

書き出し小説とは、書き出しだけで成立したきわめてミニマムな小説スタイルである。
書き出し小説大賞では、この新しい文学を広く世に普及させるべく、諸君からの作品を随時募集し、その秀作を紹介してゆく。(ロゴデザイン・外山真理子)
著書に「バカドリル」「ブッチュくんオール百科」(タナカカツキ氏と共著)「味写入門」「こどもの発想」など。最近は演劇関係のお仕事もやってます。
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こんなに外は夏なのに、夏らしいことがほとんどできない夏。
国際的運動会、たしかに選手にはがんばって欲しいけど、ほんとにいろいろありすぎて……せめて涼しい部屋で、ひとときの現実逃避をお楽しみください。それでは今回もめくるめく書き出しの世界へご招待しましょう!
書き出し自由部門
思いっきり夏を感じさせる秀作。全然関係ないけど昔、石原良純がテレビで「理想のタイプは入道雲みたいな女性」と言っていて「??」ってなったことを思い出しました。
小5の夏休み、はじめてチャリンコで県をまたいだ景色をなぜか鮮明に覚えている。
あっさりした文体に、これがはじめてじゃない気配もある。親が転勤族なのかな。いろんな心情が読み取れる秀作。
地平線まで伸びる半分に割った竹
手の中に収まるタイプのツボ押し棒で。
原型だけを取り出すとシンデレラと同じ話。
記憶に刻まれる味ってこういうものかもしれない。
過払い年貢?
自由部門は毎回、その季節を反映した作品が多く寄せられます。今回はとくに照りつける太陽、青空、気怠い昼下がり、を連想させる秀作が多かったようです。
続いては規定部門。今回のテーマは夏の恒例、書き出し怪談です!書き出しだけで鳥肌の立つ、瞬間冷凍の恐怖をお楽しみ下さい。
規定部門・モチーフ『怪談』
もう怖い(笑)
生理的な怖さ。
怪談という前提があると、むしろなんでもない文章の方が怖ろしく感じるという好例。
まるでゴッホが見た夜空のような狂気を感じる。
柔突起、久しぶりに聞きました。グロくて好き。
腹が呻くように鳴った。
白組が数え終えた後も、まだ紅組は数えている。
除菌もジョキン!で終了。
すっぴんの中条あやみであって欲しい。
それでは次回のお題を発表します。
『サウナ』
もはやブームというより、すっかり定番になったサウナ。「整う」などお馴染みのフレーズも生まれました。暑苦しいこの季節、さらに汗をかいてストレス発散といきましょう。締め切りは8月6日、発表は8月8日を予定しています。下記の投稿フォームよりお送り下さい。力作待ってます!
最終選考通過者
ベル/のと/ 一色凛/こんどう巨神兵/たらはかに/たこフェリー/ ぐるりん/吉田髑髏/モリダイ/はいよ/熱帯魚でっかいよ/坂上田村麻呂の従兄弟/眞栄団子うどん/にかしど/野焼き/はいよ/若葉猫
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