特集 2023年7月30日

書き出し小説大賞 265回秀作発表

書き出し小説とは、書き出しだけで成立したきわめてミニマムな小説スタイルである。

書き出し小説大賞では、この新しい文学を広く世に普及させるべく、諸君からの作品を随時募集し、その秀作を紹介してゆく。(ロゴデザイン・外山真理子)

雑誌、ネットを中心にいろいろやってます。
著書に「バカドリル」「ブッチュくんオール百科」(タナカカツキ氏と共著)「味写入門」「こどもの発想」など。最近は演劇関係のお仕事もやってます。


前の記事:書き出し小説大賞 264回秀作発表

> 個人サイト バカドリルHP 天久聖一ツイッター

宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」を観てきました!告白しますが僕にとって宮崎監督は作家の頂点なので、賛否は認めながらも監督が最後にこんなにも自由で、肯定とやさしさに満ちた作品を残してくれたことに感動しました。俺は泣けたな!
それでは今週もめくるめ書き出しの世界へご招待しましょう!

書き出し自由部門

夏の空き缶は、熱い。
タカタカコッタ

ポスターにして全駅に貼りたい!

人魚のメガネは、夕立を弾いていた。
タカタカコッタ
「いないよ、好きな人なんて」君から目を背けたとたん、ひぐらしが一斉に鳴きだした。
S.マウンテン

上司に叱られてる最中ためしたい妄想。

徹夜明けの薄暗い部屋で、高校球児が駆け回る。
私の体に覆われたブルーシート。夏の晴れた日の空を思う。
なかもりばなな
市役所から自らの戸籍のデータを消し去り、天才マジシャンは失踪した。
さくさく
こっちがお義母さんと会う時の心臓。
いずも
いったん広告です
即身仏は夕立を吸い、稲妻を浴びた。
ろっさん

すげえかっこいい(笑)キカイダー01の登場を思わせる。

天狗と山伏。秘境の午後三時。
寂寥
いまは夏。だからこれは夏の牛丼。
たこフェリー

酷暑が生んだ秀作。

女は腹を空かせていた。
古時計
何となく神聖なものとして雨の朝のコーヒーがある。
みよおぶ
ひと蹴りで、石ころは砂利道へ還った。
Yagio

シンプルな光景が個人と集団の比喩にもとれて渋く極まった一作。

つづいては規定部門。今回のテーマは『ジブリ』でした。「君たちはどう生きるか」に対する回答が集まりました!

規定部門モチーフ『ジブリ』

ほろ酔いで、ネコバスを待っている。
人馬一体勘

ジブリ中年の正しき姿。

金曜日、21時から始まる夏休み。
あゆかとの
「君たちはどう生きるか」判決の前に裁判長は切り出した。
吉田髑髏
「黙れ小僧!」が独り歩きしている。
節度亜図夢
女子の「ジブリっぽいね」は、大抵そうでもない。
わらび餅
「ジブリみたい」と言いかけて止めた。
井沢

わらび餅さんと井沢さんの作品がが偶然コラボみたいになった。

⏩ 規定部門『ジブリ』まだ続きます

▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ