特集 2026年11月7日

台北市立動物園、なんだこの大きさは

1日じゃ回りきれない

嘘のように雨の降り続いた2026年9月。人生で初めて台湾に来ていた。

街並みや食べ物も楽しみだったけど、自分の中でメインイベントに据えていたのが「台北市立動物園」だ。
何せ大きな動物園だという。約165ヘクタールの敷地面積はアジア最大。実に上野動物園の12倍、ディズニーランドを余裕持って3つは収容できるその広大な敷地に350種を超える動物たちを抱えている。

そう、行くしかないのだ。

埼玉生まれ、神奈川育ち、東京在住。会社員。好きなキリンはアミメキリンです。右足ばかり靴のかかとがすり減ります。(インタビュー動画)

前の記事:マクドナルドのホットコーヒーはずっと熱いと思ってた

> 個人サイト のばなし >ライターwiki

アクセスも良いぞ、台北市立動物園

台北市立動物園は台北駅から鉄道でおよそ20分。これだけ大きな施設だというのに都心部からアクセスが良いのも魅力的だ。

「動物園駅」というフィクションみたいな駅名。わかりやすくてよい

台湾の鉄道は、車内はおろか駅のホームでさえも一切の飲食が禁止されており、違反者には最大7,500台湾ドル(日本円にして約35,000円)の罰金が課せられる。

と、そんなことはガイドブックで学んで分かってはいたはずなのに、道中、無意識にペットボトルのふたを開けようとしてしまい同行者に慌てて止められた。あぶない、習慣って恐ろしい。

コンパクトな車両(飲食禁止)

無意識と戦いながら車窓の景色に緑が増えていく電車に揺られ、どうにか罰金を払うことなく動物園へ。

かなり晴れ!動物園日和、というには少し暑いくらいだけれど、雨よりはよっぽど良い

この大きさ、この動物たちの数だ。午前中から閉園の17時までみっちり歩いたけれど、展示を回りきれなかった。1日かけても時間が足りない!

すべてを紹介することはできないけれど、そんな広大さも台北市立動物園の魅力のひとつだ。もちろん、この園の面白さは広さだけではない。それら一つひとつをお伝えしていきたいなと思ったのです。

見どころ1:台湾特有の動物が見られる(運が良ければ)

園内入ってすぐ右手にあるのが、台湾で暮らす動物たちの集まった「台湾動物区」だ。

この右下のあたり(公式マップより)
エリア入り口、園内はご覧のように緑が溢れる

ここでぜひ会いたかったのがセンザンコウ。

哺乳類の鱗甲目に属するセンザンコウは、その「鱗甲目」の名の通り硬い鱗で身体が覆われており、丸まって外敵から身を守る。

こんな見た目の、描く手間のかかるやつです。漢字では山を穿つ甲、と書いて山穿甲と書く、格好いい
展示にも力を入れており、世界のセンザンコウの分布図や、その鱗は毛の集まりでできていること(ちょうどサイのツノのように)などを学ぶことができる

事細かに記された説明文はある。

が、肝心のセンザンコウの姿は見えない

日本にも昨年(2025年)までは上野にいたけれど、今では見ることのできないセンザンコウ。
できたら会いたかったけどな〜。多少粘ったけれど一向に姿は現さず。まあ、そういうこともある。また今度ね。

ここにも台湾で暮らす動物がいるらしい

ゆっくりと豊かな自然を眺める時間が続く。

「姿が見えなかったらこの辺り探してみて!」というヒントがそこかしこに

動物園って、動物の姿が見えないことも多い。こういった巨大な動物園になればこそ1頭あたりのスペースも広くなるし、彼らにとってもストレスが少ない環境の方がうれしい。

ひとりで回る分にはおだやかに散歩の気分でいられるのだけど、今日少しそわそわとするのは同行者がいるためだ。

デイリーポータルZライターの唐沢さん(左)、りばすとさん(奥)、筆者(右)。冒頭の、車中で水を飲みそうな筆者にストップをかけてくれたのはりばすとさんだ

海外旅行という貴重な機会で動物園についてきていただいたのだ。楽しんでもらいたいじゃない。序盤の筆者はそういった勝手なホスピタリティで動物の解説やら口数が多くなっていたと思う。

そろそろ動物に会えても…という空気感のなか、すっかりその姿を見せてくれたのがツキノワグマだ。

しかも手前の池で水浴びをしてくれて!ありがたみもひと塩、テンションの高まる3人

ツキノワグマは台湾の人たちにとっても特別な存在なのらしい。空港の入り口で、地下鉄の通路で、様々な場所でツキノワグマを模したキャラクターが愛嬌を振りまいていた。

空港の駅より。台湾のアイデンティティであることが、着いたその日から伝わってきていた
固有種のタイワンザル!ニホンザルに似ているけれど尻尾が太く長い

スロースタートだけど、大丈夫、ここからしっかり動物たちが現れます。

見どころ2:学びがあるぞ、子ども動物区

ここはぜひ訪れなくては、と筆者が楽しみにしていたのが台湾エリアの向かいに位置する「子ども動物区」。

まだまだ入り口
中華風の建造物に唐沢さんのテンションが上がる。建物一つ一つも動物園の腕の見せどころだ

”子ども〜”と聞くと、モルモットやうさぎなどが所狭しと密集したふれあいコーナーのようなイメージがあるけれど、ここではだいぶ趣が異なる。

例えば、この鶏の展示。

看板がかわいい。Happy Hens Farm

この鶏舎に入ると目に留まるのが「かつての養鶏の様子」のジオラマだ。

実際の養鶏の様子が映像で流れていた

”卵を産ませる”ことに特化し、ケージに横並びにされるニワトリたちと、その下には垂れ流した糞尿が堆く積まれており、決して衛生的な環境とは言えない。さながら「卵工場」といった様相。

その向かいには元気に動き回るニワトリたち

いわゆる平飼い(地面に放して、自由に運動できるようにした飼い方)の様子を再現しているのだ。ニワトリたちは好き勝手に動き回り卵を産むので当然回収の効率は落ち、管理にも手間がかかる。

でもそれが健全だよね、というメッセージ。

元気なニワトリたち!平飼いは卵の質が高まる傾向もあるそうな

動物の福祉、いわゆるアニマルウェルフェアに着目している展示なのだ。

いったん広告です

少し奥に進むと動物園の裏側を知ることのできる展示がたくさん。

日常の訓練について。観客に披露するためではなく、飼育員との間に信頼関係を築くことや異常行動の発生頻度を減らすことにもつながるそうな。日常のメリハリって大事よね
大型の動物のための巨大な麻酔器、そしてその歴史

動物園の在り方を考えさせる、これは大人にこそ見てほしいエリアかも。

加齢によりすり減った下顎や前肢の展示

動物園で暮らす動物たちは野生下と比較しても当然寿命は長くなるのだけれど、とはいえちゃんと老化もしていく。彼らの年齢にあわせた飼育をしていく必要があり、それを怠ってはならない。

「長生きできたね、よかったよかった」と手放しでいたな、その背景にはもっともっと奥がある。

安楽死の展示で静かになる我々

中国語が堪能な唐沢さんのおかげでこれら展示内容の理解スピードが20倍になりました。

唐沢さんは台北が5〜6回目、りばすとさんも3回目。台湾リピーターのみんなのおかげでとても快適な旅になった、謝々すぎる。

ところで台湾はまだまだ暑い。しっかり可爾必思Waterを飲んで水分補給をしよう
プレーリードッグは今まで見たことない数がいて、”社会”が広がっていた。ここもずっと見られる

⏩ パンダ、大人気

▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>

記事が面白かったら、ぜひライターに感想をお送りください

デイリーポータルZ 感想・応援フォーム

katteyokatta_20250314.jpg

> デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」が届きます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ