ちくわを作る
ちくわを作るときも、先ほどと同じように、餅のようなすり身をすりすり練り練りしていく。そこからどうやってちくわとして生まれ変わるのかというと、
まずはこの薄いフレームの中にすり身をキレイに収めるってワケ。
ここでもすり身用包丁が大活躍。すっかり薄くなりiPadのようになったはいいが、ちくわでしょ? 穴にキュウリを入れたりするちくわでしょ?
この状態からどうやってあのちくわになるというんだい。
「この竹の棒にすり身を巻き付けま〜す」
えーっ、そんなんできるん?
まずは講師のお姉さんの実演を食い入るように見つめるうちら受講生たち。コツは包丁ですり身をトントンとすくい上げながら巻き付けるのだそうだ。
すり身は油断すると破けてしまいそうなくらい薄い。繊細な作業が続く。
「ちくわだ、ちくわになった!」受講生たちから歓声があがった。
かまぼこもちくわも、もとはお魚だ。お魚を極限まですりすり練り練りしてさらに繊細な作業により形を変える。「生まれ変わり」とはこのことだ。
うちらも講師のお姉さんのアドバイスを受けながらちくわ作りに格闘した。
「上手、上手〜、今日の生徒さんたちはレベル高いです!」
お姉さんからお褒めの言葉をいただき嬉しかった。
焼くとお餅のようにぷくっと膨らんだ。
その膨らみを見つけるとすぐさま⋯
なんとトゲトゲのついた恐ろしい鉄の棒で叩くのだ。
そうすると⋯
こんがりと全身を焼かれ焦げ目がつくと完全にちくわとなった。ここまで来るのにどれほどの行程を経たことか。ちくわは安価で庶民の味方だ。誰もが親しんでいるちくわがこのように作られていることを、みんなもっと知ってほしいと心から思った。
焼き上がったばかりのまだホカホカと温かいちくわ。しかも自分たちの手で作り上げたのだ。これ以上のご馳走があるだろうか。
写真撮影に徹していた姉だが、撮影をしながらちゃんと自分の分を作ってもいた。えらいね。
さてお次は場所を移動して工場見学だ。かまぼこ作り体験は有料(1500円)だが、工場見学は無料で誰でも参加できる。
最初に作ったかまぼこが蒸し上がるまでまだ時間がかかるので、その間に工場見学もできるっていう無駄のない仕組みだ。
我々が参加者の待ち合わせ場所へと向かうと、すでに20人ほどの行列ができていた。しかもまたもやお子様はいない。全員大人だ。体験教室も工場見学も、小学校の社会見学というイメージだったのだが⋯⋯。
「はーい! みなさーん! 二列に並んで〜!」
工場見学担当のお姉さんが現れ、慣れた感じで参加者をさばき出した。
うちら見学者はお姉さんの言う通りに二列に整列し、工場へと足を踏み入れた。
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お姉さんの説明を聞きながらガラス越しに製造ラインを見学。みんな「お〜」「うわー」「ほおー」と歓声を上げながら小学生のように夢中になっていた。
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巨大な工場で生み出されていくちくわたち。うちらが先ほど作ったちくわとは生き別れた兄弟のようなものだ。幸せになっておくれ。
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楽しかった。もし本当に小学生だったら、こんなに楽しめなかったような気がする。
重ねて言うが私は小学校のあらゆる行事が苦手であり苦痛でしかなかった。遠足も社会見学も、楽しさのカケラも見つからず前の日は雨天中止を祈っていた。集団行動が死ぬほど嫌いなのだ。
しかしどうだ。今はワクワクしっぱなしで楽しみまくっているではないか。
かまぼこ作り体験教室の講師のお姉さんも、工場を案内してくれたお姉さんも、いい意味で我々を「子ども扱い」してくれた。それが本当に嬉しかった。失われた子ども時代を取り戻すことができたような気がして感謝の気持ちが湧いてきた。
私もかまぼこやちくわのように生まれ変わった気分だ。ありがとう!
工場見学を終えると我々が作ったかまぼこが蒸し上がる時間になり受け取りに再び工房へ。
ケーキのようにかわいらしい箱に入れてくれていた。テンション上がる。そしてまな板ももらった。嬉しい!
そしてこちらが持ち帰ったかまぼこだ。
手作りかまぼこはまるで刺身のようになめらかでとても美味しかった。
こちらは買って帰った揚げかまぼこ。
こうして大好きなヤマサ蒲鉾を味わい尽くした幸せな一日が終わった。ありがとうヤマサ蒲鉾!


