特集 2024年1月15日

書き出し小説大賞 275回秀作発表

書き出し小説とは、書き出しだけで成立したきわめてミニマムな小説スタイルである。

書き出し小説大賞では、この新しい文学を広く世に普及させるべく、諸君からの作品を随時募集し、その秀作を紹介してゆく。(ロゴデザイン・外山真理子)

雑誌、ネットを中心にいろいろやってます。
著書に「バカドリル」「ブッチュくんオール百科」(タナカカツキ氏と共著)「味写入門」「こどもの発想」など。最近は演劇関係のお仕事もやってます。


前の記事:書き出し小説大賞 274回秀作発表

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遅ればせながらあけましておめでとうございます。
そして新年早々ですが、お知らせがあります。書き出し小説は今後、更新間隔をいまの月2回から、月1回に変更します。

DPZは今年より、主宰の林雄司さんが新設したデイリーポータルZ株式会社が運営することになりました。そうした体制変革を期に、スタッフの方々のご負担も鑑み、書き出し小説はもう少しのんびりしたペースでつづけることになりました。
気がつけば書き出しも10年以上の長期連載で、常連さんたちを中心とした句会のような連載になっていまし、これを機に(もちろん新しい作家さんも歓迎しながら)よりお互いが親密に感じてもらえるような「月イチの楽しみ」になれればと思っています。

更新曜日も次回より土曜日に変更になります。また回数が減ったぶん、更新日にはリモートによる交流会などが開催できたらなと考えています。今後の書き出し小説も何卒よろしくおねがいします。

それでは今回もめくるめく書き出しの世界へご招待しましょう!

書き出し自由部門

朝日に向かう僕の目はまぶしく息は白い。
ビールおかわり

冬のいつかの記憶が、ぶわっ!っと蘇る。

コタツで寝ている神様に雑煮を運ぶ。これが私の初詣。
いずも
セピア色のチラシに惹かれて、私はこのモデルハウスにやって来た。
もろみじょうゆ
枯れた花を捨てられないから、花を買えないんだよね。
まおん
いったん広告です
フリー素材の中で君はいつも笑っていた。
ぐるりん

素材モデルにはファッションモデルとは別の特殊な才能がある。

電線やビルのてっぺんを心で消して青空を広くした。
S.マウンテン
自分でコントロールできる涙とできない涙がある。わたしはできない涙が大嫌いだった。
もんぜん
小春日和の各駅停車は、まどろみを乗せて走る。
七世
誰よりも輝いてやがる貴方が私なんかに惚れた罪で、死刑です。
さくさく
アメリカンドッグの根元が好き。歯の裏にある棘が好き。
信号待ち

アメリカンドッグに限らず、端っこのカリカリって何故かそそる。

いったん広告です
とろろ昆布は身を沈め、味噌汁は一つの有機体へ変貌した。
カズタカ
絆創膏の下が『向こう側』への通路になっていることを、ぼくだけが知っている。
たごさく
嘘だ。舌が光ってる。
みよおぶ
カウンセリングを受けている俺が一番輝いている。
いそうろう
罵りあったあとの抱擁がたまらなく好き。
人馬一体勘
導きたいとも、導かれたいとも思わない。ただそこにいて、いなくなりたい。
おの

神は死なずにただ消えた。

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つづいては規定部門。今年一発目のお題は新年恒例の『バカ』でした。今年もなるべくたくさん笑って過ごせますように。

書き出し規定部門・モチーフ『バカ』

蟻を追って迷子になり、ちょうちょを追って自宅に着いた。
ぴすとる

バカによる『行きて帰りし物語』

元気よく返事しろとはいったが説教の最中だぞ、今は。
八王寺義昭
影を追いかけて国境を越えた。
節度亜図夢
噛みかけのガムを吐き出し、舐めかけの飴と交換した。
ぴすとる

⏩ 背泳ぎってどうしても寝ちゃうよな!

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