うちらは揚げかまぼこが大好き!
あなたはヤマサ蒲鉾の作り立ての揚げかまぼこを食べたことがあるだろうか。
断言するが、はじめて食べた人ならきっと度肝を抜かれるだろう。もう「ああ、あの、おでんに入ってるやつね」などとは言わせない。おでんの出汁に頼らずとも充分ソロでやっていける主役級の美味さだ。
年齢も性別も国籍も問わず必ず笑顔で「美味しい!」「デリシャス!」「ボーノ!」と絶叫するほど誰もが認めざるを得ない才能と実力を秘めている。
姫路市夢前町にある「かまぼこ工房 夢鮮館」はヤマサ蒲鉾の本社であり直売店。ここには実演揚げ売りコーナーがある。我々の住む大阪から車で2時間ほどかかるが、あの美味しさのためならどんなに時間をかけてでも来る価値があると思う。
うちら姉妹は例のごとく姉の運転で夢の揚げかまぼこの聖地へ向かった。
敷地内には巨大な工場がある。ここで毎日美味しいかまぼこやちくわが生産されて全国のヤマサ蒲鉾ファンたちに夢を届けているのだ。
そしてそれらを山から神の視点で見守るのがイメージキャラクターのさっちゃんだ。
なんと足湯まで併設されている。美味しいだけではなく我々の足まで優しく温めてくれるヤマサ蒲鉾。ありがたさはすでにMAXに達している。
入館するといきなり夢の「実演揚げ売りコーナー」が!
紅生姜旨味揚げ、笹揚げはも天、チーズ、ネギ、タコねぎ、とろサーモンスモークチーズ、アスパラベーコン生姜、あなご、れんこん、ほたて⋯⋯。
うちらは興奮して「きゃー!」と絶叫したい気持ちを必死で抑えた(実はちょっとだけ叫んだ)。夢の揚げかまぼこ達は自分へのお土産として帰る際に購入するとして、とりあえず手軽に食べることができる「城下町どっく」を購入することにした。
「城下町どっく」とは具がチーカマのホットドックだ。「肉ではない」というとほんのり節約レシピのような空気をかもし出すのだが、そうではない。チーカマはソーセージを超えるのだ。ホットケーキのような甘い生地に包まれたできたてホカホカのチーカマももちろん熱々。チーズも熱々でとろとろで、一口かじるとふわふわもちもちプリッじゅわっと美味しさが広がる。一本で大満足だ。
腹ごしらえを済ませ、我々はかまぼこ工房へと向かった。今回の一番の目的は「かまぼこ作り体験教室」への参加なのだ。
我々はかまぼこ作りを教えてくれる講師のお姉さんの指示に従い用意されたエプロンとキャップを装着してよく手を洗った。
工房はとても広く小学校の1クラス分は余裕で受けることができそうだ。もしかして他の受講生たちは小学生ばかりなのではないか⋯という不安がよぎった。
しかしそれは杞憂であった。この日の参加者は平日ということもあり、我々を入れて4名。しかもみんな大人であった。ほっとした。血気盛んなお子様たちに混じる気力はない。そして少人数だと心からホッとする。
私(妹)は学校の行事に参加するのが死ぬほど苦手で苦痛だったという子ども時代を過ごしたのである。
講座が始まった。テーブルには人数分のまな板、練る専用包丁、そしてよく練られて餅のようになった魚のすり身が用意されていた。
すでに練られてんじゃん! このまま食べても美味しいんじゃない? 我々はそう思った。しかしこのままではかまぼこにはならない。
すり身を極限まですりすり練り練りする。まな板が透けて見えるまですりすり練り練りするのだ。
いつまで練るの? うちら素人だし多少荒くてもいいよ! 多分それでも美味しいよ!
そんな甘えた態度は許さない。この工房に一歩足を踏み入れた者は立派なかまぼこを形成しなければならないのだ。
このようにして根気よく練られたすり身は、信じられないほどきめ細かく、なめらかになっていった。そしてお馴染みのかまぼこ板の登場だ。
講師のお姉さんは慣れた手つきで鮮やかに板にすり身をドッキングさせた。
すり身がかまぼこになる瞬間だ。うちら生徒たちもかまぼこ板と真剣に格闘した。
板にのせるだけではまだまだ完成とはいえない。さらに包丁を使って形を整えていく。目指すのはお店に並んでいるかまぼこ。おせちの中に鎮座するかまぼこ。あの半円の美しいフォルムだ。理想の形になるまで包丁でパテパテしていく。
完成した。ここまで来るともう誰がどう見てもかまぼこだ。そして今から時間をかけて蒸す。手間のかかるお嬢さんだ。
次はちくわを作ります!


