田舎の時間はゆっくりか
楽しい/辛いの話からちょっと逸れるけれども、今回もうひとつ検証しておきたいことがあった。「田舎は時間がゆっくり流れる」というのは本当だろうか。いつも旅行で田舎に行くと、一瞬で時間が過ぎ去ってしまう。ただそれは「楽しいから」という原因が大きいように思うのだ。そういうの抜きにして、ただ田舎に行ってみたら、時間はゆっくり過ぎるだろうか。
東京を離れて、どっぷり田園風景の中でのんびりしながら計りたいところだが、すでに日も暮れかけていたのであまり遠くへは行けない。自分の心当たりの中から、比較的近場で田んぼのたくさんある場所へ向かった。
夕日の綺麗な時間を狙ったのだが、電車で移動しているうちにみるみる日は沈み、着いた頃にはすっかり暗くなってしまった。
やってきたのは相鉄・JR・小田急の乗換駅、海老名駅だ。いろんな路線が乗り入れているだけあって、駅前はショッピングモールなんかがありずいぶん開けている。しかしちょっと足を伸ばすと、のどかな田んぼの風景が広がっているのだ。
田んぼに向かう途中になぜか千円札が大量にばらまかれていた。犯罪の匂い、と思ってよく見たら子供銀行券だった。
10分ほど歩くと、田んぼの中のあぜ道に出る。「都会の喧騒を逃れて」なんて言い回しがあるけれども、あぜ道の中は虫の声と蛙の声で街中よりうるさいくらいだ。
石の上に座り込んで、水の張られた田んぼの水面を眺めつつ、3分間をはかった。本当に田舎は時間がゆっくりに感じられるのであれば、3分たったと思っても実際にはもっと短い時間しかたっていないはずだ。
本日の最速記録!体感時間は実時間の1.67倍のハイスピードです。田舎は時間がずいぶん早く進むことがわかりました。マッハ田舎!
楽しい時間は1.5倍近く速く過ぎることもある
実験結果をグラフにまとめたものがこちら。
そしてわかったことは、こんなこと。
- たいていの場合、やっぱり楽しい時間は早く過ぎて、辛い時間は遅く過ぎる
- 特に痛みに耐えている時間はものすごく長く感じる
- 酒を飲むと時間感覚がゆがむ
- 田舎の時間はそんなにゆっくりじゃない
楽しい時間を少しでも長く味わいたければ、腕に洗濯ばさみをつけて過ごすといいかもしれない。あと生き急ぐ人は田舎へ行きましょう。今回の実験が、みなさんの今後の人生設計の参考になれば幸いです。