短い記事 2022年4月6日

関西の線香花火「スボ手牡丹」はお線香みたい

線香花火と言えば、下にたらしてパチパチさせるもんだと思っていましたが、関西には立てて遊べるタイプがあるそう。ほんとうにお線香みたい。春ですが、お取り寄せして楽しんでみました。

大阪で生まれ育ちました。工作と漢字が好きです。チェキで盆栽を撮影したり、豆腐を千切りしたりしています。

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西の絵師が描いた謎の花火

去年、兵庫県立美術館に行った時のこと。何やら奇妙な日本画を見ました。

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見たことない題材

パッと見は線香立てのお線香なんですが、先がパチパチ火花を散らしているのです。研究室の教授と同期とともに「何やろこれ・・・?」としげしげ見つめるも答えは出ず。

そして3か月ほど前、教授が突如「あれは関西の線香花火らしい」ということを教えてくれました。

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ほんとうに急に教えて下さった

教授はあれから気になってちょくちょく調べていたようです。私はあれっきり忘れてたのに・・・教授になれる方ってこういう人なんでしょうね

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関西の線香花火は立てて遊べるらしい

これは「スボ手牡丹」と呼ばれる、もち手がワラになっているタイプの線香花火だそう。主に関西で生産されていたタイプらしいです。大阪で生まれ育ったのに知りませんでした。

和紙をより合わせた形のものは、主に関東で生産されていた「長手牡丹」という種類。現在はこれの一強になったため、「線香花火」の看板を独占しています。

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これが「線香花火」の名をほしいままにしている
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いざお取り寄せ

「やってみたい」の思いやまず、夏まで待てそうになかったのですぐにお取り寄せしました。

福岡県の「筒井時正玩具花火製造所」さんの商品をネットで購入。現在スボ手牡丹を製造しているのはここだけのようです。

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細いワラの先に黒い火薬がしこまれています。ガマの穂っぽい。

箱の説明書きには「三百年変わらない線香花火の原形」で、「米作りが盛んな関西地方には、ワラが豊富」だったからワラを使用したとあります。へー。

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繊細にパチパチ

さっそく点火してみましょう。

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だんだん火薬が赤らんできて、
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スパークしてきました
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お~、線香花火の繊細な火花です。

いまの手持ち花火って、火花「ジュ――――シュ――――バーチバチバチ」煙「モークモクモクモク」、やってる方も「ウワーーーイ」って感じですよね。

しかし、このスボ手牡丹は火花「ぱちぱちぱち・・・」煙「ふわふわふわ」って感じで線香花火の風情があります。

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私のこの笑顔たるや

火花の形も刻一刻と変わり、見応えがあります。ステキ。

(最後はポトっと火の玉が落ちるので、ヤケドには注意です。)

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ケーキに立てるロウソク花火みたい

あの日本画には、スボ手牡丹が線香立てに何本も立てられていました。

私が買った花火は、垂直にするとスパークしないので、ちょっと斜めにして器に立て入れてみましょう。

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いい・・・。

まるで一輪挿しのようです。いつもよりじっくり火花を楽しめる気がします。

この刹那、地獄の就活のことなんて思い出さずに、この火花のうつくしさだけを考えることができました。

この様子を見ていて、ふと「欧米のケーキにささってる、あのアホみたいなロウソク花火っぽくもあるな」と思いました。(私のなかでは、あのロウソクは能天気の象徴です)

「日本のスイーツ」ということでおはぎを供えてみました。

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似合う・・・

めちゃくちゃお彼岸になりました。

もち手がワラでできているだけで、プラスアルファのお楽しみがあります。仕事や勉強で脳が疲れ切った夜などに、立てかけたスボ手牡丹のパチパチする様をボ~ッと眺めるのもええなあと思いました。

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