リピーターになる人の気持がわかった
最初に参加費を支払う際、ポイントカードをくれたのだが「いやいや、ポイントカードって、そう何回も来る施設じゃないでしょ〜」なんて思っていた。
今はそんな気持ちはなく、機会があれば再訪して、サメの歯を探し当てるまで行きたいという気持ちで一杯です。
さて、しばらく黙々とフリフリしてもなかなかサメの歯らしきものは出てこない。化石かな〜と思しきものを別皿に取り分けておく。
サメの歯を探すべく、黙々と土をふるいをかけていると、子供の頃、おばあちゃんの家の軒下の土の中から、人の歯と入れ歯を大量に見つけたことをふと思い出した。
なぜ軒下に人の歯があるのか。
おじさんに「なにこれ」と聞いたところ、おばあちゃんのお母さん、つまり、ひいおばあちゃんの歯だ。とだけ言われ、納得はしなかったものの、そんなもんかとそれ以上詮索しなかったが、今思うとあれはいったいなんだったのか。
子供の抜けた乳歯は下の歯なら屋根に上の歯なら軒下に「ネズミの歯とかえてくれ〜」といいながら投げる風習というのはあったが、おばあちゃんちの軒下の歯は完全に成人のそれだったので、今考えると異様ではあった。
お年寄りの歯が抜けたときも軒下に投げるおまじないとかあったのかしら?
などと、今まですっかり忘れていた歯エピソードを思い出すなどしていると、見回りに来た職員のおじさんに取り分けていたブツをチェックされ「んー、これは全部化石じゃないね」と判定された。
20分ほど、黙々とただ三角の形をした石を選別し、子供の頃のどうでもいい歯エピソードを思い出していたことになる。
いやいやこれは、意外と難しいぞ……となってきたとき、向かいの席で同じく土をふるいにかけていた小学生の男の子は次々とサメの歯を見つけていく。なんなんだ、すごいな君は。
最初に配られた見本にはサメの歯二種類とウニのトゲ二種類の化石が入っている。土の中からは主にこれが見つかるらしい。
……そんななか、小石の隙間から細長い棒状のものを見つけた。取り分けておいていたところ、これがウニのトゲと判明。やった! やっとひとつ見つけた……。嬉しい。
一緒に行った妻に「いいなー」と羨ましがられ、なかなか鼻が高い。次は、サメの歯を……。と、さらに黙々と土をふるいにかけていると……。今度は妻が「あ、あったサメの歯」といい出した。
どうやら、サメの歯はツルッとしているので、あればすぐに分かるらしい。職員のおじさんも「あぁ、ありましたね、サメの歯ですね」と、すぐにサメの歯認定。え、ちょっとマジで羨ましいんですけど。
おれも、サメの歯をみつけたい……。
変な歯エピソードなんか思い出してる暇はなかった。
「残り19分です」という非情なアナウンスが聞こえてきたが、僕の一杯目のコンテナの土はまだ4割ほど残っているというありさま。焦燥感だけが募り、なぜか、職員のおばさんも手伝ってくれ始めたが、なかなか化石は見つからず……。ついにタイムアップとなってしまった。
向かいの席で、土をふるいにかけていた小学生の男の子とそのお母さんのグループは、サメの歯5つ、ウニのトゲ2つを見つけていた。
中にはサメの歯の欠片というものもあり「よくこれを化石だとわかったね」と聞いたところ、なんだか知らないけれど、化石があるとすぐわかるのだという。
そういうもんなのか。
見逃しているとかじゃなく、たまたまぼくのところに来たコンテナには化石があんまり入ってなかった。そういうことにしておきたい。
最初に参加費を支払う際、ポイントカードをくれたのだが「いやいや、ポイントカードって、そう何回も来る施設じゃないでしょ〜」なんて思っていた。
今はそんな気持ちはなく、機会があれば再訪して、サメの歯を探し当てるまで行きたいという気持ちで一杯です。
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