特集 2021年3月28日

書き出し小説大賞第210回秀作発表

書き出し小説とは、書き出しだけで成立したきわめてミニマムな小説スタイルである。

書き出し小説大賞では、この新しい文学を広く世に普及させるべく、諸君からの作品を随時募集し、その秀作を紹介してゆく。(ロゴデザイン・外山真理子)

雑誌、ネットを中心にいろいろやってます。
著書に「バカドリル」「ブッチュくんオール百科」(タナカカツキ氏と共著)「味写入門」「こどもの発想」など。最近は演劇関係のお仕事もやってます。


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桜が咲いてます。今年も黙読のようなお花見です。それでは今週もめくるめく書き出しの世界へご案内しましょう。

書き出し自由部門

散々泣き散らした後、涙は勝手に乾いた。
タカタカコッタ

乾いた涙で肌はつっぱった。

会えない三度目の待ち合わせ。
人馬一体勘
足の速い男子に惚れつづけて、ことしで三十五年となる。
さくさく

こういうヒロインのモノローグではじまるドラマ、確実にありそう。

僕は仰向けになって、広辞苑を開く。
あんぐろいど
連写の後、思い出は、スローモーションになる。
ブーゲンビリア
ポトフの材料は春です。
伊勢崎おかめ

シモネタではないおかめちゃん。

最後の猫があくびをするまで、やさしい世界はつづくのだ。
坂上田村麻呂の従兄弟
ちょっと擬態し過ぎたかも。
ろっさん

だね(笑)

もう会えない犬の頭を撫でた。
午前0時
おばあちゃんは、足の裏で笑ってみせた。
昼行灯
この、ナポリタンとしか言えない味を、僕はこれから何年も思い出すのだろう。
七世
またがった箒が浮かない。〆の雑炊のせいだ。
terayo
お好み焼きのコテを持って魔法少女はやってきた。
井沢
「浮いたところから失礼します」仙人は説法を始めた。
ビールおかわり
NHKの受信料をいま書いた詩で払う。
野焼き

受取人のサインみたいに書いた詩。

いったん広告です

書き出し規定部門。モチーフ「日本史」

今日は乱よりの変だった。
インターネットウミウシ

変以上乱未満。

また隋に遣わされた。
妹子は男
「もう寝る?」と中大兄皇子。「もう寝る」と中臣鎌足。
ベランダ

もっと改新の話したのに……

宇宙から飛来した平城京が、奈良の空を覆い尽くす。
東ことり

インデペンデンス・デイ的な。

一度に話され思わず語気を強めた。
ブーゲンビリア
平らな道に差しかかると将門はいつもニヤリとした。
もんぜん
お隣のお父さん、来月から防人ですって。
八王寺義昭

防人あるある早く言いたい!

親方様の草履、レンジで1分30秒。
タクタクさん
ルイス・フロイスと猫。蘭丸の長い睫毛。
寂寥

ルイス・フロイス~織田信長とも会見した戦国時代の宣教師だそうです。

あついけれども、まだ舞える。
けー
利休は驚くとき「わび!」と言う。
もんぜん

わびくね?

わたしは綱吉に生類として抱かれた。
コロネ伊凛子
伊能忠敬の歩幅には1ミリの狂いもない。
節度亜図夢
#ぼっち #池 #古池好きさんと繋がりたい
紅井りんご
キリストの踏み絵に足を置くと電流が流れた。
伊勢崎おかめ
自分の名前に「ガラシャ」を入れてみる。
モリダイ
乱を起こすまでの大塩平八郎が好きだ。
いそうろう
この黒船がプライベートに見えますか?
ブーゲンビリア

逆の立場で考えてみ?

板垣のことは嫌いになっても、自由のことは嫌いにならないでください!
モンゴノグノム

 それでは次回のモチーフを発表します。

それでは次回のモチーフを発表します!

次回モチーフ
『分かりづらい嘘』

次回はエイプリルフールを挟むということでお題を「嘘」にしてみました。ただし一聞しただけでは嘘が本当か分からない、分かりづらい嘘。オリジナルの都市伝説や迷信といったところでしょうか。なんの科学的根拠もない「本当のような嘘」を捏造してください。
締め切りは4月9日、発表は4月10日を予定しています。下記の投稿フォームより部門を選んで応募下さい。力作待ってます!

最終選考通過者

七寒六温 六井象 JING, 坂上田村麻呂の従兄弟 十和十和 高田 りずむ原きざむ 怪童 モリダイ 白波レッコ 嫌なkey愛子 吉田髑髏 prefab にかしど

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