特集 2024年8月15日

カボチャの茎はフキ、葉っぱは紙やすりに似ていて、ついでにアレチウリもうまい

カボチャの茎はフキのようだった

カボチャの葉っぱの硬さに懲りず、その葉についていた茎を食べてみる。

こちらも葉に負けずトゲトゲしていたが、意外と筋(皮)が剥きやすく、ちょっとの手間でスベスベお肌になってくれた。

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食べられることを強く拒否している茎の表面。
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でもスーッと筋がとれるんですよ。
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失敗するとペロンとなってしまうけど。中は空洞になっている。
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筋取り、楽しかった。

この姿を見て誰もがそう思うように、まるでフキっぽいなと醤油味の出汁で煮てみところ、食感も見た目もほぼほぼフキの煮物になってしまった。食べてみるとフキ独特の苦みこそないものの、言われなければ細めのフキだと思うだろう。シャクシャクして大変おいしい。

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フキを煮ているようにしか見えない。

 

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カボチャの茎を炊いたん。見た目も食感もフキそっくり。苦味がない分、万人受けするかもしれない

もし殿様に仕えていて、この暑い時期にフキを所望されたとしても、そっとカボチャの茎を出せばセーフだなと思った。

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新芽と同じように葉と茎を炒めてみた。
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筋をとった茎は問題なくうまい。葉っぱは硬さが少し気になるが、この食べにくさがいいんだよなと思うようになってきた。おすすめはしないけど。

アレチウリも食べられるのでは

カボチャの新芽や茎がおいしく食べられることがわかった。でもあまり食べ過ぎるとカボチャの実が育たなくなるというジレンマ。

ならば近所の川原で繁殖しまくっているアレチウリという外来植物を食べればいいのでは。

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春が終わるとカラシナと入れ替わりでアレチウリだらけになる。

アレチウリは特定外来生物なので生きたままの移動はご法度だが、摘んで食べる分には問題ないだろう。どちらかといえば駆除活動だ(ちょっと食べる程度では焼け石に水もいいとこなのはわかっているが)。

これまで活用されなかったのは、その実が食用には大変不向きなだけであり、毒があるからという訳ではない。もし新芽などがおいしければ、東京湾のホンビノス貝のように食材として出回るようになるかもしれない。

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秋になるとこんなトゲトゲしまくっている実ができる。これはさすがに食べられない。
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でも夏なら柔らかい新芽が摘み放題。
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摘んでも摘んでもなくならない。天国なのか地獄なのか。これがおいしかったら革命的なのだが。

なんとアレチウリも食べられた

よく洗って炒めた新芽は、ザクザクした歯ごたえがとてもよく、拍子抜けするほど癖もなく、ちゃんとおいしかった。

カボチャの新芽ほど太くないのでボリューム感はないけれど、摘み放題でこれだけうまいのなら文句はない。いや川原を覆ってしまう特定外来生物なので文句はいろいろあるのだが、それはまた別の話である。

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これがタイとか台湾の料理店にあったら喜んで注文する。

せっかくなので、アレチウリの葉と茎も試してみた。

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カボチャよりも二回り小さい。

葉っぱはカボチャよりも少し柔らかく、がんばれば食べられる和紙という感じだった。味は同じくほとんどない。

ザリザリしまくるカボチャの葉に比べれば食べやすいし、このサイズだからこそ一口で食べられる。無理に食べなくてもいいけれど、包むことがすごく好きなら試してみるのもいいだろう。

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食感が強い方がいいかなとイカのワタ炒めを巻いてみた。
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ゲソの吸盤に強い歯ごたえがあるので、葉の硬さがそんなに気にならない(異論は認める)。

そして茎は細すぎて筋取りが面倒くさかった。でも風味が不思議とフキに近く、フキノトウのすぐ後に収穫をした柔らかいフキとそっくり。

商品としては流通しないだろうけれど、だからこそ自分で採取して食べるだけの魅力はあると思う。

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こんなに柔らかい筋ならわざわざとらなくてもいいような気もする。
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100人いたら99人はフキだと思うはず。残り1人はフキを知らない人だ。

カボチャの新芽がおいしいと知った結果、まさかアレチウリまで食べることになるなんて。そしてそれを自分が気に入るとは驚いた。ここからもっと展開させて、トルコ料理などで使うブドウの葉の代用にしてもおもしろそうだ。

我ら埼玉県民が食べるべき「そこら辺の草」は、このアレチウリなのかもしれない。

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