特集 2025年12月24日

新しいカラオケの楽しみ方、カラオケ前口上選手権!

第2試合の選曲発表

第2試合チャレンジ部門は、今この場で佐藤さんから課題曲が発表される。

018.jpeg
バンッ!

『津軽海峡・冬景色』は前口上にピッタリの曲だが、あとの2曲は難しそうだ。『ROSIER』は前奏に河村隆一のシャウトが入るのをどう活かすか?『マツケンサンバⅡ』はなにより1分間もある前奏が問題だ。それだけの時間を言葉で埋め尽くせるだろうか?

019.JPG
ジャンケンの結果、唐沢『ROSIER』、やなせ『マツケンサンバⅡ』、石井『津軽海峡・冬景色』に決定。1回戦で大きく引き離された私は良い曲を引き当てた

ところで歌い手の佐藤さんとは全員が初対面だったので、一回戦はどうしても曲かアーティストについての語りになってしまった。しかし本来、実際に歌う人が気持ち良くなってこその前口上。そこで少しだけ佐藤さんへのインタビュータイムを設けた。

020.JPG
「人生で一番嬉しいことって何ですか?」「ご出身はどちらですか?」などの質問が飛ぶ
021.jpeg
「子供が抱きついてくれる時かな~」。佐藤さんの人となりを探っていく

曲、アーティスト、佐藤さん。それらの要素を踏まえ、制限時間10分の前口上シンキングタイムスタート。

022.JPG

023.JPG

024.JPG

 果たして初代王者という輝かしい栄冠は誰の手に? 

いったん広告です

2回戦:チャレンジ部門

本来は1回戦の点数が悪い順に披露すべきだが、華麗なる逆転劇を期待され私がトリを飾ることになった。

025.jpg
唐沢→やなせ→石井の順に発表

それではまず、唐沢さん『ROSIER』とやなせさん『マツケンサンバⅡ』の前口上を続けてご覧頂きたい。

唐沢さん、河村隆一のシャウトをそのまま前口上に取り入れるという奇策で勝負に出た。

026.JPG
突然のシャウトに場は騒然。唐沢さんも優勝の可能性が十分あるので果敢に攻めてきた

そしてやなせさん。『マツケンサンバⅡ』担当が決まった瞬間に負けの気配が漂ったが、ラテン、松平健、佐藤さんの人生などを60秒間に見事に詰め込んでみせた。

027.JPG
尺読みもばっちり。歌い出し直前にピタリと前口上を終えた瞬間、思わず拍手が起こった

この2人、私の実力を120%発揮するには申し分のない相手だ。本当に呼んで良かった。だが君たちに見せてやる。競技発案者の意地とプライドを。

028.JPG
I Can Fly

それではこの日最後の試技をとくとご覧あれ(若干これまでの動画と雰囲気が違うが、お気になさらず)。

いったん広告です

小心者

大トリのプレッシャーに委縮した私は、オーソドックスでひねりのない、完全に置きにいった前口上を披露してしまった。

029.JPG
語り始めた瞬間から方向性を間違えたことに気付き、すっかりトーンダウンする私

その場にいた全員が、たとえ失敗しても良いから一発逆転、ホームラン狙いの豪快なスウィングを私に期待していたのだ。それなのにめちゃくちゃバットを短く持ったコンパクトなスウィング、いやバントを見せられたせいで、部屋には期待外れの空気が漂う。

030.JPG
しっかり盛り上げることで私の大逆転劇をお膳立てしてくれた2人もこの表情
031.jpg
「佐藤さん、このフレーズの真意はですね」。挙句の果てに試技が終わっても勝手に追加説明をし始め「それはズルいですよ!」と皆にとがめられる私

このリポートを書いている今この時も自分の失敗が悔し過ぎて、少しでもクオリティを上げるために私の動画だけ情景写真を入れ込んでしまった。

…それじゃあ、採点にいきましょう。

チャレンジ部門:採点

・唐沢

032.png

得点表 (4).png
林さん43点、佐藤さん45点、合計88点

林:途中で急にシャウトするという解釈はありだと思うので、独自性を満点にした。同時に叫んだ瞬間驚いて、その後の理解が追い付かなくなってしまったのでフレーズは低くした。

佐藤:やっぱりシャウトした部分は気持ちがこもっててロック魂を感じました。5点引いたというより満点にはしなかった、という感じ。

・やなせ

034.png

得点表 (6).png
林さん46点、佐藤さん50点!合計96点

 林:千葉真一が千葉県にいったりイヤイヤ期が暴れん坊将軍にいったりフレーズは満点。「プルルルゥヤッフゥ〜!」からはじまる独自性も尺も良し。どこも悪い所はないが、強いて言えば発声の迫力があり過ぎ。

佐藤:満点です。前口上は静かにやるもの、という固定概念を冒頭の「プルルルゥヤッフゥ〜!」で覆してくれた。短い準備時間でこんなに長い前口上を尺ピッタリにおさめるというテクニックも素晴らしかった!

・石井

036.png

得点表 (2).png
林さん38点、佐藤さん45点、合計83点

林:尺や節回しはテレ東の演歌の番組を見ているような自然さがあった。悪くはないけど「何かのパロディか?」ってくらい先行事例をなぞり過ぎていた。保守の良さっていうのもあるとは思って、僕の親世代だったらこれが正解なのかも

佐藤:「これ私の知ってる前口上だ」っていう安定感はあった。この曲を歌うのは初めてだったが、気持ち良く歌に入れた。ただやっぱりどこかで聞いたことある感があったので、マイナス5点

大団円

以上ですべての前口上は終了。第1試合と第2試合を合計した最終得点はこちら。

038.jpeg
石井156点、唐沢180点、やなせ193点
039.png
第1試合、第2試合共に完璧な前口上を披露したやなせさんの完勝!
040.JPG
やなせさんには私お手製のゴールデンマイクトロフィーが授与された。部屋の一番良い所に飾ってください
041.jpg
優勝後も「ここ、まだもうひと展開作れたな」と謙虚な王者。追加説明を始めたり動画に手を加えたり。私もまず精神性の向上から始めた方が良さそうだ
042.jpg
でも間違いなく非常に良い大会となりました!皆さん、ありがとう!

イントロの復権

歌う側と聞く側という従来の関係性を越えて、みんなで一緒に曲を作り上げていく楽しさが前口上にはあった。また、演歌やムード歌謡に留まらず、あらゆるジャンルの曲に適応可能であることも今回判明した。カラオケの新しい楽しみ方が誕生したのだ。

音楽の視聴環境の変化に伴い、近年イントロは短縮化の傾向にあるそうだ。しかし前口上の楽しみが普及すれば、イントロの重要性も見直される日が来るかもしれない。

動画③ - frame at 0m23s.jpg
ちなみにJOYSOUNDでは背景映像を自由に変えられるので、「北海道の雄大なジャガイモ畑の映像をバックに青りんご栽培の歴史を語る男」というシュールな瞬間が見れたりもしました

協力:JOYSOUND 

編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
カラオケでありながら歌う前の時間をメインに持ってくる暴れん坊企画です。でもJOYSOUNDさんからもカラオケで歌い始める前の時間を楽しくしたいという話があり、石井さんとのケミストリー実現となりました。
歌う前に盛り上がりのピークがくるカラオケ、忘年会で試してみて!(林)

<もどる ▽デイリーポータルZトップへ

記事が面白かったら、ぜひライターに感想をお送りください

デイリーポータルZ 感想・応援フォーム

katteyokatta_20250314.jpg

> デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」が届きます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ