まとめ
飛騨牛の牛脂ちんすこうは想像のはるか上をいく美味しさで、個人的には通常のちんすこうより牛脂の方が美味しいと思った。
沖縄には石垣牛などのブランド牛もある。
ということは「沖縄の牛脂ちんすこう」だって作れる訳で、新たなちんすこうの扉を開いてしまったのかもしれない。
ちんすこうは沖縄がまだ琉球と呼ばれていた頃から作られている焼き菓子である。お土産の定番だが、沖縄に住んでいたら、おばあちゃんの家に常備されていたり、沖縄そば屋のサービスとして提供されたりと、わりと食べる機会がある。しかし筆者は沖縄出身ではあるが、現在岐阜に住んでいることもあり、ちんすこうを食べる機会が激減してしまった。
ちんすこうが食べたい...ちんすこうが食べたい...。そうだシンプルなお菓子なので自宅で作ってしまえばいいのだ。しかも岐阜らしく、通常使われる豚脂(ラード)ではなく岐阜のブランド和牛「飛騨牛」の牛脂を使ったらどうか。沖縄と岐阜を融合した新たなちんすこうの誕生である!
と意気込んでみたが、そもそも牛脂でちんすこうってできるのだろうか。
ちんすこうの作り方を調べてみると、小麦粉、砂糖、ラードを混ぜ合わせてオーブンで焼くだけ。思っていた以上に簡単そうである。ラードはショートニングや食用動物性油脂で代用可能ということなので、おそらく牛脂でも問題ないはずだ。
そして牛脂として目をつけている飛騨牛であるが、飛騨牛とは岐阜県飛騨地方で肥育される黒毛和牛で肉質等級3以上、歩留等級がAまたはBを満たす牛のことらしい。
めっちゃ高そうじゃないか、、、
そもそも飛騨牛の牛脂を手に入れることはできるのか?
まずは、飛騨地方にある飛騨牛専門店に問い合わせてみることに。
私「飛騨牛の牛脂だけ売ってください、、、」
店主「何に使うのかね?」
私「ちんすこ、、、もごもごもご」
店主「よくわからんけど、タダでいいよ!」
私「あっあざーーーーす!!」
(翌日、飛騨高山まで往復300km運転して牛脂をもらいに行き、店主に申し訳なかったので、記事とは関係のない大好物の牛ホルモンを買った。
牛脂だけを譲ってほしいというのは、前代未聞のようだったが、今回は店主のご好意で譲って頂けた。感謝! )
※私としたことが、飛騨高山まで行きながら、豪雨と長距離運転の緊張で撮影できなかったのが悔やまれる、、、
ということで約600gの牛脂をゲットしたので、材料の紹介
飛騨牛の牛脂と薄力粉・上白糖を5:10:5の割合で準備する
全体の工程としては、
1)牛脂を精製し、不純物を取り除く
2)上記の材料を混ぜ合わせ、ちんすこうの形に成形
3)温めた200°Cのオーブンで10分程度焼いて、冷ませば完成
精製は鍋で煮込むため、溶けやすいように2cm角にカット。
水を気持ちの分入れて、牛脂が溶けるまでひたすら煮込む。
溶け切った牛脂がこちら。余分なカスは油こし器で取り除く。
荒熱を取った後、1日冷蔵庫で寝かせて、精製は完了。
約600gに対して、精製後566gなので、純度の高い牛脂ができた!
(飛騨高山まで買いに行って良かった、、、)
今回は牛脂250g、薄力粉500g、上白糖250gで作っていく。
(だいたい、ちんすこう25個分の量になる計算である)
成形したのがこちら。ちゃんとちんすこうらしくなってる(泣)
(遊び心で動物さんも作っている)
では焼き上がりを待ちましょう。
予定していたより大きくなってしまったけど、ちんすこうっぽい!!
(動物さんは膨らみすぎて、おぞましい形になってしまいました、、、)
まずは牛脂ちんすこう(味がどうなのか、、、)
うまま!
美味い‼
★★★★★
星5つ中5つ!
ラードでできた通常のちんすこうより、甘みがあり、風味も口当たりも滑らかで、上品な味わいになっている。
牛脂のちんすこう激美味!!
一応市販のちんすこうも
うん、食べ慣れた大好きな味。
飛騨牛の牛脂ちんすこうは想像のはるか上をいく美味しさで、個人的には通常のちんすこうより牛脂の方が美味しいと思った。
沖縄には石垣牛などのブランド牛もある。
ということは「沖縄の牛脂ちんすこう」だって作れる訳で、新たなちんすこうの扉を開いてしまったのかもしれない。
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