もっとBIGな三人組にもなりたい
かくして一人でイケてる三人組になるという夢は達成された。手のひらサイズの二人を愛おしく思う一方で、もっとBIGな三人組にもなってみたい。
どなたか、どなたか来年の地味ハロウィンまでにお知恵を拝借できないだろうか。何卒お願いします。
三人組に惹かれる人生だ。
「ズッコケ三人組」「映像研には手を出すな!」「Perfume」などなど例を挙げれば暇がない。二人だと直線的に見えた関係性に、一人加わることでリズムが生まれるのが好きだ。
わたしも三人組になりたい。せっかくなら、この世で一番イケてる三人組になりたい。
除草作業員とは沿道や公園に生えた草の伸び散らかしたのを、きれいに整える人たちだ。主に草刈り機担当と、作業中に小石などが飛び散らないよう、バリケードを立てて守る担当で構成される。
大抵は二人体制だが、時折広い道路の中央分離帯などで、三人組の除草作業員を見つけることが出来る。
特筆すべきは彼らの素晴らしいコンビネーションだ。
草刈り機が右に振られればバリケードも右へ、草刈り機担当が前へ一歩進めばバリケードも前へと、トライアングルがくるくると動き続ける姿はまるで星座が踊っているのよう。マジでかっこいいから探してみてほしい。
そしてある秋晴れの日。わたしはイケてる三人組に、そう、除草作業員三人組になることを決意したのである。
ザッ
ザッ
ザッ
実際に三人で草刈りが出来たらよかったのだが、生憎こちとら庭無し賃貸マンションの民。
勝手に公園の芝を刈るわけにもいかず、日常生活の中で三人組を満喫できる方法を考えたので二つお見せしたい。まずはこちら。
揚げ物は油はねがどうにも怖く、それを理由に敬遠するひとも多かろう。怖いからといっておっかなびっくり、高いところから食材を油に落としてしまうと地獄を見ることになる。
おお、顔が全面覆われているので全く怖くない!
ヘルメットのベルトをカチャリと締めれば、よーし、みんなで揚げるぞ!と力がみなぎってくる。
バリケードの安心感で、衣がきつね色になるまでどっしり構えて見守ることができた。
唯一、バリケード担当の二人に油がはねてしまい、心苦しいのが玉に瑕か。次からは全員がバリケードの内側に入る防御モードでやりたい。
そしてもう一つのシーンがこちら。
筆者はお化けが苦手なので、ひとりでホラー映画を見ることができない。こんなときも三人組の出番だ。
あっ
「来る」!!!
バリケードによって画面がぼやけ、怖さは確かに薄らいだ。でも、もっと手前に、また別の怖いものが見えるのは気のせいだろうか。それとも君も怖くてこっちを向いているのか。
もしかしたら読者の中にも、何かしがの三人組になりたい方がおられるかもしれないので、製作の記録を残しておく。
「三人組になりたい」と思い立った時、まず人の確保という壁にぶち当たる。友人に頼んでもいいし、メンバー募集の貼紙をするのもいいだろう。
今回はぬいぐるみを作ることにした。
ぬいぐるみ作りなんて、小学生のときに母にテディベアを教わって以来である。今回は師匠も型紙も無い。これを完成させることが自立の証ってワケよ。
母よ、あなたは遊びに来るたびに「あんなに掃除嫌いだったのに、今はこんなにきれいな部屋で暮らして…」と驚いてくれますね。それは違います。毎度その日の朝にごみを全部捨ててそう見せかけているだけなのです。そういうマインドで日々生きているのです…。
さ、気を取り直して次は頭部を作ろう。球体ってどうやってぬいぐるみにしたらいいんだ?
円形のフェルトを縫い合わせたのを想像するのだが、
みなさんもお気づきでしょうか・・・
おいちゃん…!!!
のっぺらぼうのままなのに、ボールから人間へと一気に「らしさ」が増すから不思議なものだ。
汗をかきかき、作業に勤しむ横顔が目に浮かぶ。
かくして一人でイケてる三人組になるという夢は達成された。手のひらサイズの二人を愛おしく思う一方で、もっとBIGな三人組にもなってみたい。
どなたか、どなたか来年の地味ハロウィンまでにお知恵を拝借できないだろうか。何卒お願いします。
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