三軒目は兵庫県尼崎市・塚口の「ちから餅」へ
翌日、また「ホームランうどん」を食べに来た。これで三日連続ホームラン達成である。大谷選手だったらニュースになっているはず。
やってきたのは兵庫県尼崎市の阪急塚口駅だ。
駅の北口に出てすぐの場所に「ちから餅 塚口店」というお店があり、店頭ではおはぎや大福などを売っているのだが、店の奥が食堂になっている。
店の外の、食品サンプルが並ぶガラスケースの中にも「ホームランそば・うどん」があった。
入店し、改めてメニューを確認する。「ホームランうどん」の写真の脇には「えび天 あげ・餅など 全部のせ」という頼もしいフレーズが。
注文するとお店の方が厨房に向かって「ホームランでーす!」と伝えていた。景気がいい。
大きな丼が運ばれてきた。私のホームランうどんだ。
そして何がいいって、お餅が入っているのがいいじゃないか。しかもこのお餅が香ばしくて美味しいのだ!
具材は見ての通りたっぷりなのだが、出汁が今まで食べてきた中で一番あっさりしていて、「このホームランなら毎日でも打てるかも」と感じた。ビールも飲んですっかり満足してお会計を。
昨日に引き続き、野暮と思いつつ「なぜホームランうどんという名前なんでしょうか」とお店の方に聞くと、「前の前に阪神が優勝した時にそれを記念してできたメニューなんです」と教えてくださった。また一つ知見が深まった。
なるほど、1985年に阪神タイガースがリーグ優勝し、日本シリーズでも勝利して日本一になったタイミングで大阪府も兵庫県も沸きに沸いただろう。優勝が決まる前後から街の人の熱気が高まって、優勝を祈願したり記念したりする意味合いで「ホームラン○○」みたいなメニューがあちこちで生まれたのかもしれない。
思い返してみれば、最初に食べた「大阪本場 中央市場 藤味」のメニューにあった「勝利を願って 勝利を祝って」というフレーズも阪神タイガースのことを指しているのだろうし、阪神タイガースを愛するこの土地の人たちがゲン担ぎに食べたりするものでもあったのだろう。関西のホームランうどんと阪神タイガースはきっと、切っても切れない関係なのだ。
最後にホームランを狙って
せっかく塚口まで来たし、と天気のいい街を歩き回り、すっかり汗をかいて酔いが覚めてきたところで見つけたスーパー銭湯に寄っていくことにした。
すっきりと体も軽くなり、さらにゆっくり休んだ後、スーパー銭湯のすぐそばのショッピングビルをなんとなく歩いていて、ゲームセンターを見つけた。クレーンゲームに目が留まる。思いっきり阪神タイガース柄の、大きな「保温保冷マルチリュックバッグ」が景品として置かれている。
阪神タイガース愛まる出しのこんなグッズを、三日連続ホームランを打ってきた今の自分なら上手に取れるんじゃないだろうか。力が宿っているような気がする。……いける。ためらうことなく200円を入れる。レバーを操作し、ボタンを押す。大きなアームがバッグめがけて降りていく。
もう一打席だ。200円投入。レバー操作。再びボタンを押す。
この後、何打席かチャレンジしてみたが私にはまだホームランを打つ力が宿りきっていないらしかった。
妙にすがすがしい気持ちで駅まで歩きながら、また、たまにはホームランうどんを食べたいなと思った。

