ザリガニはまだウケている
少し進んで浅い池がある付近に行くと、何かを釣ろうとしている親子がたくさんいた。
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日向:休日に子どもに付き合って公園で釣りをする親って本当にすごいね。
佐伯:自分だったらできない。こんな暑い中、午前中から…。(※現在時刻11:00・気温35度)
子どもたちが持つ水槽をよく見ると、ザリガニが入っていた。娯楽が飽和する現代でもずっとウケ続けているザリガニ、すごい。そしてそれに付き合う親も。
ザリガニと見ず知らずの親の偉大さに恐れおののきながら、さらに歩き進める。
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佐伯:かっこいい鳥がいる!
日向:わっ!かっこいい!
水鳥って、空を飛ばずに水上を泳いでいる分落ち着いて見られてありがたい。
佐伯:そんで、あの周りにあるのって蓮の葉じゃない?
日向:ほんとだ。
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『蓮の葉』は晩夏の季語。たしかに、蓮の葉が生い茂ってるのって夏の風景かも。
季語を意識しながら歩いていると『言われてみれば、これ(季語)の見ごろって今だな』と再確認できて楽しい。
しかし、例えばここで横から『いやいや、蓮の葉って冬が一番見ごろなんですよ』と言われても、それはそれで信じてしまいそうである。かなり雑に季節を感じているから。
言われているからそう感じているだけかも…という自分に対する疑いが常に付きまとっている。
風死す
ディズニー好きの日向さんから、『アラジン』のジーニーと、ドナルドダックの世界のキャラクター・ランチパッドの魅力について聞きながら、さらに石神井公園の奥へと進む。
日向さんは、会うたびにあらゆるディズニー情報を教えてくれる。
わたしはディズニーに疎いため、日向さんと出会ってからの20年間で培ったディズニー知識は、ほぼ彼女から吹き込まれたものである。
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日向:なんかここだけ涼しいね。
公園内には局所的に妙に涼しいスポットがあっておもしろい。池の近くの緑が生い茂った木陰…夏の季語でいうところの『緑陰』は、この異常気象であっても涼しい。なけなしの風情を感じる。
佐伯:そういえば、ビンゴに『汗』も書いたんだった…。マル付けていいよね。
日向:あと、『風死す』も…。
無風状態のことを『風死す』と言うらしい。かなり危機迫っているのが伝わってきていい。
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1時間弱歩いただけで、体中が熱くなった。肉体のコアの部分に熱が蓄積されているのがわかる。季語を見つけながら優雅に散歩をする余裕も、徐々になくなってくる。
あと、本当に人が少ない。
これ以上歩いたらヤバいと判断し、休憩することに。同じくらいの体力の人間同士で助かった。
大人になると、友人関係における『両者の持って生まれたエネルギー量が近いこと』がかなり重要なポイントになってくる。
致死量の夏
一息つくために、石神井公園内のお食事処へ。
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日向さんはラムネとラーメンを、わたしはビールを注文。
席についてしばらくすると、カマキリの入った虫かごを携えた携えた親子がわたしたちの隣の席に着席した。ふと後ろを見ると、3人の子どもが1つの大きなかき氷を囲っている。よく店内を見渡すと、さっきザリガニ釣りをしていた子どももいた。食べ残したうどんを、お父さんに押し付けている。
夏だ。夏過ぎる。
日向:『ラムネ』と『ビール』にマルつけて…。あ、わたしあと『パイナップル』でビンゴだ。
佐伯:えッ!じゃあスーパー行こう!
お食事処で致死量の夏を浴びたわたしたちは、足早に公園を後にして、スーパーへ向かった。
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無事、スーパーで丸ごとのパイナップルの存在を確認。これにて夏の季語ビンゴ散歩終了!
暑すぎる!
夏の季語ビンゴ散歩、楽しいけどとにかく暑い。暑すぎて、地面にしゃがんで虫や花を観察する余裕がない。
しかし、暑い暑いと言いつつ、前回の春の季語ビンゴ散歩と比較しながら同じ公園を歩くのもまた一興であった。
季語がつくられた頃の夏とは違うことをひしひしと感じる。今を生きる我々には、もっと時代に即した季語が必要だ。Neo季語が制定されたら、また夏に季語ビンゴ散歩をやろう。
とりあえず夏のNeo季語に、『花死す』とか『ハンディファン』とかどうでしょう。

