

書き出し小説とは、書き出しだけで成立したきわめてミニマムな小説スタイルである。
書き出し小説大賞では、この新しい文学を広く世に普及させるべく、諸君からの作品を随時募集し、その秀作を紹介してゆく。(ロゴデザイン・外山真理子)
著書に「バカドリル」「ブッチュくんオール百科」(タナカカツキ氏と共著)「味写入門」「こどもの発想」など。最近は演劇関係のお仕事もやってます。
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キンキンに冷えたコンビニから外に出るたびに、こんな絶望的な暑さを体験できるのは、コンビニのある現代社会に生まれたおかげという、歪んだ感謝の念を抱いてます。
それでは今回もめくるめく書き出しの世界へご案内しましょう!
書き出し自由部門
山下敦弘監督の『リンダ・リンダ・リンダ』を思い出した。数年に一度観たくなる名作。
「猫設定」ほかの機能もいろいろ考えたい
いい比喩。ガジュマル知ってる人なら、しっかり想像できるはず。
ゴッホのタッチで想像した。
草ボーボーですって!
個人的には罵倒8、尊敬2くらいのプレイのがいい。
自由部門は夏らしい作品が集まった。もんぜん氏の「猫の温度~」がいい。設定方法はスマート家電っぽく、猫に直接呼びかける感じだろうか。terayo氏の「扇状地!~」も暑過ぎてなにも考えられなかったのかな? と思えば夏らしい作品。それにしてもピンポイントの単語を選んでくるなあ~(笑)
続いては規定部門。今回のテーマは『怪談』であった。書き出しだけでゾクっとできる、急速冷凍のホラーをどうぞ。
書き出し規定部門・モチーフ『怪談』
心霊モードに入れたままでは?
新入生はまだ内臓が透ける程度。
迷惑なクレーマー客を、機知に富んだ言葉で追い返した霊の話?
七不思議を織り込んだ校歌も人気。
カリスマネイリストだった祖母が……
どうリアクションしていいか分からない恐怖。
妖怪「ハモり童」の仕業。
書き出し怪談はもう何度もやってるが、相変わらず質は落ちない。紀野珍氏の作品が示唆するように現代ホラーにスマホは欠かせない、というよりスマホ自体がホラーだ。手に負えない「便利」が無限に広がるイメージは恐怖以外なにものでもない。さくさく氏は四本採用の爆発回!フルカワ氏の「彼の怪談にはビタミンEが足りてない」がバカで好き。元気をもらえる怪談があってもいいと思う。
それでは次回のモチーフを発表する。
フェティシズム
次回のテーマはフェティシズム。ある特定の対象や状態に執着する性癖のことで、いわゆる○○フェチと呼ばれるものである。足フェチとか脇フェチとか分かりやすいものから、風船に興奮を覚えるバルーンフェチ、食べ物を踏みつぶすことに快感を覚えるクラッシュフェチなんていうのもあるらしい。
ともあれ何に快感を覚えるかは人それぞれ、フェチにはまだまだ多様で深い世界があるのではないだろうか。是非オリジナリティにあふれた、あなただけのフェチを提示して欲しい。
締め切りは8月30日。発表は9月1日を予定しています。下記の投稿フォームから部門を選んで送ってください。力作待ってます!
最終選考通過者
ボンショ/江戸ガットン/せっき/はらけん/ぐぬぬぬぬ/いそかぜ/ろっさん/にら将軍ハルナ/ともやぴ/
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