特集 2024年11月18日

書き出し小説大賞 285回秀作発表

規定部門・モチーフ『不条理』 つづき

点滴が当たる度に鶴が飛び落ちていく。今は大体、978羽鶴。
なかもりばなな
「本日6度目の入刀です」
なかもりばなな

真ん中の黒ひげが飛んだら負け?!

「おいくつですか?」「年齢とか持ってないですね」
もろみじょうゆ
何をしゃべっても口から血が出る。
いそうろう
土下座からの三点倒立。穴があったら入りたい僕はドリルになってブラジルを目指した。
寂寥

変形シーンが目に浮かぶ!

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ここは日帰り出張ホテル。
suzukishika
停めておいた気球がない。
早百合

不条理っていうかバカw

銅像たちの尻を見ながら弁当を食う。すべて偽物の尻。
maebarc

オープニングがすべて銅像の尻の「タモリ倶楽部」

マンションひねりは、大男の仕事である。
タマキン尿一郎

「マンションひねり」という言葉の破壊力……とペンネーム。

日影が伸びて私は縮む。
たこフェリー
私のライフスタイルに合わせた石抱きじゃなかったんですか?
白石ポピー
先生はね、いろんな出口から外の空気を吸ってみているんだよ。
井沢

こんなに返答に困る告白あります?

見たものすべてを肯定し続けた男は徐々に膨張していくと納得した途端に破裂した。
ビールおかわり
蜂蜜をかけられている。キーボードは既にベタベタだ。どうにかして報告書を作成しなければならない。
七世
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昨日は秋で今日は夏、明日は冬の寒さが来るという、スフィンクスのなぞなぞのような天気。
葱山紫蘇子
父は二面のボスになった。初めての中ボスからの出世だ。
prefab
肩甲骨が独立して、ケバブ屋をはじめた。
もんぜん

肩甲骨がクローネンバーグの映画みたいに剥がれるシーン、グロくていいです。

この本はお仕事小説ですが、途中4回の解雇を挟みます。ご了承ください。
もろみじょうゆ
おとうとがキモい。ミチミチに箱に詰まって、車輪で動く。よく段差でつまっているので蹴り飛ばす。
正夢の3人目
そのモグラには文才があった。そのマグロにはファッションセンスがあった。そのニンゲンの肉は極上の美味であった。
ぐるりん
俺の靴くらいはあるネズミに、きたねぇ歩道。一時停止という概念すら知らなさそうなタクシー、シャンパンのケースをフルスイングしてホストを殴る女。午前四時の歌舞伎町の空気はどこまでも淀んでいて、限りなく美味い。
あおすけ
「いい学びになりました」そう言い残し私の影は消え去った。
g-udon
悲鳴は拍手喝采に飲み込まれ、とうとう舞台上には歌声だけが残された。
早百合

締めにふさわしい不条理、ありがとうございます!

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次回モチーフ
『触感』

次回のテーマは『触感』。手触り、肌触り、触れた感じ、自分と世界を隔てる、もしくはつなげる感覚……触感は五感の中で最も原始的な感覚ではないでしょうか。それだけに恐ろしい、懐かしい、嬉しい、寂しい、あるいはエロい、さまざま感情をよりダイレクトに想起させてくれます。

読むだけで皮膚感覚に訴える、そこから記憶や感情を呼び起こす、触れるか言葉を募集します。締切は12月13日、発表は16日を予定しております。下記の投稿フォームから応募ください。力作待ってます!

最終選考通過者/今回はなし
 

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