特集 2026年4月28日

1年のうち牡丹祭の間だけしか営業しない埼玉の茶屋で飲む

東松山やきとりが食べられる茶屋だった

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大好きな雰囲気
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メニューはこんな感じ
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屋台系メシが魅力的
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「自家製にんにく七味」も気になる

最大の特徴は、冒頭に紹介した街の名物「やきとり」が「かしら串」という名前で提供されていることでしょう。「生ビール」(税込700円)と1本200円の串を2本お願いし、まずは外席でいただきます。

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ド晴天生ビール

この完璧なシチュエーションでキンキンの生ビールをごくりとやれば、全てが報われてしまってすでに最高の気分。

しばし炭火の煙を景気良く噴出する焼き台を眺めながら待っていると、やきとりも到着です。

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もっくもく
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「かしら串」

おぉ、間にねぎは挟まっていないものの(ねぎありが基本スタイル)、辛みそがたっぷりと塗られた、由緒正しき東松山やきとりだ。野外でこんなふうに食べられる店はかなり希少(もしかしたらここだけ)なのでは!?

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いただきます!

さっそく熱々にかぶりつくと、これが絶品!

実は東松山取材には10年ほど前にも一度来たことがあり、冒頭の取材と合わせて何店舗かで食べ歩き、お店の人にお話を聞かせてもらったりした経験から、なんとなくわかってきたことがあります。

それは、ひと口に豚のカシラ肉と言っても、コメカミからほほ肉にかけては部位ごとに特徴があり、それらをていねいに下処理し、肉っぽい部分と脂身っぽい部分を交互にバランスよく串に刺すことによって、ぷりぷりかつジューシーな串になる。それこそが東松山やきとりのアイデンティティであるということ。そこに炭火の香ばしさと、みその爽やかな辛さが加わり、これは間違いなく、正真正銘正統派の東松山やきとり!

などと、素人が生意気なことを言っておりますが。

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とにかく幸せ……
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店内もたまらない味わい

お店のシステムは、店頭で好きなものを注文して受け取り、あとは外のテーブルやベンチでも、店内でも、空いている席を自由に使っていいというもの。やきとりとビールを平らげたら、今度は「ソース焼きそば」(500円)と「チューハイレモン」(500円)をお願いし、せっかくだから店内でも飲んでみましょう。

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おじゃまします

外観から想像していた以上に、なかは広々。実際に使われてはいなさそうですが、大きないろりがいくつかあって、その周囲にたくさんの座席があります。

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いろり茶屋だもんね
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雰囲気抜群

さらに奥には、宴会に良さそうな座敷席まであり。

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親戚の家だ

食べ終わったゴミ類は自分で返却口まで持っていくのですが、几帳面に細分化されたそのコーナーと、そこにきっちり分別されたゴミたちを見て、東松山の人たちの行儀の良さに感動したり。

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もはやゴミに見えないくらい
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どこを見てもつくづく
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いいなぁ〜
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では焼きそばいただきます

シュワっと冷たいチューハイのおつまみに、パック焼きそば。これまた茶屋の醍醐味です。

そばがかなりの太麺で、優しく甘めの味わいのソースがよく絡み、具もたっぷりで文句なく美味しい。

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わしわし麺の食感がいい

途中からここに、さっき一緒に買っておいた「自家製にんにく七味」(450円)もかけてみましょう。

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七味をたっぷり

するとこれがめちゃくちゃ合う! ぴりりとした辛味と、強めのにんにくの風味がしっかりと個性的な味わいで、大変僕好みです。買って良かった。

あ〜、それにしても最高だ。ここに至るまで、それなりの時間はかかってしまったけど、結果的に大大大満足。ごちそうさまでした!

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「いろり茶屋ぼたん」について

最後に、ほんの少しだけですが、お店の方にお話を伺うことができました。

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お店を仕切られていたお兄さん

営業中のお忙しい合間をぬってだったので、じっくりとあれこれ聞けたわけではないのですが、それでも親切に教えてもらえたお話が以下。

・いろり茶屋ぼたんは家族経営で、この日お店を仕切られていたお兄さんのひいおばあさまの時代からあり、途中建て替えはしたものの、創業から70年は超えているはず

・営業は主に牡丹祭の期間で、加えて年末にも数日営業する

・現在の母体は、同じ東松山市内にあるやきとり店「串串亭」で、創業から30年以上

・串串亭ではこちらのお兄さんと、そのお父さまが主に焼き場を担当している

なるほど、そりゃあやきとりが本格派なわけだ。そんなお話を聞かせてもらっていると、奥の厨房からひょっこりと顔を出してくださったのは、なんとそのお父さま。

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こんにちは〜!

実は前回の、まだ本格営業前だった訪問時、怪しいものではないということをお伝えするため、一応お兄さんに名刺をお渡ししておいたんです。そうしたらこちらのご主人、きちんとそれを見て、僕のことを気にかけてくださっていたそうで、「わざわざありがとね!」とご挨拶にきてくださいました。「フォロワー、3000人もいるんだね!」と、インスタグラム(たぶん)までチェックしてくださっていて恐縮。

こうなると次は、おふたりが焼き場に立つ串串亭にも、ぜひ飲みにいかなくては!


新たな天国酒場との出会いでした

僕はこういうタイプのお店のことを、勝手に「天国酒場」と呼んでめぐるのが趣味です。

天国酒場は一般的なお店と違い、営業時間が天気次第だったり、ネットの情報を頼りに行ってもやっていなかった、なんてことも多い。だからこそ楽しいし、実際に飲めたときの嬉しさは格別。そこに最高の天気が合わさってしまったんだから、もう本当、最高としかいいようのない体験でした。

今年の牡丹祭は5月7日まで。期間中、昼間にいろり茶屋ぼたんを訪れて、夕方から開きはじめるやきとり店をハシゴするなんてコース、考えただけで楽しすぎませんか? おすすめですー。

ただし、記事中にも書いたとおり、毎日確実に営業しているかどうかは保証できないので、その点のみご了承ください。

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天国だった
編集部からのみどころを読む

編集部からのみどころ
この記事の見どころは、なんといってもパリッコさんの取材力!まさかの3回目の訪問、という足を使った取材にはじまり、おいしそうなやきとりの写真の後に挟まる、何度も東松山に通ったからこその解説(交互にバランスよく串に刺すことによって…)。そしてインタビュー写真でお店の方のいい笑顔を引き出せるのもパリッコさんの人柄のおかげでしょう。ライターの鑑!(石川)

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