

書き出し小説とは、書き出しだけで成立したきわめてミニマムな小説スタイルである。
書き出し小説大賞では、この新しい文学を広く世に普及させるべく、諸君からの作品を随時募集し、その秀作を紹介してゆく。(ロゴデザイン・外山真理子)
著書に「バカドリル」「ブッチュくんオール百科」(タナカカツキ氏と共著)「味写入門」「こどもの発想」など。最近は演劇関係のお仕事もやってます。
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ときには思わぬことが起こり、心がざわついて落ち着かない日もあります。ちゃんと本を読む集中力もでない日は、書き出しだけでもいかかですか?
書き出し自由部門
天候における句読点的な役割。
すごいビジュアルセンス。CGで見たい。
固唾を呑んで見守りたい。
そのまま絵本になりそうなかわいい話。
頸ヘル軍団は執念深い。
新潮文庫プラス1
すでに魔女感。
つづいては規定部門。今回のモチーフはスピッツの名曲『ロビンソン』でした。試みとしてのトリビュート書き出し。ぜひロビンソンを聴きながらお読み下さい。
書き出し規定部門・モチーフ『ロビンソン』
違うなら、枝雀の落語でもいいです!
恋人同士もいいけど、彼女のいない友達同士で聴く方のも沁みるかもしれない。
スピッツを聴いてる間だけは、こういう人になれてる気がする。
ヘタな吹奏楽って青春のBGMだよね。ウチの高校ではよくテンポの遅い「タッチ」が流れていました。
このときの店員と「サビのキーに挑んだ」二人のその後を知りたい。
知りたくなかった名曲の裏側。
最後まで「美味しんぼ」が出てこなかったようにね。
トリビュート書き出し、ひと通り応募作を読んで感じたのは、その歌の表象的なイメージに重ねすぎると凡庸なPVのようになってしまうし、ネタっぽく扱うとせっかくの名曲がもったいない気がしました。もちろんどっちの方向性も一定の閾値を超えるアイデアや描写力があれば成立するとは思います。
採用作にはちゃんと歌を聞き込んだ痕跡や、そうして沁みだした個人の記憶に音楽を添わせるという「次の一手」があった気がします。歌に負けないエモさに関してはまだ足りない部分もありましたが、まだ伸びしろを感じる部分もあったので、次はぜひキリンジの『エイリアンズ』でやってみたいです!
それでは次回のお題を発表します。
『怪談 2022』
次回は毎年恒例の書き出し怪談です。書き出しだけで恐いホラーを送って下さい。締め切りは7月29日、発表は30日です。下記の投稿フォームからご応募下さい。力作待ってます!
最終選考通過者
益田don't know サイレース
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