会社クイズ、射撃訓練、名刺交換
先輩社員はまだまだいる。続けて研修を受けていこう。
管理部門は社長オタクを自称する社員達によるクイズ勉強会が開かれていた
ここで株式会社夕暮れの掲げるビジョンが。しっかり会社を知る機会にもなっている
企画では「お客様の心を撃ち抜く」練習。
実際に拳銃でハンソン山下さんを撃って見せろという。この人だけ世界観が怖すぎる。
撃つぞ、撃つぞ......
なぜか撃てないと思ったら撃鉄が起こせてなかった。凡ミス。
なんとか研修を終わらせスタンプをゲット。
怖かった〜〜
ほりさん、研修後に勝手に机のものに触ろうとしてハンソン山下さんに威圧されていた。それはほりさんが悪いよ。
続いて人事・総務のしきぶさんとは短歌で交流を、
営業では「株式会社夕暮れ」流の名刺交換を伝授
だいぶスタンプがたまってきた
これにて6人の先輩社員による研修が終了。残るは1人だけだ。
株式会社夕暮れという名の物語
最後は新人、山下未来さんの研修だけなのだが......。
じっとタブレットを見つめたまま、全く動いてくれる気配がない
実はここ、先ほどのないしょの掲示板にヒントが書かれていた。
飴ちゃんをあげると話してくれるらしい。ちょっとした謎解きである
そしてその飴ちゃんの入手方法も掲示板に。
ハンソン山下さんにクマのぬいぐるみをあげると飴をくれるらしい
確かにあったな、飴。
そしてクマのぬいぐるみは誤発注で大量に余らせているとの情報も
ということで先輩社員に声かけしてクマのぬいぐるみをもらい、
小さいクマさん。かわいい
ハンソン山下さんに渡すことで飴ちゃんをゲットし、
「アメリカで熊を撃って以来熊のことが忘れられなくてね...」と言っていた。だから怖いって
山下未来さんに飴ちゃんを渡すことで意思疎通に成功。昔のRPGってこういうおつかいイベントあったよね。
ようやく話してくれそう。最初に見た時からこの人だけどういう業務?と思ってました
聞けば山下未来さんは人との交流が死滅した未来から来た未来人で、3年後に倒産する株式会社夕暮れを救える人を探していたらしい。
突然のファンタジーである。そして設立イベントで倒産の話が出てくるの、シビアすぎじゃないか。
ずっと見ていたのは人が誰も出歩かず、交流が一切なくなった未来の渋谷
飴ちゃんは昔父親がくれた思い出の品だという。ハンソン山下と山下未来、なるほどね
そしてここまでスムーズに研修をこなし、他部署の信頼を得てきた我々ならばこの会社の一員になることで会社と未来を変えられるかもしれないらしい。
そのため社長に会ったら人との交流や遊びへの思いを猛アピールして欲しいという。なるほど、これがこのイベントの終着点なわけだ。
そうだよな、あのハンソン山下さんの信頼を得たのは我々くらいのものだろう
最後にステッカーをもらうことで、社長室の場所が判明。
今までのスタンプがその道筋になっていた。そしてがっつり外だ!
「なんか、本当にこの街が舞台って感じでいいね」確かに
会場内をうろうろしている限りは楽しいイベントだなーくらいの気持ちだったが、外に出て自分の足で隠された場所に向かうとなると緊張感が一気に上がってくる。だって外は普通の日常なんだもの。
なんというか自分の意志で前に進んでいる感じがすごい。
行ったるで〜!
そして地図に書かれた場所に向かうと、めちゃめちゃ会議中の社長の姿が。
どことなく元気がないように見える。このままだと3年後に倒産してしまうぞ
忙しそうな社長と直接話すなんてどうしたって緊張感が出てしまうものだが、ここまで様々な研修を乗り越えてきた我々である。その勢いのままに社長に遊びの楽しさへの思いをアピールしたところ......

未来の渋谷に人が!
実は社長も荒廃した未来のことを知っており、未来を変えられる人物(参加している我々)と出会うためにこのインターンシップを企画していた、というストーリーだった
単なる会社の業務紹介的なインターンシップかと思いきや、架空のインターンシップというアトラクションであり、さらには全体を通した物語の体験というイベントだったのだ。
えーっ、なんだこれ。いつの間にか物語の主人公になっている。
これか。これが「イマーシブ」な体験というやつか。なるほど......。
誰もが「体験」でわくわくできる世界を作りたい
こんなにわくわくした会社設立イベントは初めてである。一体どんな人がこのイベントを、そしてこの会社を作ったのだろう。ということでイベント終了後に株式会社夕暮れの代表取締役、きださおりさんにお話を伺った。
――どうしてこんな形の会社設立イベントを開催したのですか?
よくある立食パーティーというよりは、こういうことがこの会社はできますよ、ということを知ってもらえるようなイベントをしようと思いまして。一方で2日間限定のイベントなので、大がかりなものというよりは再現性のある形にしました。
――再現性というと?
今回の「物語のあるスタンプラリー」のようなイベントは色んな会社でもできると思っています。実際にその会社のクイズを出したり、実際の営業の方に営業マンとして出演してもらったりすれば、より会社のことを楽しく理解できるコンテンツになりますよね。もうこれが一つのパッケージとして、興味ある会社さんはぜひ!と、イベントの最後にチラシを配っていました。モニター割引企業は現在も募集しておりますのでお気軽にどうぞ!

――なるほど。純粋に参加者が楽しめるだけでなく、ある種ショーケース的なアピールにもなっていたんですね。
「個人的には立食パーティーは苦手なので真っ先にやめました。あれって所在なくなる時あるじゃないですか」あまりにも分かりすぎる
――ではそういった体験型イベントの会社を設立しようと思った背景について教えてください。
私は株式会社SCRAP(筆者注:謎解きでめちゃめちゃ有名な会社です)の執行役員でもありまして、謎解き制作も大好きなんですが、プライベートで謎解きに通い詰めているかというとそうでもなくて。。全然散歩とかしてるんですよ、そんなにエンタメよりな趣味もなくて。
でもそういう人も日常の中でめちゃめちゃワクワクする散歩とか、ドキドキするようなショッピングとか、ゲームや勝ち負けがなくても楽しめる可能性ってあると思っていて。そういった体験を作り出せる実験場になるといいなと思って株式会社夕暮れを立ち上げました。
「あと自分が責任者である企業じゃないとオッケーが出せないような気が狂ったことがしたいですね」いい話だ
――今回僕は「イマーシブ」なイベントというものが初めてだったのですが、こういうイベントをまだ体験したことがない人も結構いると思っています。楽しむコツとかってあったりしますか。
いや、もうお客さんには来ていただけるだけで、素直に体験していただくだけで大丈夫です。例えば人が目の前で倒れたら、救急車呼ばなきゃとか、何か手助けしなきゃとか、自然に考えたり体が動いたりするじゃないですか。そういう状態に自然と持っていけない限りはまだまだもっと面白いものを作らないとと思いますね。
――最後に意気込みをお願いします。
物語体験というか、自分が何か動いて物語が進むような体験型のエンターテインメントはこれからもっともっと広がっていけると思っています。今まさに発展途上の段階だと思うので、思いつく限りのものを形にして、漫画や映画、ゲームのように自然と人々の選択肢に「体験」というものが生まれるような日常を作っていければと思います。
――ありがとうございました!すごく楽しみです。