特集 2023年9月4日

岡山の公園地下に戦時中のトンネル、亀島山地下工場跡

戦後は倉庫として使われた

洞窟のようなトンネル内を説明を受けながら進むと、至る所に残された生活の痕跡が目につく。

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大量のポリバケツとポリ容器?

戦後には住人によって倉庫として使われていたそう。

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こちらにもポリ容器。矢印はなにかの目印だろうか。

天井が低い場所や水溜まりがあれば「ここ危ないですよ」などと声を掛け合う。見学ツアーというより探検に近い。

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ゴミも散乱していた。

前日が土砂降りの大雨だったので中はびしょびしょになっていないかと心配したが、全然そんなことはなかった。一説には染み込んでくるまで1ヶ月くらいかかるらしい。 

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突然の洗濯機。記事を書きながら見返すとそうでもないが現地では脈絡のなさがちょっと怖かった。

今は施錠されているが、戦後には近くの子供たちの度胸試しに行われたそう。

真っ暗な中に一人で取り残されたら嫌だな。

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歴史的な遺構も残る

もちろん戦時中の地下工場の遺構もトンネル内には残る。今回の見学はこっちがメインだ。

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トンネルの横の壁に所々穴が掘られているがこれは戦時中のもの。

機械に水滴や石、砂が落ちてこないようにトンネル内に板で天井を作ったらしい。壁の穴はその天井を支えた柱の跡。

参加者は順番に近づいて熱心に写真を撮りまくる。

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折れた削岩機のロッドがそのまま残されている。
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うっすら凸凹が残っているが分かるだろうか。

地面には等間隔に凹みが見える。

これは掘り出した石や土を運んだトロッコの線路の枕木の跡らしい。こんなのすぐに消えてしまいそうだがいまだに残っているという。

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狐につままれて戻ってくる

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レンガ積みは見覚えがあるが、なぜこれがここに?

説明を受けながら回っていると何やら見覚えが…最初に見たレンガが積まれた場所だ。

奥に進んでいると思っていたら、まるでマジックのように戻ってきていた。

この機会まで聞いたこともなかった亀島山地下工場跡。

今回のようなツアーはある程度の人数が集まって亀島山地下工場を語り継ぐ会に申し込めば開催してもらえるらしい。なかなかハードルは高いかもしれないけど一見の価値はあるんじゃないかな。

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ちょっと離れた場所(私有地を通らなくても行ける)にある亀島山地下工場の碑。
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参考文献:ガイドブック亀島山地下工場(亀島山地下工場を語りつぐ会)

 

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