
書き出し小説大賞173回秀作発表

書き出し小説とは、書き出しだけで成立したきわめてミニマムな小説スタイルである。
書き出し小説大賞では、この新しい文学を広く世に普及させるべく、諸君からの作品を随時募集し、その秀作を紹介してゆく。(ロゴデザイン・外山真理子)
著書に「バカドリル」「ブッチュくんオール百科」(タナカカツキ氏と共著)「味写入門」「こどもの発想」など。最近は演劇関係のお仕事もやってます。
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『NHKから国民を守る会』をはじめとするワンイシュー政党が話題になっている。私がつくるなら『国民から外来種を守る会』にしたい。勝手に輸入しておいて繁殖したからって駆除って、ひどくないですか?……それでは今回もめくるめく書き出しの世界へご案内しましょう!
書き出し自由部門
フォーク一本で麺全部持ち上がるほどに。
小学生高学年くらいのときめきが、上手く表現されている。
「孤独のグルメ」の映画版はこういう始まり方であって欲しい。
冴えた映像描写はそれだけで物語になる。
言葉の選択と配置。この様式だけでひとつのジャンルができそう。
プロチンパンジーw
いまさらだが書き出し小説には、物語のつづきを想像させる書き出しと、その一文だけで完結するミニマム系の書き出しがある。今回のたこフェリー氏や、しきさい感覚氏のような作品も言葉のオブジェのようで楽しい。これからもチャレンジングな文体を拾っていきたい。
つづいては規定部門。今回のモチーフは『ユニクロ』であった。一般的なユニクロのイメージを鋭く突いたり、逆手に取ったり、深読みすれば日本人全体の国民性につながるような、笑える秀作が多かった。
書き出し規定部門・モチーフ『ユニクロ』
胸には『YOSOIKI』のロゴが。
客と店員の見分けがつかないユニクロあるある。
河原にいるのがユニクロ。日陰にいるのが無印。
じゃあ、まとめ買いだな。
容疑者絞れないw
着る非常食。
それでは次回のモチーフを発表する。
怪談
今年は夏のお約束企画『怪談』を募集する。冒頭だけで鳥肌が立つような不気味な書き出し、不穏な書き出しをよろしくお願いします。もちろん笑えるネタものでも可。締め切りは8月16日発表は8月18日を予定しています。下記の投稿フォームで部門を選んで送って下さい。力作待ってます!
最終選考通過者
氷音/ウチボリ/トミ子/オメガ/山田のような何か/狸寝入りジロウ/ぴすとる/ため息練習帳/ともやぴ/
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