名称不明だがどこの台所にもあった道具
最後はキッチン道具をつくってくれるらしい。
今度ばっかりはナタを握らせてもらうことにした。さすがに自撮りしかしていないのは申し訳ない。
「お前とおると色んなもん作らにゃいけんし大変じゃ〜」と言われてプレッシャーを感じたからとかじゃないですよ、断じて。
父の道具使いを見ている分には簡単そうだなと思っていたが、いざやってみると全然上手くいかない。拗ねた。
適材適所、置かれた場所で咲きなさいという言葉があるだろう。そうしよう。
自撮りをしつつニヤニヤしていると、ふと自分が小さいときのことを思い出した。夏休みにおじいちゃんのところに遊びにいくと、端材を使って積み木を作ってくれたのだ。僕はそれが好きだった。数十年経った今でも同じようなことをしてもらっていておもしろい。
照れくさいので祖父にはなにも言わなかった。
この道具は名称こそわからないものの使い方は単純である。
便利すぎるし、なんでいまに残っていないのか不思議だ。古びてきたらそのまま焚けば処分できるのもいい。
なお、写真を撮るにあたって逆光だからカーテンを閉めるといいと祖父から教わったことを書き添えておこう。孫のやっていることに理解がありすぎるだろうがよ。
はじめの「かぽかぽ」なんかは、83歳の祖父の時代ですら現役ではなかったとの由である。そもそも麻が許可なしには育てられない。
それでも道具の存在を知っているのは、祖父が小さかったころに(私から見て)曽祖父のところに取材が来ていたのをよく見ていたからだそうだ。曽祖父は古い道具や風習に詳しかったのだ。
それを更に面白がる子孫が生まれてこうしてウェブ記事になるというのは、一言で表すと、激エモですね。
以上、おエモがよろしいようで。

