皆ひょうたんを使ったほうがいい
ひょうたんを普段使いするのは意外とハードルが高くない。機能性としては普通のタンブラーとなんら代わりない。しかも見た目が可愛いので、結構みんなに羨ましがられる。もし今後、耐熱性のひょうたんが出てきたら年中使ってしまいそうだ。
ただ、見た目のインパクトがありすぎるので、人の視線をビシビシと感じる。それに耐えられる人は是非普段使いをおすすめします!
ひょうたんを日常生活で見る機会は圧倒的に少ない。おばあちゃんの家に置いてあるのをみたことがあるかないか、というぐらいである。
ひょうたんは見た目がすごく可愛いし、実は水筒やお酒の貯蔵をするために使われていた。そんなひょうたんを現代で普段使いしてみたいと思った。
そもそもひょうたんとは一体なんなのだろうか。インターネットで調べてみると、ヒョウタンの果肉部分を取り除いて、乾燥させたものが容器として水筒や酒の貯蔵に利用されていたようだ。
現在では文明の進化によりタンブラーや高性能な水筒があるので、ひょうたんは飾りや置物として買われることが多いのではないだろうか。
だが私は思うのだ。ひょうたんってかわいい。丸っこくてくびれがあって、ころころしていて、一つとして同じ形のものが無い。全てがオンリーワン。そんなの、使うしかないじゃーーん!!
どこで素敵なひょうたんが手に入るんだい!とインターネットの海をさまよっていると、某人気通販サイト・Amazonで購入できるようだ。しかもいろんな種類のひょうたんが売ってる!Amazonって本当になんでも売ってるんだね!すごいね!とぼやきながら購入。
色々なひょうたんが売っていたが、今回はシンプルでどの場面にも合いそうなものにした。上部の栓がしっかりとしていて、逆さにしても溢れない!なかなか良い作りのひょうたんである。
ただ、使い始めだからなのか若干ひょうたんの渋い香りがする。自然物がゆえの代償なのだろうか…
早速ひょうたんに何か入れて飲んでみる。ひょうたんは耐熱性がないので、冷たい飲み物しか入れることができない。まずはクセの少ないお茶を入れてみることに。
飲む場所と入れる場所が同じなので、狭い口の中にお茶を入れなければならない。
皿を丁寧に置けない という理由でイタリアンレストランをクビになった女なので、やはり大量にお茶をこぼしてしまう。一面ビチャビチャになってしまった。仕方なし!
意外と飲みやすい(飲みやすそうな表情ができてなくてすみません)。がぶ飲みはできないが、普通に飲める。渋い匂いもそこまで気にならなかった。ただ、飲む時に必ずおちょぼ口になるので、若干間抜けな顔になるというのが難点だ!!
暖かい飲み物こそ入れられないものの、冷たい飲み物はちゃんと冷たいまま保たれている気がした。ただ、持続力は低い。タンブラーには負けるが、それを全て払拭するのが「見た目のかわいさ」だ!ひょうたんは見た目が本当にキュートだ。なで回したくなる。
志賀直哉の「清兵衛と瓢箪」という小説があるが、清兵衛が必死にひょうたんを磨いていた意味が少しわかった気がした。気づいたらずっと手元でナデナデしたくなる魅力があるのだ。
ひょうたんをまじまじと見ていると、なんだかオシャレアイテムにも思えてくる。若干野暮ったく見えがちなひょうたんを、どうにかオシャレに使いこなせないだろうか?
日本のオシャレシティ代官山に来た。代官山に来ればきっとオシャレな人間に映るだろう!という安直な考えだが、物は試しなのだ。
代官山は比較的オシャレな格好をしなければ入国できないシステムになっている。とりあえず家の中にある大人っぽく見えるかもしれない服を引っ張り出した。
ブランド物=オシャレという方程式が現代で通じるのかはわからないが、やってみるしかないのだ。
カバンからでてきたのは…
バックから当然のごとく出てくるひょうたん。オシャレシティに引けを取らない存在感である。ハイブランドが出したちょっと前衛的な小物にも見えてきた。
駅前でひょうたんを掲げていると、妙に人にみられている気がする。これみよがしに見せびらかしながら、街を歩いてみよう!
不思議なことに、代官山で持っていると行き過ぎたオシャレ感が漂ってそこまで違和感がない。最先端のオシャレと言っても過言ではない。撮影を手伝ってくれた友達が「そこまで堂々と持たれると、段々欲しくなってきた」と言い出した。
タンブラーの代わりにひょうたん。なんとも粋な人じゃないか!
そうだ、せっかく代官山に来たのだから…あのスポットへ行ってみよう。
スターバックス、それはオシャレ民の溜まり場である。ところで皆さんは、スターバックスはタンブラーを持ってくればそれに入れてくれるということをご存知だろうか?
タンブラーの代わりにひょうたんを出して、スタバの店員さんは受け入れてくれるのか。単純に気になったので、試してみることに。
本当は温かいのが飲みたいが、ひょうたんに入れたいので冷たいチャイティーを注文。店員さんに「タンブラーでお願いできますか?」と前置きしつつ、ひょうたんを出してみる。店員さんにかなり動揺しながら「こちらにお入れしてよろしいでしょうか?」と言われた。
スタバの店員さんは非常に親切で、「(口が小さくて入らないので)氷抜きでお願いします!」と伝えると「氷抜きの分、ミルク多めにしておきましょうか?」と謎の気遣いをしてくれた。注いだ際にひょうたんの口についたミルクをサッと拭き取ったり、扱いに慣れていて感動。まさにプロフェッショナルだ……
ただ、渡す時に「タンブラーでお待ちのお客様〜」と言っており、絶対にひょうたんとは言わなかった。
すんなりと入れてもらえて感動。スターバックスさん、ありがとう!さっそく飲んでみよう。
まずは匂いを楽しんでみる。ひょうたんの独特の香りと、チャイティーの香りが混ざりあってめちゃくちゃいい香りになっていた。これは期待できる〜!
ひょうたんで飲むチャイティーは驚くほど美味しかった。ひょうたんで飲むことで香りが強く出ている気がする。何よりも”ひょうたんで飲んでいる”という事実が美味しくさせるのだ。
みんな!私のかわいいひょうたんをみてくれ!!!!!!
そう叫びたくなっている。完全に親バカならぬひょうたんバカになりつつある。
せっかくなので、もっと遠くへひょうたんを連れ出してみたい。ちょうど静岡に行く予定があったので、富士山を目指して旅へ出ることにした。つまりは、ひょうたんと初めての旅行である。
ここまでくるともはや水筒という機能だけでなく、ある種人形的な癒し効果がある気がしてくる。やはり形状の可愛さなのだろうか?
気づいたら撫でてしまうし、写真を撮ってしまう。まるで我が子と旅行に来ている気分だ。かわいいなぁ……
大移動を経て、富士山が見えるキャンプ場に着いた。かなり移動したのでカバンの中で水が溢れたら困るなと思ったが、何も心配はいらなかった。そして何よりも本体が軽いので、かさばらない。遠出にも問題なく使えると感じた。
ちなみに中身は緑茶。理由は、静岡で飲む緑茶は絶対にうまいだろうという確信があるから!!
大自然の中、富士山を背景に飲むお茶は、とっても美味しかった。ただ、ひょうたんで飲んだので一瞬自分が野蛮人になったかもしれないと錯覚した。
ひょうたんを普段使いするのは意外とハードルが高くない。機能性としては普通のタンブラーとなんら代わりない。しかも見た目が可愛いので、結構みんなに羨ましがられる。もし今後、耐熱性のひょうたんが出てきたら年中使ってしまいそうだ。
ただ、見た目のインパクトがありすぎるので、人の視線をビシビシと感じる。それに耐えられる人は是非普段使いをおすすめします!
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