
書き出し小説大賞第230回秀作発表

書き出し小説とは、書き出しだけで成立したきわめてミニマムな小説スタイルである。
書き出し小説大賞では、この新しい文学を広く世に普及させるべく、諸君からの作品を随時募集し、その秀作を紹介してゆく。(ロゴデザイン・外山真理子)
著書に「バカドリル」「ブッチュくんオール百科」(タナカカツキ氏と共著)「味写入門」「こどもの発想」など。最近は演劇関係のお仕事もやってます。
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先日の節分で恵方巻きを食べた。いまやすっかり定番になった風習だけど、自分はまだどこかでこれは異常に手の込んだドッキリではないかと疑っている。恵方巻きは丸っきり嘘。ただ誰かが面白がって広めただけではないか。来年あたりその「誰か」がプラカードを持って現れそうな気がする。
それでは今回もめくるめく書き出しの世界へご案内しましょう!
書き出し自由部門
『ビリギャル』的な売れ方をして映画化もされそう。
哀し可愛い、凡人。
放送室って実は保健室を上回るエロみがある気がする。
赤ちゃんの肋骨も、歯の穴からアリも生理的に訴える。
一見静かな光景がいきなり濃密になった。
雑な前半からにやりとする後半。リズムがいい。読後感もいい。
つづいては規定部門。今回のテーマは「鬼」でした。あなたの鬼感が変わる25本を一気にどうぞ”!
書き出し規定部門・モチーフ『鬼』
いままで意識することのなかった「鬼社会」がぱっと広がる書き出し。
「来年の話をすると~」ネタを一番スマートに料理してくれました。
でしょうけど!
笑顔でカネを押しつけてくるって、借金取りの10倍怖いと思う。
「あ、なるほど!」と思ってしまうのはなぜだろう?
スマホに入れた曲が金棒で聴ける!
「ぐおおおおお!」って言いそう。
それでは次回のお題を発表します。
『二人称』
言うまでもなく一人称は「私は~」に代表される自分発信の文章、三人称は「彼は、彼女は~」という客観的な文章、そして二人称は「あなたは~」というような相手を直接指す文章です。文体としては非常に珍しい二人称ですが、誰もがSNSでつながった現代、目の前にいない相手を表し、語りかける二人称はけっこう有効な手段かもしれません。
二人称のお題は、実はずいぶん前に一度やってそのときもとても面白い作品が集まりました。今回はどんな作品が集まるか楽しみです。
締め切りは2月25日金曜正午、発表は2月27日を予定しています。下記の投稿フォームからご応募ください。力作待ってます!
最終選考通過者
みよおぶ 鮫井 おむすび降臨すっとんとん ぜんこうばし もろみじょうゆ ろっさん 新名 眉村恥目
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