョコの量を比べてみたら

勝負だ!(たけのこの里を上に置いたのは意図的です/たけのこ派より)

小学生の息子はおつかいが好きだ。「ついでに好きなものも買ってきていいよ」と言うと、きのこの山とたけのこの里を買ってきてくれる。

きのこの山は自分用。たけのこの里は母である私にプレゼントするためだ。かわいい。

ただ彼は「きのこの山のほうがおいしい。チョコも多いし」と主張する。「そんなことなくない? たけのこの里のほうが満足度が高いよ」と思う私は納得できない。

よしわかった。真剣勝負だ。

1978年生まれ、甲子園出身。兵庫県西宮市出身と言っても誰もわかってくれないので甲子園出身と言うことにしているけど、甲子園は大阪府だと思われがちなのが悩み。
好きなバレーボールはモルテン。好きな音楽家はKAN。



量り方を検討する

味は個人の好みかもしれない。でも、チョコの量は測れるはずだ。こうすれば。

(1)量りを買う
(2)きのこ、たけのこの「チョコ部分」と「それ以外」を分ける
(3)「チョコ部分」だけを量って比較する

簡単だ。この企画、すぐ終わってしまう。記事にならないのでは……。

と心配したこの時の私は、安心してほしい。全然終わらなかったから。

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量りが気分屋だった

きのこの山・たけのこの里は、1個あたり数グラム。そのチョコ部分だけを比較するには、0.1g単位未満が量れるスケールがあるといい。

そう思って、Amazonで自称「0.01gまで測れる」という精密なスケールを買った。740円だ。安い。

届いたパッケージを見て不安に襲われた。この不安感、写真で伝わるだろうか。

これ、ちゃんと量れるのかな……。
箱が安っぽい。説明書の日本語が怪しい

試しに、たけのこの里一つを載せてみたら、載せ直すたびに違う数字が出た。 

同じたけのこの里ですが
載せるたびに重さが違いました

気分屋だ。そういうの、今日は困る。真剣にやりたいのだ。

量れる単位が小さすぎると誤差も出やすく、かえってよくなかったかもしれない。

せっかく買ったけどこれはあきらめて、手持ちのコーヒー用スケールを使おう。0.1gまでなら量れるし、気分は安定している。

コーヒー用スケール。タイマーとスケールが合体している。左がタイマーで、右がスケール
スケールでお湯の量を、タイマーで時間を見ながらコーヒーを淹れると味が安定するのです

コーヒー用スケールは、お湯を入れ始めてからの時間を測るタイマー機能と、お湯の重さを量るスケール機能があるけれど、今回はタイマーオフで、スケールだけ使います。

レフェリーは決まった。いざ勝負だ。

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まずはチーム戦

個人戦に入るまえにチーム力を試したい。パッケージごと量って、どちらが重いか勝負だ。

きのこの軍:93.1g
たけのこの軍:89.6g

なんてこった。たけのこ軍、いきなり分が悪い。きのこ軍より3.5gも少ないなんて。
念のため箱から出して中身だけ量ってみた。

きのこ軍:74.9g
たけのこ軍:71.6g

3.3g差でたけのこ軍の方が少なかった。厳しい戦いの予感がする。

よく見たらパッケージ裏面にも容量が書かれていた。きのこの山は74g、たけのこの里は70gだ。最初から負けが決まった試合だったのか!?

いや諦めるな私。

本当の勝負は「1個当たり」で決まる。個人戦である。

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個人戦のゴングが鳴る

いよいよ1個ずつの勝負である。

1個の重さを量ってみたところ、ほぼ同じ重さながら多少のブレがあったので、いちばん重いもの、軽いものと、中央値の3つの平均を出してみた。

きのこの山は平均2.6g
たけのこの里は平均2.5g

きのこの山が平均約2.6gに対して、たけのこの里が約2.5g。0.1gという僅差ながら、また負けてしまった。

実は、たけのこの里には、きのこの山平均と同じ2.6gの個体もあったでもきのこの山は最強選手が2.8gだった。かなわない。

まあいい。勝負はそこじゃない。

チョコ「だけ」の重さが重要なのだ。

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チョコはがせない問題

チョコ量の個人戦は、きのこ、たけのこの「チョコ部分」と「それ以外」を分ける作業から始まる。

そんなの簡単だ、と思っていたのだが、これが意外に難航した。きのこはするっとチョコがむけるのだが、たけこのはむけないのだ。

きのこのビスケット部分はツルリとしていて、チョコ離れがいい。たけのこは、クッキー部分とチョコ部分が一体化してギザギザしていて、チョコが離れてくれない。

きのこはツルリ
たけのこはギザギザ……

きのこの山は、軽く包丁を入れるだけでチョコがはがれるのだが、たけのこの里はクッキーごと崩壊する。包丁でこそげても、チョコとクッキーがところどころひっついてしまって、きれいに取ることは不可能だ。

たけのこの里のチョコだけを、どうにか分離できないか。悩んでいたら、「ドライヤーでチョコを溶かして測定してはどうか」と友人がアイデアをくれた。持つべきものは理系の友だ。

溶けたチョコを量ればいいよね

たけのこの里のクッキー部分に竹串を刺し、ドライヤーの風をぶんぶん当てると、チョコがじわじわ溶けてきた。これはいけるかもしれない!

数分間溶かしつづけて、クッキー部分がすっかり見えてきた! いけるか!?

……と思ったのだが、溶けたチョコがクッキーに染みこんでしまって、やっぱり一体化してしまった。ウウム。

チョコがしみこんでしまった

ドライヤー作戦は失敗だ。でも、チョコが染みこんだ、ほんのり温かいたけのこの里はとてもおいしかった。たけのこの里は温めてもおいしいことが分かって良かった。

そしてこの勝負はさらに細かくなって続く!

⏩ ガリガリ削ってチョコレートの量だけを調べる

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