初冬の風物を謡った文部省唱歌「冬景色」の一節には「人は畑に麦を踏む」とある。麦の芽を踏むことで根の張りを良くして、より多くの実がなるよう促しているという。
古来から大地と足裏でコミュニケーションを取ってきた人類が現代社会の営みの中で潜在的に求めていたのは、ホテルの使い捨てスリッパなのだと確信が持てた。さあ、持ち帰ろう(ご自由にどうぞっていうやつだけね)。
アスファルトの道路を歩き、ヒビやマンホールやグレーチングならびに各種コンクリートを踏破してきた。
そこには多彩な踏み味が存在したが、どれも力強い剛性を持っていた。岩を砕く波のような僕の父親だった。
じゃあ土とか草はどうなるんじゃいとなるのは当然の心の流れではないか。軟質な踏み味をテイスティングしてみた。
やわらかな感触が欲しくて、勢いあまって多摩川を目指した。歩いていったわけではない。練馬からスリッパを持って電車に乗った。マイ自転車を分解して電車に持ち込み、行った先でサイクリングを楽しむ、輪行っていうんですか?あの感じである。
恋人たちが岸辺に並び川の流れをじっと見ている。どこからかアコースティックギターと愛の歌が聞こえてくる。私はその後ろの河川敷を薄底スリッパで闊歩する。平和だ。ピース。
ちょっと草が長くて、踏んではいけないものを踏んでしまいそうでなんかこわかった。おまけに夕方だからか、足にまとわりついてくるような夜露の湿り気がうっとおしかった。昼間の芝生ぐらいが快適なのだろう。こんな詳細なレビューいるのだろうか。
最後にこの薄底散歩を敢行してでわかった踏み味意外のメリットを列挙しておきたい。
⬛︎めちゃめちゃ軽い
スニーカーのエアーなんとか、なんてもんじゃない。
⬛︎めちゃめちゃ涼しい
薄底、薄底と言ってきたが、甲のところも心配になるぐらい薄い。
通気性も何も、風がダイレクトに当たってくるのだ。
⬛︎【おすすめ!】ふつうの靴がめっちゃ厚底
1時間ほど薄底散歩を行い、ああいい体験だったねと元の靴に履き替えると、そこに押し寄せて来たのはそれまでを凌駕するような感触だった。いつも履いていた靴がめっちゃ厚底に感じるのだ。
なんとも言えない浮遊感(言ってるな)が足元を包む。これはもうやればわかるとしか言いようがない。
さあ、レッツ、薄底ウォーク!
初冬の風物を謡った文部省唱歌「冬景色」の一節には「人は畑に麦を踏む」とある。麦の芽を踏むことで根の張りを良くして、より多くの実がなるよう促しているという。
古来から大地と足裏でコミュニケーションを取ってきた人類が現代社会の営みの中で潜在的に求めていたのは、ホテルの使い捨てスリッパなのだと確信が持てた。さあ、持ち帰ろう(ご自由にどうぞっていうやつだけね)。
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