特集 2026年8月19日

20年に一度しかない「木をひっぱる祭り」に参加する

地元に、2000年ぐらい前(弥生時代)からあると言われている場所がある。

伊勢神宮である。

この前、伊勢神宮で20年に一度だけ行われる、お木曳(おきひき)という行事があった。

伊勢をあげて行われるこの行事に、地元民として参加してきた。

どうでもいいことを真剣に分析してみる記事をたくさん書いているエンタメライター。音楽や映画が特に好き!

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伊勢神宮をご存知だろうか。

ご存知でないと話がややこしいので、ご存知であってくれ〜!と思いながらいまこの記事を書いている。

伊勢神宮は簡単にいうと尋常じゃなく昔からある神宮で、特に有名なのがすべての社を建て替える「式年遷宮」である。

もともとの建物(写真左)から新しい建物(写真右)へ、すべての社を建て替えるのだ! ※出典:第62回式年遷宮に伴い建てられた外宮別宮多賀宮の新旧社殿(2013年)、実際の神宮は指定の場所以外は写真撮影禁止

遷宮はかなり大がかりな行事なので、地元では数年前からじわじわ「遷宮するための行事」が始まっている。

そのうちのひとつが「お木曳(おきひき)」。その名の通り、木をひっぱる行事である。

なぜ木をひっぱるのか。

その前にひとつ、考えてみて欲しいことがある。

答えはそう、伊勢の地元民たちなのである。

昔はまじで木曽で採った木を1万本ぐらい引っ張っていたらしい。本気の労働。

 

木を持ってくる手段がいろいろ増えた現在でも、遷宮の前に地元民が一部の木をひっぱって神宮に奉納している。

つまりお木曳とは、地元をあげて行われる「神宮への資材納品イベント」なのだ!

伊勢のいろんな町が順番に「うちの町の木、持ってきました!」みたいな感じで木をお届けするので、何日にもわけて何ヶ月もやる。 ​​​​​※出典:令和のお木曳

私は父が伊勢の奥の方出身なので、幼い頃からちょくちょく神宮の行事に招集されており、今年も無事にお木曳に行くことになった。 

僭越ながら木、引かせていただきます!

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まずは朝6時に家を出る

お木曳の朝は早い。まじで早い。

「20年に一度ぐらい朝5時に起きろ」と思うかもしれないが私も同じことを思ったのでさすがに起きた。

6時に家を出て、神宮の近くの駐車場に来た。

指定のハッピとハチマキをつけて早朝の駐車場に集合。

昔はどうだったのかわからないが、いまのお木曳は「駐車場に集まって神宮まで木をひっぱる」という流れになっている。

このあたり、昔はどうしていたのか本当に知りたいところである。

お木曳に参加する町の旗。
こちらが我々の旗。江という地域だが、お木曳には伝統的に清渚連(せいちょれん)という名前で参加している。

お木曳にどの町が参加するかは、昔からの伝統で決まっている。

……のだが、実際はけっこう柔軟らしく、「最近できた新興住宅街」「合併で伊勢市になった町」とかも「伊勢市だし!」ということで普通にお木曳をやっている。

神宮、2000年の歴史があるわりには柔軟性がある。

こちらが20年前から参加している新興住宅街「光の街」の旗。「20年前から」と聞くとかなり前に聞こえるが、お木曳的にはスーパーニューカマーである。
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クレーンで川まで木を運ぶ

お木曳には2種類あり、道路で車をひっぱる陸曳(おかびき)と、川でそりをひっぱる川曳(かわびき)がある。

清渚連は川曳をやる町なので、神宮近くを流れる川に木を浮かべていく。

もちろん、クレーンで。

駐車場に着いたときから「なんかクレーンあるな」と思っていたが、ゴリゴリ木を運ぶためのクレーンだった。

私は昔から伊勢神宮になんとなく「合理的」というイメージがあり、このクレーンを見たときが一番「おお、伊勢神宮だ...!」という気持ちにさせられた。
こちらが木、通称「御用材(ごようざい)」。シンプルにでかい!!!
そりには引っ張る用の2本の縄がついている。「縄を直接地面に置くな」と強く言われていて、作業中もずっとゴザがしかれていた。
準備ができたのでいよいよそりを進水させる。

前回(20年前)までは出発前にお酒を飲んでいたらしいが、「酔っ払った大量の地元民がざぶざぶと深い川に入ってそりをひっぱる」という状況がどう考えても危なすぎて、今回から禁酒が徹底されたらしい。

この20年のコンプライアンスの進化を感じる話である。

あと川に入る前に何度も「ケガをしないで!」と注意されたので危ないからかな〜と思っていたが「ケガレが起きた木は神宮に受け取ってもらえないから」と言われた。心します!

⏩ 「楽しんでください」という指示に忠実に従う

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