思い出と共に
私はイラついたり落ち込んだりすると、気分転換に自転車に乗ります。気持ちが乗るので、それも思い入れの強さに関係しているのかもしれません。
ちなみに余談になりますが、夫から譲り受ける際に自転車防犯登録の住所変更などをしたところ、県によって自転車の所有者の定義や(本人しか申請できない・同居人なら申請できる。など)、登録期限などルールが違うので注意すべき点でした。
よくわからなかったので各県の管轄課に電話したら、丁寧に教えてくれたので電話して聞くのが1番だな!と思いました。
つい先日、7年ほど乗っていた自転車を買い替えました。
自転車の買い替えは私にとって大きなイベントです。『自転車お別れセレモニー』をしました。
自転車を乗り換えるときや、人に譲るときに私がやる式典です。
自転車の買い替えは人生における大きなイベントだと私は考えています。「今まで乗せてくれてありがとう」という気持ちでセレモニーをします。
セレモニーは以下の通り。
①から③が前日まで、順不同。④と⑤はセレモニー最終日にやります。
①自転車で行ったところを回る
②自転車にまつわる思い出を語る(1人の場合は思い出す)
③自転車の写真を撮る
④本体と鍵を引き取ってもらう(引き取ってもらえるなら)
⑤新しい自転車を迎える
今回、自転車の買い替えは電子決済アプリpaypayのキャンペーン(超paypay祭)に合わせて11月15日に決めました。
買い替え日が決まったので、15日に向けて①から③をこなしていきます。
今回のスケジュールはこんな感じ。セレモニーは11月4日から始まり、あいだをあけながら15日まで開催しました。
今回は購入ですが、人に譲る場合は、渡す日までにセレモニーをすましておきます。
今回のセレモニーの様子と共に詳しく説明するよ!
手放す自転車はママチャリなので、7年乗っていたけどあまり遠出はしませんでした。家を中心に半径5キロメートルを走っていただけです。セレモニーではその道のりをたどるように、買い物のついでによく行った駅やお店を回ります。
実はこの時点では写真を撮ってはいけません。記事に使う写真は自転車を手放したあとに撮ってきました。なぜなら買い換えを自転車に察知されてはいけないからです。
2年ほど前からギアの調子が悪く、しかし「買い替えよう」と思うたびにギアの調子が戻るので、今回は自転車に黙ってのお別れライドにしました。自転車にしては人間味があってかわいいですね。
今回買い換える自転車は、夫から譲り受けた自転車です。
私は入籍と共に夫の転勤についていき、夫は自転車通勤から車通勤に変わったので、夫が乗らなくなった自転車を貰いました。
セレモニーでは、夫と自転車の思い出話をします。
夕飯時、ご飯を食べながら思い出話をしました。
色々な思い出が出てきましたが、今回は一つずつ紹介します。
夫:購入は大学1年生のときかな。マウンテンバイクにハマってて、マウンテンバイクとは別に普段用として使えて、なおかつ技も繰り出せそうだったから買った。3、4万くらいしたかな。車体の軽さにこだわったんだ。
俺の得意技はジャックナイフ(自転車の後輪をあげて前輪のみでバランスをとる技)。スタンディング(自転車に乗った状態でその場で停止し続ける技)も得意だよ。
自転車を手放す前に、スタンディングを見せてもらいました。綺麗にピタッと止まっていました。(ジャックナイフは防具がないので危ないとのこと)長い付き合いになるのに、夫にそんな特技があるとは知らなかったので語り合ってよかったです。
私:駅やスーパーに自転車で行ったのに忘れて歩いて帰っちゃって、迎えに行くことが結構あって。
夫:笑
私:家の駐輪所に自転車が無くて焦るんだけど、「あ、自転車で行ったんだった」て思い出すんだよ。迎えに行ったときになんかジーンとするんだよな。自分でやったくせに。ああ、いたいた。って。
夫:笑
自転車の思い出は今まで他人と共有することがなく、1人で思い出すものだったので、初めて人に話してみるのは楽しかったです。
自転車は、夫と私が共に7年ずつ乗ったので14年乗ったのでした。
思い出のためでもあるのですが、あとで防犯登録番号や車体番号が必要になる場合があるかも?と写真を撮ります。
一緒に撮ると切なくなるので、毎回一緒に撮れません。
私がこれほどまでに自転車に思い入れる理由を話します。
これまで乗ってきた自転車は、大体盗まれて終わっていました。突然のお別れです。学生時代、3台自転車を盗まれました。内、1台は見つかりました。クラスメイトが見つけて教えてくれましたが、「どうしたの?」と心配するくらいボロボロの状態で見つかり、泣く泣く廃棄したのです。
さらに社会人になり一人暮らしをするときは、どうせ盗まれるから。と考えて家にあったボロボロの自転車をもらいました。半年乗ったところでついに盗まれ、「やっぱり自転車って盗まれるもんなんだな」と思っていたら、1週間後に警察から不法投棄疑いで電話が来ました。
「すみません、盗まれたんです」と言うと、「早めに盗難届けを出してくださいね」と言われました。
返ってきた自転車もありますが、4台盗まれたので、自転車と傘は盗まれるもの。という認識で生きてきました。盗まれないで役割を終えたのは今回で3台目。そのうち2台は自分の転勤の都合で母に譲りました。
帰省するたび母仕様(荷台やハンドカバーがついたり)になっていく自転車を見て「役に立っているんだな!」と嬉しい気持ちになります。
盗まれないようにと二重鍵+チェーンをつけたり、帰宅時に「よかった。今日も盗まれてない」と毎回思ったりするうちに、思い入れがすごい入ってしまいます。
以上、思い入れの話でした。
しかし、DPZの企画会議でこの話をしたところ「ふつう自転車はそんなに盗まれない」ということを知り、私は驚きました。
次は当日にやることです。
ついに自転車買い替え日の11月15日です。
新しい自転車はホームセンターで購入することにしました。1台買うと1台引き取ってもらえたり、壊れても保証期間内なら無料で修理してくれるそうです。ホームセンターすごい。
自転車担当の人を呼び、欲しい自転車を伝え、新しい自転車の防犯登録を作成してもらいます。
防犯登録届に記入していたら、「引き取る自転車はありますか?」と店員さんが聞いてきました。ありますよ。
そのあと、自転車と鍵をサービスカウンターで引きとってもらいました。ホームセンターは最近改装され、店内が綺麗です。私の自転車の汚さが店内でとても目立ったのが印象的でした。
古い自転車を引き渡して30分後、新しい自転車を渡されます。サービスカウンターに、かつての私の自転車はありませんでした。仕事が早いホームセンターだ。
新しい自転車は、半年ほど探しまわり、やっと見つけたお気に入りの自転車です。
今ではすっかり私の良き相棒になっております。
以上、私のお別れセレモニーを見ていただきました。ここまでするくらい思い入れがあるのは自転車だけです。
例えば、新居に引っ越す場合は「新しい家」の方がわくわくします。早く引き渡し日来ないかな〜。と待ち遠しくなります。
「そんなに思い入れがあるということは、名前はつけているのか?」と質問されましたが、答えは「ない」です。
引き渡した今、さかのぼって名前をつけようとしたら、それはそれで悲しくなったのでつけていません。新しい自転車も名前をつけない方向でいきます。
私はイラついたり落ち込んだりすると、気分転換に自転車に乗ります。気持ちが乗るので、それも思い入れの強さに関係しているのかもしれません。
ちなみに余談になりますが、夫から譲り受ける際に自転車防犯登録の住所変更などをしたところ、県によって自転車の所有者の定義や(本人しか申請できない・同居人なら申請できる。など)、登録期限などルールが違うので注意すべき点でした。
よくわからなかったので各県の管轄課に電話したら、丁寧に教えてくれたので電話して聞くのが1番だな!と思いました。
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