特集 2023年12月8日

お祓いに使う大麻(祓串)の作り方

祓串を作っていこう

それでは早速、祓串を作っていこう。ほとんどは紙垂にまつわる作業になる。

慣れていても全工程で1~2時間くらいはかかるので時間の余裕があるときに奉製しよう。

50枚の改良紙を
そのまま四分割する

はじめに、ふぁさふぁさの部分(紙垂)になる紙をカッターで切る。用意したのは改良紙という高級半紙のようなもの50枚である。紙はなんでもいいが、しなやかで丈夫なものが好ましい。

しかし「改良紙」ってなんだろうね。パピルスと比べたらぜんぶ改良紙だろうよ。

次にこのように切り込みを入れる(×4組)。説明のために広げてみた。
間隔は感覚で大丈夫です。こんな感じかなあ。切れ込みが深いほど紙垂が長くなります。
段々に折り込めばほら、それっぽくなってきましたよ。折り方は後述。

ここまできたら紙垂の作業ははいったん終了である。それぞれわけて脇に避けておく。

つぎに柄の部分に鏡をつけていく。

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鏡といっても先端についている四角い紙の部分ですね

いろいろ調べてみたところ一般的なものは鏡をつけないようだが、私の習った作り方ではとても重要な部分なので省略せず説明する。 

そうは言っても大判の厚紙を半分に折って
もう半分に折って、最後は縦方向に半分に折るだけ
棒の先端に割れ目を作って
折った厚紙を挟み込む

このまま棒を振ると固定されておらず厚紙が飛んでいってしまうので、目打ちで穴を開けてこより紐で縛っていく。 

棒を挟み込むように穴を開けて、紐を通して厚紙を固定する。その穴の2cmほど外側にも穴を開けておく
それを3箇所。結び目が正面に来るように。まだ縛らないでください。
こより紐と棒の間に長めの麻苧(あさお、麻でできた紐)を通して縛ると、こんな感じに。

ここまできたら、さいごに紙垂を取り付けていよいよ祓串の完成である。 

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鏡を固定するときに開けた穴にこより紐を通して
棒のわきに輪っかを作る。ここに紙垂を入れ込むのだ
それを6箇所。なんか虫みたいでかっこいいんだよな

いま作ったこより紐の穴に紙垂を通して縛って固定する 

紙垂は上から順に手前、奥、手前側に折る。紙がバラバラにならないようにクリップで固定しておこう。
紐の間に通して
紙垂が落ちない程度にキュッと紐を縛る。紙垂は前後左右とも外側へと広がっていく形になっていればいい

ちなみに、鏡を用いない場合は棒の先に紙垂を直接取り付けるのが一般的なようだ。その方法なら棒の先に輪ゴムで紙垂を縛るだけなので相当簡単に作ることができる。

残りの3箇所も同様に紙垂を挟み込んで縛れば
形になったぞ!!!!

だいたい完成!お疲れ様でした。

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…おや、なんか濡れた犬のようにほっそりしていますよね。実はあとひとつ工程があるのです。

ボリュームアップのため50枚重なっている紙垂を一枚一枚バラす
そして折り目をしっかりつける

振ったときに格好がよくなるように、4箇所についている50枚の紙垂をすべてバラして、1枚につき3箇所の折り目をつけなければならない。4×50×3で計600もの折り目を……。

そうして、できあがったものがこちらだ。
 

せっかくなので外で撮りました

 いやあ。我ながらよくできたなあ。せっかくなので紙垂の交換前のものと見比べてほしい。

ビフォー/アフター

きれいだなあ。

ちなみに使い古した紙垂はゴミ箱に入れるのではなく、感謝の意味も込めてお焚きあげするようにしている。

それでは、ここまでお付き合いありがとうございました。最後にイチョウの葉っぱを掃き集めて作ったトライフォースを見て帰ってください。
 

由緒もなにもないトライフォース
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