はい、では今日は、無人島に何か持って行くとしたら何を持っていくか、を会議で決めたいと思います。お願いしまーす。


感染症の流行を受けてテレビ会議が注目されている。パソコンの画面にいくつかの小窓があって、そこに出席者が一人一人映っているあれだ。
あれって自分一人でもできるのではないか。やっておいたほうがいいと思ったのでやってみました。
前の記事:土曜のお便り 〜つまようじのところを持たない人
一人テレビ会議とは何か
つまり、パソコンの画面にテレビ会議っぽい枠があるのだけど、そこに全部自分がいるのだ。そして会議をしている。ただ映っているだけではダメだ。ちゃんと会話を成立させて「会議」をしている必要がある。それが一人テレビ会議である。

人は、自分一人で完結する小さな世界に憧れる。自分の部屋、自家用車、一蘭のカウンター、これらがキラキラして見えるのはそういう理由からだ。だから一人テレビ会議に憧れるのも自然の道理なのだろう。絶対にやっておいた方がいい。
それらしいものができた
試してみたらそれらしいものができた。まずは成果物をご覧ください。無人島に一つだけ持っていくとしたら何がいいか、一人で話し合っている。
思った通りのものができたのだけど、自分6人がそれぞれに動いて発言している様子は想像以上にゾワっとくるものがあった。

そしてなんとなく会話も成立している。冒頭を書き出してみよう。
















コックとかね

動画を見ながら書き出すのだけど、全員声が同じなので誰がしゃべってるか分からなくてすごく混乱した。声が同じな上に、全員、あまり口を動かさずにしゃべる。ちゃんとしてほしい。画面上の6人の自分に翻弄される、PCの前の7人目の自分である。
なかなか得難い経験ができた。充足感がすごい。これは皆経験しておいた方がいい。撮影の様子を紹介します。
こうやって撮りました
動画を見ていただけるとなんとなく想像がつくかもしれないけど、こういう流れで撮影しました。



以上である。なぜ6人なのかというと、これ以上同時に再生したら処理が遅くなったからだ。性能のいいパソコンならもっと大人数で会議ができるのかもしれない。

撮影の方法はだいたいこんな感じなので、特別な設備がなくても気軽にできる。録画と再生と、画面録画ができればいいのだ。
注意することは、再生と録画のボタンを同時に押せないので、毎回同じ間隔を開けて押すこと。そして少しずれても気にしないことである。

もう1本動画がある
一人テレビ会議、テストを含めて3本撮った。成功したもう1本は最強の動物は何か、について話し合った。
こちらも一部書き出しておこう。最強の動物としてシロクマが挙げられたけど、ゾウに勝てないのではないかという意見が出た場面。





とりあえずね



















最後、擬音ばっかりになった。理解しがたいことだけど、僕たち6人(自分1人)は、ここのあたり盛り上がったのだ。

自分のことなので、どんなことを言えば笑ってくれるかだいたい分かる。自分で自分に話すのだ。見栄も気遣いも好意も軽蔑も何もない。全くないのだ。だからふざける時の安心感がすごい。そしてちょっと笑うだけでも、それが6人分重なるのでいい盛り上がりになる。
盛り上がりやすい。一人テレビ会議にはこんなメリットもあった。

これ、独り言だ
ここまでやって分かったのだけど、これは手間をかけた大掛かりな独り言である。
自分の独り言に対して独り言を発し、それを何回も重ねていく。不気味だ。不気味なのだけどだからこそ普通の独り言より充実していたのだなと納得した。
そしてこの独り言には結論が出る。自分とはいえ不用意に発言しているので、少し時間を置いただけですぐ考えが変わる。だからそれを何回か繰り返すだけで結論めいたものが出る。考え事に向いているのかもしれない。
動画ではほわっとしたお題を選んだのだけど、自分の転職先とか結婚相手とかそういうヘビーな考え事も、一人テレビ会議で結論を出してみるのはどうだろう。

今回、分かったこと
『一人テレビ会議』とは
- 大掛かりな独り言だ
- 独り言なのに結論が出る
- 一人で確実に盛り上がる
途中で壁紙を変えた
デスクトップの壁紙は、友達と撮った写真にしていたのだけど、暗すぎるので途中で替えた。


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