サメバーガーをください
一度水族館を出て、サメバーガーが買えるという売店にやってきた。


聞くと今日は遠足客の対応でサメバーガーは提供できません、とのことだった。

遠足の子どもたちは自分たちで釣ってきた魚をこのお店で調理してもらえるのだとか。
お店の方々は持ち込まれた魚たちに黙々と向き合っており、サメバーガーどころではなさそうだった。別の人に2回聞いたがやはりダメだった。


遠足は大切である。さっきも言ったが体験というのは頭に残る。子どもたちの体験には未来がかかっているのだ。
しかしである。そんなこと言ったらおれだって2時間かけて自転車で来ているのだ。どっちが遠足かと言ったら僕の方ではないのか。
なんて文句は心にとどめ、わかりました!また来ますね!と笑顔でお店を後にした僕は本当にできた人間だなと思った。


僕もライターのはしくれとして、どんなに失意のどん底でも自撮りだけはしようと心がけているのだけれど、おかげで朝やってきた時の写真と見比べて我ながら笑った。

予兆
思えば予兆みたいなものはあったのだ。
朝、玄関で猫が吐いていたので掃除しにいったら僕の靴の上で吐いていた。

水族館のサメ水槽の前で子どもたちが言っていた「これ食べれるかな」も思えばそうである。心の中で(むしろ食べられる方だからな!)と毒づいただろう。あれでサメのバチが当たったのだ。

しかしもう口がサメバーガーの口になっている。というか純粋にカロリーが足りない。このまま2時間また自転車漕いで帰れる気がしない。
先にも書いたが、僕は以前この辺に住んでいたので土地勘はあるのだ。すこし走るとマクドナルドがあったのを思い出した。あそこでフィレオフィッシュを食べて帰ろうと思い、最後の力を振り絞って5キロくらい自転車を走らせ、たどりついたマクドナルドがこれだ

だれがマクドナルドがなくなってるなんて思うだろう。もうだめだ。
道向かいのセブンイレブンになんでもいいから魚の入ったパンでも売ってないだろうか。
呪いは続く




なんでもある、さすが我らがセブンである。これはもしかしたらサメバーガーもあっちゃったりして。
そう思ってパンコーナーに行って見たところ


海の近くのコンビニだからかにぱんなのだろうか。捕れたてかこのやろう。
もういい、今日はきっとそういう日なんだろう、もうあきらめる。これ以上追い求めるとどぶに落ちて溺れたりしそうで怖い。

来るのに2時間かかったのだから帰りは疲れをかんがみて2時間以上かかることが予想されるんだけど、最初の30分で自転車がパンクした。
くどいようだが僕は以前このへんに住んでいたのである。ここいら周辺に自転車屋さんはない。今度こそもうだめだ。
半泣きでガタゴトいう自転車を押しているとハードオフを見つけた。


タイヤを替える
ハードオフにタイヤが売られていたのが今日のハイライトである。一日が長すぎてサメを見ていたのが昨日のことのようだ。
とにかくまずは自転車を直さないと家にも帰れない。お店の前の駐車場を借りて作業させてもらった(空気入れも借りました)。
このまま情報のない記事になったのではここまで読んでくれたみなさんに申し訳ないので、ここでひとつ自転車のパンクの直し方をお教えしたい。パンク修理キットすら持ち歩かないやつが何を、とお思いかもしれないが今日のところは大目に見てください。
まずはタイヤを外そう。
パンクの直し方① タイヤを自転車から外す

パンクの直し方② チューブを引っ張り出す
タイヤはだいたい外側のタイヤがパンクしているのではなく、中に入っているチューブと呼ばれるゴムの袋に穴が開いているので、そのゴムチューブをタイヤから引きずりだす。


パンクの直し方③ 新しいチューブを入れたらタイヤをもむ
穴のあいたチューブを引っ張り出し、新しいチューブと入れ替えたらここ大切なんですけど、タイヤを一周、しっかりと指でもんでほしい。
これをやることでチューブがタイヤの中にちゃんと収まって空気を入れても破裂したり脱腸したりしにくくなる。

空気を入れたら完成である。おつかれさまでした。
慣れた人なら5分10分でできるのかもしれないが、僕は慣れていないので30分かかりました。

これぞ人生
あらかじめ言っておきたいのだが、八景島の水族館でのサメの展示の力の入れようは本気だし、あそこでの体験はずっと心に残るものだと思う。サメバーガーもいつもなら食べられるのだろう。たまたま子どもたちの遠足と重なった僕が悪いし、昼時を過ぎた時間にコンビニに行ったらかにぱんくらいしかなくても仕方がないのである。パンクしたのだって誰のせいでもない、僕のせいだ。
この話を友だちに話したところ、サメなら江ノ島水族館でも食べられるのに、という情報をいただいた。江ノ島水族館はうちから自転車で20分である。その距離ならたぶんパンクもしないだろう、聞きたくなかった。
しかし僕は、今日の体験からいろいろなことを学んだ気がするので別にいいのである。いつか江ノ島水族館でサメを食べたときに感じるであろう感動は誰よりも強いに違いないのだ。
疲れたので寝ます。